動名詞の意味上の主語
@ 意味上の主語を省略する場合
1一般的なことを言う場合。
Shooting birds is forbidden here.
(ここでは鳥を撃つことは禁じられている)
2全文の主語と一致する場合。
He insisted on going.(彼はどうしても行くと言った)
=He insisted that he would go.
A 意味上の主語を明示する場合
1人称代名詞は所有格または目的格で表わす。
I can't understand him(or his) leaving so suddenly.
(彼がそんなに急に立ち去るのが理解できない)
※動名詞が分の主語の位置にくる場合は、人称代名詞は普通所有格にして
つける。
2無生物の名詞は普通所有格にしない。
I am sure of the news being true.
(私はその知らせが本当だと確信している)
3生物の名詞は所有格にする場合としない場合がある。
His father's being here won't help us much.
(彼の父がここにいてくれてもたいした助けにはならないでしょう)
He is proud of his father's being rich.
(彼は父親が金持ちであることを自慢にしている)
※他動詞や前置詞の目的語の位置にくる場合は、形式ばらない言い方では
名詞・代名詞ともに目的格(名詞の場合は主格と同形)がよく用いられ
ると憶えておけばよい。
動名詞の機能
1 名詞的性質
@ 主語になる。
Driving a car is not so difficult.(車の運転はそんなに難しくはない)
It is no use crying over spilt milk.(覆水盆に返らず)
A 動詞の目的語になる。
I like playing baseball.(私は野球するのが好きだ)
B 前置詞の目的語になる。
She was pleased at being called beautiful.
(彼女は美しいといわれると喜んだ)
C 補語になる。
His hobby is collecting postage stamps.
(彼の趣味は切手を集めることです)
D 複数形をとる。
His comings and goings are frequent.(彼の往来はひんぱんだ)
E 所有格をとる。
I don't like reading for reading's sake.
(私は読書のための読書を好まない)
F 冠詞をとる。
A knocking at the door was heard.(ドアをたたく音が聞こえた)
G 形容詞をとる。
Early rising makes us heallthy.(早起きはわれわれを健康にする)
H 複合語をつくる。
card-playing(トランプ遊び) a dancing-teacher(舞踊教師)
2 動詞的性質
@ 目的語をとる。
Children like playing baseball.(子供は野球するのが好きだ)
A 補語をとる。
She is proud of being beautiful.(彼女は美しいのを自慢している)
B 完了形をもつ。
We thanked him for having done it.
(私たちは彼がそれをやっことを感謝した)
C 受動態をもつ。
I do not like being disturved while studying.
(私は勉強中に邪魔されるのはいやだ)
D 副詞で修飾される。
Would you mind speaking more slowly ?
(もう少しゆっくりしゃべっていただけませんでしょうか)
3 動名詞と不定詞
@ 動名詞と不定詞のいずれをも目的語にする動詞
1意味にあまり差のないもの
begin,cease,continue,like,hate,start,etc.
It began raining(to rain).
2意味の異なるもの
a 不定詞は未来のこと、動名詞は過去のことを表わす。
remember,forget,regret
Remember to post this letter.(この手紙を忘れずに投函してください)
I remember seeing him.(彼にあった覚えがある)
Don't forget to sign your name.(忘れずに署名してください)
I shall never forget hearing the President's adress.
(大統領の演説を聞いたときのことは決して忘れないだろう)
b 不定詞は能動、動名詞は受動の意味を表わす。
need,want,deserve
You need correct this answer.(君はこの答を訂正する必要がある)
This anser needs correcting.(この答は訂正を必要とする)
A 動名詞のみを目的語にとる動詞
admit,avoid,continue,deny,enjoy,excuse,fancy,finish,mind,stop,give up,
(cannot)help,put off,etc.
He stopped smoking.(彼はタバコをすうのをやめた) <他動詞>
cf: He stopped to smoke.(彼はタバコを吸うために立ち止まった)<自動詞>
B 不定詞のみを目的語にとる動詞
agree,decide,desire,determine,expect,hope,learn,promise,refuse,resolve,
wish,etc.
I hope to see you again.(またお会いすることを望みます)
4 動名詞と現在分詞
@ 他の名詞の前についた動名詞は、その名詞の用途・目的などを示す。
a sleeping car=a car for sleeping(寝台車)
A 他の名詞の前に現在分詞がつくと、その名詞が現在分詞の表わす動作・
状態の意味上の主語になる。
a sleeping child=a child who is sleeping(眠っている子供)
B 動名詞のついた名詞の例。
a sleeping room(喫煙室) a walking stick(散歩用ステッキ)
a waiting room(待合室) boiling point(沸騰点)
動名詞の時制
1 動名詞の時制
@ 動名詞自身には時制がない。
A 文中の述語動詞の時制や意味、その前後関係で決まる。
I am looking forward to seeing you again. <未来>
(またお目にかかれますのを楽しみにしています)
He is very fond of reading novels. <現在>
(彼は小説を読むのが大好きです)
I remember seeing him once. <過去>
(私は彼に一度会ったことを覚えている)
※これらはそれぞれ一例に過ぎず、要するに意味をよく考えれば、その
表わす「時」は自然に決まってくるということである。
2 単純形と完了形
@ 単純形動名詞はいろいろな「時」を表わすことができる。
1述語動詞の時制や意味によって、さまざまな「時」を表わす。
※動名詞のさす「時」が、述語動詞の「時」と同じである場合には、述
語動詞の時制によって現在にもなり、過去にもなる。
2特定な「時」を表わさない場合。
Seeing is believing.(百聞は一見にしかず)
A 完了形動名詞は通例述語動詞より前に起こったことを示す。
I mentioned having gone there.
(私はそこへ行ったことを口にした)
=I mentioned that I had gone there.
B 意味上から時間的に前のことであることが明らかな場合には、完了形
の代わりに単純形を用いることもある。
He admitted stealing (having stolen) the bicycle.
(彼は自転車を盗んだことを認めた)
※単純形を用いることが多いが、完了形でもよい。
動名詞の態
@ 受身の意味をはっきりさせるには動名詞を受動態にする。
I don't like being spoken like that.
(私はあんなふうに話しかけられることは好まない)
What is the use of having been praised ?
(ほめられたことがあるのが何になろう)
A 能動態で受動の意味を表わすことがある。
Your coat meeds washing (=to be washed).
(君の服は洗う必要がある)
動名詞を含む慣用句
@ It is no use 〜ing 「〜してもむだである」
It is no use trying to deceive me.
(私をだまそうとしてもむだだ)
A There is no 〜ing 「〜することはできない」
There is no telling what may happen.
=It is impossible to tell what may happen.
=We cannot tell what may happen.
(どんなことが起こるかわからない)
B on 〜ing 「〜するとすぐに」
On hearing the news,she yurned pale.
=As soon as she heard the news,she yurned pale.
(その知らせを聞くとすぐに彼女の顔色が青くなった)
C feel like 〜ing 「〜したいような気がする」
I feel like crying.
(私は泣きたいような気がした)
D worth 〜ing 「〜する価値がある」
What is worth doing at all is worth doing well.
(いやしくもする価値のあることはりっぱにやる価値がある)
E cannot help 〜ing 「〜せざるをえない」
I cannot help thinking that Mother is still alive.
=I cannot but think that Mother is still alive.
(私は母がまだ生きていると考えないわけにはいかない)
F of one's own 〜ing 「…自身が〜した」
This picture is of his own painting.
(この絵は彼自身がかいたものです)
G It goes without saying 「言うまでもない」
It goes without saying that healthis above wealth.
=It is needless to say that healthis above wealth.
(健康が富にまさることは言うまでもない)
H never … without 〜ing 「…すれば必ず〜する」
I never see this picture without thinking of him.
=Whenever I see this picture,I think of him.
(この写真を見れば必ず彼のことを考えます)
I prevent[keep]…from 〜ing 「…に〜させない」
The rain prevented me from going out.
=I could not go out because of the rain.
(私は雨のために外出できなかった)