ハイフェッツが演奏するヴァイオリン協奏曲
20世紀を代表するヴァイオリニストとも称されているヤッシャ・ハイフェッツが演奏する協奏曲をたくさん聴けます。収録されているヴァイオリン協奏曲を下に書いておきます。よく知られた代表的なヴァイオリン協奏曲が一通り含まれていますので、これだけでも購入する価値が十分にあります。ハイフェッツの演奏はどれも素晴らしく、どんなに難しそうなところでも軽々と弾いてしまい、難しさを感じさせません。決して乱れることなく、美しい音を聴かせてくれます。
ベートーベン: ヴァイオリン協奏曲
メンデルスゾーン: ヴァイオリン協奏曲
プロコフィエフ: ヴァイオリン協奏曲第2番
(以上、シャルル・ミュンシュ指揮、ボストン交響楽団)
ブラームス: ヴァイオリン協奏曲
チャイコフスキー: ヴァイオリン協奏曲
(以上、フリッツ・ライナー指揮、シカゴ交響楽団)
シベリウス: ヴァイオリン協奏曲
(ワルター・ヘンドル指揮、シカゴ交響楽団)
ブルッフ: ヴァイオリン協奏曲第1番&スコットランド幻想曲
(サー・マルコム・サージェント指揮、ロンドン新交響楽団)
ルービンシュタイン、クライバーンが演奏するピアノ協奏曲
ルービンシュタイン又はクライバーンが弾くピアノ協奏曲が収録されています。
まずはルービンシュタインです。ルービンシュタインの演奏はどれも堂々としていて素晴らしいです。ただ、テンポが速い部分ではもう少し軽やかに弾いてほしいと思うこともないわけではありません。
ショパン: ピアノ協奏曲第1番
(スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ指揮、ロンドン新交響楽団)
ショパン: ピアノ協奏曲第2番
フランツ・リスト: ピアノ協奏曲第1番
(以上、アルフレッド・ウォーレンスタイン指揮、シンフォニー・オブ・ジ・エア)
サン=サーンス: ピアノ協奏曲第2番
(アルフレッド・ウォーレンスタイン指揮、RCAビクター交響楽団)
ブラームス: ピアノ協奏曲第1番
(フリッツ・ライナー指揮、シカゴ交響楽団)
次にクライバーンです。米国人ピアニストのクライバーンが23歳だった1958年にソ連で開催された第1回チャイコフスキー国際コンクールで優勝したことで、彼は一躍有名になったそうです。若かりしころの溌剌とした演奏を聴くことができます。
チャイコフスキー: ピアノ協奏曲第1番
(キリル・コンドラシン指揮、RCA交響楽団)
ラフマニノフ: ピアノ協奏曲第3番
(キリル・コンドラシンシン指揮、フォニー・オブ・ジ・エア)
ラフマニノフ: ピアノ協奏曲第2番
ベートーベン: ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
シューマン: ピアノ協奏曲
(以上、フリッツ・ライナー指揮、シカゴ交響楽団)
ドヴォルザーク: チェロ協奏曲(ピアティゴルスキー)
(シャルル・ミュンシュ指揮、ボストン交響楽団)
ピアティゴルスキーの力強く颯爽としたチェロを聴くことができます。そしてドヴォルザークらしさを十分に感じることもできます。美しくあり、かつ、雄大でもあり、とても充実した演奏だと思います。
サン=サーンス: 交響曲第3番「オルガン付」
(シャルル・ミュンシュ指揮、ボストン交響楽団)
この曲は別の演奏で聴いたことがありましたが、ミュンシュ指揮ボストン交響楽団の演奏はとても迫力があって、まるで別の曲のようでした。中盤にはじっくりと聴かせる部分もあり、メリハリが十分です。たまにはこんな演奏もいいかもしれません。
セザール・フランク: 交響曲
(ピエール・モントゥー指揮、ボストン交響楽団)
お次はセザール・フランクでござーる。フランクは交響曲を一曲しか作曲していませんので、単に「交響曲」又は「交響曲ニ短調」であり、第○番とは書けません。3楽章からなる交響曲で、終楽章の第3楽章は、第1楽章と第2楽章の主題が組み合わせられながら展開されています。循環型式と呼ばれるそうで、少ない素材をうまく使っているとも言えます。
全体的に重苦しい雰囲気が漂い、胸が苦しくなりそうです。第2楽章の始まりの部分は弦楽器のピッチカートで、ようやく明るく軽くなるかもしれないと期待するのですが、そのうちにまた重苦しくなってしまいます。フランクの性格によるのかもしれません。
リムスキー=コルサコフ: シェエラザード
(フリッツ・ライナー指揮、シカゴ交響楽団)
千夜一夜物語を題材とした曲です。独奏ヴァイオリンが奏でる美しく悲しげな部分があったり、金管楽器の迫力のあるサウンドで勇壮に演奏される部分があったり、弦楽器によるゆったりと流れるような部分があったり、広く果てしない海原が思い浮かぶスケールの大きさを感じるところがあったり、次々と情景が変わっていきます。管弦楽の魅力がたくさん詰まっている曲です。この演奏は、いくらか速めで、最後まで緊張感を保ちながら突き進んでいきます。