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交響曲第1番



(第1番についてはあまり書きたいことはないのですが、第1番だけ書かないというのも落ち着かないので、何か書くことにします。)

 先日、電車内でシベリウスの交響曲第7番を聴いていたとき、ぎゅうぎゅう詰めの満員だったので身動きできず、コートのポケットの中のWalkmanを操作することができなかった。そのうちに第7番が終わり、自動的に交響曲第1番が始まった(第1番はほとんど聴くことがないので、Walkmanでは2〜7番の後ろに入れてある。)。

 久しぶりに第1番を聴いてみて、それなりに聴きどころもあった。例えば第2楽章は癒しのメロディーで始まる。私の好みとしては、そのまま穏やかに美しく流れるように進んで、ことを荒立てることなく第2楽章が終わってもよいと思う。しかし、この頃のシベリウスは常識的であるせいか、何か所かで大きな音を出して盛り上げようとしてしまうのだ。シベリウスにとって最初の交響曲だから、無難にまとめようとしたのかもしれない。このあたりに不満を感じてしまう。第4楽章でシンバルが何度も鳴らされるところも私の好みではない。残念に思う。

 シベリウスが自分のやりたいように作曲できるようになるのは交響曲第3番からではないだろうか。第3番は余計なものを削ぎ落としたすっきりとした曲になっていて、とても好ましい。おそらくは第2番が成功して自信を持つことができ、第3番以降は精神的に余裕をもって作曲できたのだろうと想像する。すっきりとした第3番を経て、いよいよ第4番以降では意欲的な試みがなされるのである。