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ヴォーン・ウィリアムズ


 ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958)は、イギリスの作曲家です。ヴォーン・ウィリアムズというのは、これ全体が姓で、名前はレイフ。したがって氏名は、レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ(Ralph Vaughan Williams)、略してRVWと呼ばれることもあるそうです。
 今回、レナード・スラトキンが指揮したヴォーン・ウィリアムズの交響曲全集を聴いてみました。フィルハーモニア・オーケストラによる演奏です。他の指揮者やオーケストラの演奏は聴いたことがないので、この演奏のみから受ける感想ということになりますが、中にはとても面白くて私の好みの曲もありましたので、紹介したいと思います。
 全部で9つの交響曲は、それぞれ曲想が大きく異なります。楽章によっても異なりますので、なかなか簡単に説明できないのですが、あえて特徴をいくつか挙げてみます。もちろん例外もありますから、ご注意ください。


1.穏やかさやゆったりとしたくつろぎを感じることがあります。私が気に入ったのも、そのような部分です。
2.それに関連して、音の響きが豊かで美しいところが多い。ただし、音量が大きいというわけではなく、さほど大きな音量ではなくとも響きが豊かということです。
3.メロディーが特に美しいわけではありません。自然に生まれてくるようなメロディーではなく、どことなく人工的に感じるメロディーが多い。メロディーに期待してはいけません。
4.ゆっくりとした楽章、静かに終わっていく楽章が多い。
5.楽器の使い方としては、管楽器が活躍します。金管楽器主体の部分が珍しくなく、ときとして管弦楽ではなく吹奏楽又は金管アンサンブルを聴いているような錯覚に陥ることもあります。交響曲題8番第2楽章は、完全に管楽器だけで演奏され、弦楽器は全く使われません。
6.弦楽器のソロがところどころに出現します。
7.ハープの登場頻度が高く、チェレスタやサキソフォーンが使われることもあります。