写真とクラシック音楽などなど・・・

111: The Collector's Edition2



 ドイツ・グラモフォンの創立111周年を記念した56枚組です。私が買ったのは第2弾(Edition2)で、第1弾(Edition1)の55枚組と合わせるとちょうど111枚となるのだそうです。残念ながら第1弾は既に発売が終了していて、買うことができませんでした。再販されるのを待つことにします。
 56枚のCDの中から、いくつか紹介します。



チャイコフスキー: 交響曲第6番「悲愴」
(ムラビンスキー指揮、レニングラードフィル)

 チャイコフスキーの交響曲は、ちょっと派手すぎる印象があって、聴くことはあまり多くありません。この曲の名演奏とされるムラビンスキー指揮レニングラードフィルの演奏を初めて聴いてみて、迫力もあり、鬼気迫る演奏でした。さすがです。でも、やっぱり・・・ちょっと疲れます。もっと淡々としているギュンター・ヴァント指揮の演奏も捨てがたく、そのときの気分によってどちらを聴くかを決めることになると思います。


シベリウス: ヴァイオリン協奏曲
(ヒラリー・ハーン(ヴァイオリン)、エサ=ペッカ・サロネン指揮、スウェーデン放送交響楽団)

 ボックスセットでありながら録音が2007年と新しいので、とても美しい音で聴くことができます。録音がとても良くて、独奏ヴァイオリンもバックのオーケストラも、とても澄んだ美しい音色です。もちろんヒラリー・ハーンのヴァイオリンも素晴らしいです。この曲の場合は、感情を込めすぎるよりは冷静に弾いた方が良いのではないかと私は思います。そういう意味でも、そして音の美しさの点でも、私が今までに聴いたこの曲の中では一押しの演奏です。


G線上のアリア ― バロックの旅
(ダニエル・ホープ(ヴァイオリン)、ヨーロッパ室内管弦楽団のソリストたち)

 バロック音楽を集めたCDです。軽快な曲が多いので、年末の大掃除のときに流していたら「作業が進む!」と家族の好評を得ました。


パガニーニ: ソナタ・コンチェルタータイ長調など
(ギル・シャハム(ヴァイオリン)、イェラン・セルシェル(ギター))

 パガニーニの曲をヴァイオリンとギター各1本で演奏しています。とても爽やかな気分になれます。ギル・シャハムのヴァイオリンの音がとても瑞々しくて、まるで弦から水が滴っているように感じるほどです。


サラサーテ: カルメンファンタジー&チゴイネルワイゼン
(アンネ=ゾフィー・ムター(ヴァイオリン)、ジェイムズ・レヴァイン指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団)

 派手な曲目と、見た目が派手なアンネ=ゾフィー・ムターの組み合わせですが、演奏自体は丁寧で落ち着いていると思います。


シューベルト: 死と乙女
(ハーゲン弦楽四重奏団)

 シューベルトの弦楽四重奏曲の中では第14番「死と乙女」が最も有名なのではないでしょうか。以前からアルバン・ベルク弦楽四重奏団のCDを持っていました。アルバン・ベルクはテクニックに優れた弦楽四重奏団で、何を演奏しても高いレベルに達していると思います。しかし、死と乙女に関しては、録音技術のせいかもしれませんが、音が硬くて耳が痛くなってしまい、あまり聴きたいとは思いませんでした。ハーゲン弦楽四重奏団の演奏は、演奏自体が素晴らしいうえに音も良くて聴きやすいのがうれしいです。


ショパン: ピアノ協奏曲第1番、第2番
(ラファウ・ブレハッチ(ピアノ)、イェジー・セムコフ指揮、ロイヤル・コンセルトヘボウ・オーケストラ)

 ショパンはピアノ曲をたくさん書いていて「ピアノの詩人」と呼ばれているくらいなのに、意外にもピアノ協奏曲は若い頃に書いた2曲しかありません。
 ブレハッチは2005年のショパンコンクールの優勝者ですから、ショパンはお手のものなのでしょう。テンポを自由に揺らしながら表情豊かな演奏です。テンポを揺らしすぎると下品になりかねないのですが、この演奏は許容範囲と受け取られているのだと思います。しかし、私にとっては少しやりすぎの感があり、この曲に関しては、仲道郁代の素直なピアノ(カジミェシュ・コルト指揮、ワルシャワ国立フィルハーモニー交響楽団)の方が好みです。