2010年9月5日UP
春は漬け物
やうやう うまくなりゆく 白菜あさく漬かりて 湯気たちたるご飯の白く光りける
夏はざる
天ざるはさらなり 盛りもなほ 蕎麦屋の多く味ちがいたる
また ただ一つ二つなど わずかに箸につまんで食べるも をかし
海苔など振るも をかし
秋は夕餉(ゆうげ)
強火のさして 味噌汁の鍋いと熱うなりたるに 豆腐を入れるとて 三つ四つ 二つ三つなど 切りいそぐさへ あはれなり
まいてワカメなどのつらねたるが いと長く見ゆる いとをかし
日入りはてて 家族団欒など はた いふべきにあらず
冬は炒めて
生の野菜は いふべきにもあらず
霜の降る肉も またさらでも いと腹へりしに 火など急ぎおこして 油を引きたるも いとつきづきし
食べ終えて ぬるく横になれば 台所も汚れがちになりて わろし