写真とクラシック音楽などなど・・・

そして神戸(続き)




 

 やられたっ! たしかに周りは女性ばかりだ。女装している男がいるかどうかを確かめるような余裕もない。女性ばかりであるが、うれしいはずはなく、ただ気まずいだけだ。次の駅に着くまでの時間がどれほど長く感じたことか。

 

 神戸〜  泣いてどうなるのか

 まちがえた我身が〜 みじめになるだけ〜(パパヤパヤパヤ パパ〜ヤ〜)

 

 そうだ、そうなんだ。前に神戸に来たときに女性専用車両を見て、とても珍しく思ったのだ。だから知っていたはずなのに、東京にはそういうのはないから、乗る前に確認するという習慣が身に付かない(注)。などと心の中で言い訳をしても、もう遅かった。 救いは周りの女性たちが心優しく見逃してくれたことだ。もしもあそこで怒られたら、場所が神戸だけに、頭(こうべ)を垂れて謝るしかなかっただろう。

 

(注) その後、東京でも女性専用車両が普及しましたが、これを書いた頃は京王線などごく一部の路線にしかありませんでした。

 

その2.新幹線の切符事件

 新神戸駅の近くで1日目の仕事を終えたので、翌日の帰りの指定席を予約しておこうと思い、新神戸駅に行った。たしか帰りの新幹線の時刻がスケジュール表に書いてあったなあと思い、出張前に渡されたペーパーを見た。それを見て、「??????」。すぐには理解できなかった。電車の時刻だけではなく、「10号車7番E」と、座席まで書いてあったのだ。つまり、既に予約されているのである。では、切符はどこにあるのだ? 鞄の中もポケットの中も捜したけれど見つからない。帰りの切符を渡された記憶がないのだから、捜すのをやめたときに見つかるはずもない。自分は帰りの切符をもらったのか、もらわなかったのか、職場に電話して聞いてみた。そうしたら「渡したはずです。」などと言うではないか。

 そのとき、はっと気がついた。神戸に着いたときに、改札で2枚の切符を駅員に渡した。それは乗車券と特急券だと思っていた。しかし、それは往きの切符と帰りの切符だったのだ。そうに違いない!。そうだとしたら、私は帰りの切符をなくしてしまったことになる。これから買わなくてはならない帰りの切符の料金を出張旅費としてもらえるはずがない。約1万5千円、自腹を切らなくてはならないのだ! なんてこった。

 

 神戸〜  泣いてどうなるのか

 まちがえた我身が〜 貧しくなるだけ〜(パパヤパヤパヤ パパ〜ヤ〜)

 

 しょうがないので、ダメもとで駅員さんに事情を話してみた。駅員さんは封筒を持ってきて、その中から何枚かの切符を出して捜し始めた。「これですか?」と差し出された切符には、「10号車7番E」と書いてあった。私は感動した。出てきたのだ。それが私のものである証拠として先ほどのスケジュール表を見せたところ、駅員さんは納得してくれた。こうして切符は戻ってきたのである。よかった。

  

その3.デジカメ事件

 神戸の街を歩いているときに、手が滑ってデジカメを落としてしまった。スイッチを入れても、二度と動かなかった。2年間の短い命だった。こうして、先ほどの地下鉄の表示は、初代デジカメの最後の日に撮った記念すべき写真となったのである。新しいデジカメを買いに行かなくては・・・。

 

 神戸〜  街の景色 写す

 手の中のデジカメ 道に投げ落す

 そしてひとつが壊れ そしてひとつが生まれ

 夢の続き 見せてくれる デジカメ 捜すのよ〜〜

 

(終わり) 

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