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交響曲第4番第2楽章



 ドヴォルザークの9つの交響曲のうち、よく演奏されるのは最後の方の7番、8番、9番で、それらに比べると1番から6番までの交響曲は演奏されることが少ないようです。今回、ドヴォルザークの交響曲全集(ラファエル・クーベリック指揮 ベルリン・フィル)を手に入れて、すべての交響曲を聴いてみました。7番以降が演奏されることが多いのも理解できるなあ・・・というのが聴き終わっての感想です。

 7番以降は、素材が磨かれていて、かつ、厳選されているように感じます。そしてすっきりとしていながらも、内容的にとても充実しています。つまらないと感じる部分があまりないので、最後までおもしろく聴くことができます。

 6番までの交響曲も、ドヴォルザークらしく豊富なメロディが登場して、それなりに楽しめますし、ところどころに聴きごたえのある部分があります。しかし、6番までは、7番以降に比べると、使われているいろいろな素材が整理されていないような印象があります。その割には演奏時間が長いので、途中で集中が途切れてしまうのです。この全集での演奏時間は次のとおりです。(1分未満の秒単位は切り捨てています。)

 1番48分、2番53分、3番48分、4番40分、5番41分、6番45分、
 7番37分、8番35分、9番42分 

 1番から6番までは、冗長な部分を省いて大事な部分だけを残し、もっと短い時間で演奏できるようにすればよかったのではないかと思います。人それぞれの好みがあるでしょうけれど、私はどちらかというと演奏時間が長くない曲の方が好きなので、こんなふうに感じたのかもしれません。


 そんなドヴォルザーク交響曲全集の中で、第4番の第2楽章は私にとって素晴らしい発見でした。
 第4番第2楽章は、金管楽器で始まります。トロンボーンで始まり途中からホルンの柔らかな音が加わります。ゆるやかなメロディが奏でられ、金管楽器による落ち着いた音色のハーモニーを楽しむことができます。楽譜を見るとクラリネットとファゴットも最初から吹いているのですが、この演奏では金管の音が主体で木管はあまり聞こえません。2分近くそんな状態が続き、その雰囲気を楽しんでいると、途中から弦楽器が加わり、そこからは弦楽器主体の滑らかな演奏となります。テンポは引き続きゆっくりで、きれいなハーモニーが続き、ところどころに木管楽器が顔を出します。ゆるやかに流れるのどかなメロディと、きれいなハーモニーを約12分間も楽しむことができるのは、私にとってうれしい限りです。中盤で金管楽器が少し大きめの音で登場する部分がありますが、そこも単調さを防ぐためのアクセントのようなものであり、この楽章の全体的な穏やかさを損なうものではありません。
 以前に同じ曲の別の演奏を聴いたことがあるはずですが、そのときの印象は全く記憶に残っていないので、クーベリックの指揮とベルリン・フィルの演奏が素晴らしかったということなのだと思います。