1 名詞的性質
@ 主語・補語になる。
To see is to believe. (百聞は一見にしかず)
A 動詞・前置詞の目的語になる。
I want to buy some books. (本を買いたいと思う)
※前置詞の目的語になるのは特別の場合だけで文語調となる。
2 動詞的性質
@ 目的語・補語をとる。
A friend of mine has com to see me. (私の友人が私に会いに来ている)
I consider him to be a jenius.(私は彼が天才だと思う)
A 副詞をとる。前か後におく。
He warned me to study harder.(彼は私にもっと勉強するように注意した)
B 完了時制をもつ。
He seems to have been happy.(彼は幸福であったらしい)
C 受動態をもつ。
No stars were to be seen.(星一つ見られなかった)
不定詞の意味上の主語
1 意味上の主語を表わさない場合
@ 述語動詞の主語と一致するとき。
I want to swim.(私は泳ぎたい)
A 一般の人が意味上の主語であるとき。
To err is human,to forgive divine.
(あやまつは人のつね、これを許すは神の業ワザ)
2 意味上の主語の表わし方
@ 目的格と不定詞で表わす。
Iwant you to go there.(君にそこへ行ってもらいたい)
A “for+目的格”と不定詞で表わす。
It is difficult for you to master English in a year.
(君が英語を一年でものにするのは難しい)―――名詞用法不定詞
It is time for you to go to bed.
(もう君の寝る時刻だ)―――形容詞用法不定詞
She stepped aside for me to enter the room.
(彼女は私が部屋へ入れるようにわきに寄った)―――副詞用法不定詞
B It is 〜 for … to ―
「…が―するとは〜である」の意味で、その事柄の性質・状態をいう。
1 It is 〜 that 構文に書き換えられるもの。
necessary,important,strange,natural,etc.
It is necessary for us to prepare for the worst.
(われわれは最悪の場合に備えることが必要である)
=It is necessary that we(should)prepare for the worst.
2 It is 〜 that 構文に書き換えられないもの。
easy,hard,difficult,dangerous,etc.
It is difficult for me to read this book.
(この本を読むことは難しい)
3 It is 〜 that の構文のみを用い、It is〜for…to―の形では表わ
せないもの。
true,probable,clear,likely,certain,etc.
It is certain that there are many ups and downs in our lives.
(われわれの人生には多くの浮き沈みがあることは確かである)
C It is 〜 of … to ―
「―するとは…は〜である」の意味で、その行為をする人の性質を述べる。
It is very kind of you to say so.
(そう言ってくださるとは本当にご親切です)
=You are very kind to say so.
※感嘆文では it is を省略することができる。
How kind(it is)of you to say so!
この構文をとれる形容詞
bold,brave,careless,clever,honest,kind,etc.
不定詞の用法
1 名詞用法
@ 主語として
To know oneself is difficult.(自己を知ることはむずかしい)
※不定詞が主語となるときは形式主語の It を用いるのが普通。
It is good for the health to keep early hours.
(早寝早起きは健康によい)
A 動詞の目的語として
Children like to play baseball.
(子供たちは野球をするのが好きだ)
※不定詞が不完全他動詞の目的語となるときは形式目的語の
it を用いるのが普通。
I make it a rule to take a walk before breakfast.
(私は朝食前に散歩するのをきまりにしている)
B 前置詞(but,aboutなど)の目的語として
There is nothing for it but to go to bed.
(寝るよりほかに方法がない)
※不定詞は原則として前置詞の目的語に用いることはできない。
C 自動詞の補語として
To do good is to be happy.
(善をなすことは幸福になることである)
※主格補語の場合は名詞用法か形容詞用法か判別しがたい場合が多い。
D 他動詞の補語として(便宜上ここに入れるが何用法と決めることは無理)
1 「〜を…と思う」型
think,believe,suppose,imagine,consider,etc.
I think him to be honest.(私は彼を正直だと思う)
(=I think that he is honest.)
※不定詞は to be となり、上記の動詞の場合この to be は省略すること
ができる。
2 「〜に…することを求める」型
require,request,expect,order,etc.
He ordered me to go alone.
(彼は私に一人で行けと命じた)
(=He ordered that I(should)go alone.)
3 「〜に…させる」型
allow,cause,compel,force,oblige,enable,lead,permit,etc.
Heat causes water to evaporate.(熱は水を蒸発させる)
※この型の文は that-Clause に書き換えることはできない。
※promise,teach などは S+V+O+O の構文をとるので、to 不定詞は
直接目的語とみるのが普通。
He promised me to wait.(彼は私に待ってくれると約束した)
2 形容詞用法
@ 限定用法では名詞の後に置かれる。
Water to drink must be pure.
(飲み水は純粋でなければならない)
A 前置詞を必要とするときは末尾に置く。
Give me something to write with.
(何か書けるもの〔道具〕をください)
B 限定用法の修飾関係
1 主語関係――名詞が不定詞の意味上の主語
I have no friend to help me (=who will help me).
(私には助けてくれる友人がいない)
2 目的語関係――名詞が不定詞の意味上の目的語
I have much work to do (=that I am to do).
(私にはなすべき仕事がたくさんある)
3 修飾語関係
The quickest way to travel(=of traveling)is by air.
(旅行するのに最も速い方法は空路によるものである)
4 同格関係
I gave orders for him to be shown in(=that he should
be shown in).
(私は彼を招き入れるように指示した)
C 能動不定詞は受動不定詞と同じ意味を表わすことが多い。
There is no time to lose(=to be lost).
(ぐずぐずしている暇がない)
※意味の異なる場合もある。
There is nothing to be seen,as it is quite dark.
(真っ暗でなにもみえない)
There is nothing to see in this town.
(この町に見るべきものは何もない)
D 叙述用法では自動詞の補語となる。名詞用法と判別しがたい場合が多い。
He seems to be ill.
(彼は病気のように見える)
E be to 〜 の形は慣用法として、助動詞のように用いられる。
1 予定 He is to go there.
(彼はそこへ行くはずだ)
2 運命 She was never to see her father again.
(彼女はふたたび父に会えなかった)
3 義務 You are to pay your debt as soon as possible.
(借金はできるだけ早く返さなければいけない)
4 可能 Nothing was to be heard of her since.
(彼女については、それ以来何のうわさも聞かれなかった)
5 命令 You are to come when I call.
(呼んだら来るんですよ)
3 副詞用法
@ 目的を表わす。(〜するために)
He works hard to keep his family in comfort.
(彼は家族を安楽にさせておくために一生懸命にはたらく)
※目的の意味を明確にするためには、so as to 〜、in order to〜
を用いる。
She spoke clearly so as to be heard by everyone.
(彼女はみんなに聞こえるようにはつきりと話した)
※「〜しないように」という否定の目的を表わすには、so as not to 〜、
in order not to 〜 を用いる。
I wrote it down so as not to forget it.
(私は忘れないようにそれを書きとめておいた)
A 結果を表わす。(〜して…する)
He grew up to be a fine gentleman.
(彼は成長してりっぱな紳士になった)
He worked hard only to fail.
(彼は一生懸命にやったが失敗してしまった)
B 原因を表わす――主として感情の原因。(〜して)
They were glad to know that he would come soon.
(彼らは彼がすぐやって来ることがわかって喜んだ)
C 判断の理由を表わす。(〜するとは)
He must be rich to buy that car.
(あの車を買うとは彼は金持ちにちがいない)
D 条件・仮定を表わす。(もし〜ならば)
I should be happy to be of any service to you.
(少しでもお役にたてば幸せです)
E 形容詞を修飾する。
This mushroom is good to eat.(このきのこは食べられます)
※この用法で形式主語の構文に書き換えられるものがある。
easy,hard,difficult,pleasant,dangerous,interesting,etc.
This question is difficult to answer.
(この問題は答えるのがむずかしい)
=It is difficult to answer this qustion.
F 副詞を修飾する。
I was too tired to walk further.
(私はとても疲れていたのでもう歩けなかった)
She was kind enough to lend me the money.
(彼女は親切にも金を貸してくれた)
He was so rich as to buy a yacht.
(彼はとても金持ちなのでヨットを買った)
G 全文を修飾する。
いわゆる独立不定詞。
4 独立不定詞
@ 文の他の部分をはっきりと修飾しないで、独立して用いられる
全文修飾の不定詞。
A 副詞用法として種々の慣用句をつくる。
To tell the truth,I have no money with me.
(実を言うと私はお金の持ち合わせがないのです)
Strange to say,his hair turned white during the night.
(奇妙なことに、彼の髪は一夜のうちに白くなった)
主な独立不定詞
to make matters worse (なお悪いことには)
so to speak (言わば)
not to speak of (言うまでもなく)
to be ture (確かに)
to be frank with you (率直に言えば)
to begine with (まず第一に)
to say nothing of (言うまでもなく)
etc.
5 その他の注意すべき用法
@ “疑問詞+不定詞”は名詞句として用いる。
How to do it is the problem. 〈主語〉
(いかにしてやるかが問題だ)
Please tell me when to start ? 〈他動詞の目的語〉
(いつ出発するのか教えてください)
The question is whether to go or stay. 〈補語〉
(問題は行くかとどまるかである)
A 不定詞を修飾する副詞が to と原形の間におかれることがある
――分割不定詞。
She wishes to utterly forget her past.
(彼女は過去を全く忘れたたいと思っている)
B 省略的に用いて感嘆文をつくる。
Oh,to be England now !
(ああ、今もし英国にいたらなあ)
C 不定詞の反復を避けて to だけを用いることがある――代不定詞。
I'll help you whenever you want me to(help you).
(君が私に助けてほしいときはいつでもお助けしましょう)
※ to は文の末尾にくるのが普通であるが、この to を省くと意味が
違ってしまう場合が多いので注意が必要である。
D 不定詞を含む慣用句
1 have only to 〜「しさえすればよい」
2 be about to 〜「まさにしようとしている」
3 be going to 〜「しようとしている」「するつもりだ」
4 so as to 〜「するほど、なのでする」
5 … enough to 〜「するに十分なだけ」
6 too to 〜「すぎてできない」
不定詞の時制
1 不定詞の時制
@ 不定詞自身には時制はない。
A 単純形・完了形の二つにより、文中の述語動詞と関連して時制が決まる。
2 単純不定詞の示す時
@ 述語動詞と同時であることを示す。
He seems to be ill. =It seems that he is ill.
(彼は病気のように思われる)
He seemed to be ill. =It seemed that he was ill.
(彼は病気のように思われた)
A 願望・期待など未来に関する動詞につくと、その時より後に起こることを示す。
He hopes to succeed. =He hopes that he will succeed.
(彼は成功することを望んでいる)
He promised to write to me onec a week.
=He promised that he would wite to me onec a week.
(彼は週に一度は手紙をよこすと約束した)
3 完了不定詞の示す時
@ 述語動詞の時制よりも前であることを示す。
He seems to have been ill. =It seems that was(has been) ill.
(彼は病気だったように思われる)
He seemed to have been ill. =It seemed that he had been ill.
(彼は病気だったように思われた)
She was said to have been an actress.
=It was said that she had been an actress.
(彼女は俳優であったと言われていた)
A 実現されなかった計画や予定を示す。
I was to have left yesterday.
(私はきのう出発するつもりだったのですが)
※動詞 intend,mean,hope,expect などの過去形とともに用いて、過去の
希望・期待・意図などが実現されなかったことを示す用法もあるが、
これは形式ばった形で、現在ではこれらの動詞のほうを過去完了にす
る形が普通である。
I intended to have called on you last Sunday. <文語的>
=I had intended to call on you last Sunday. <普通の表現>
(この前の日曜にお訪ねするつもりでしたが、しませんでした)
to のない不定詞
1 原形不定詞の形
動詞の原形をそのまま用いる。
2 用法
@ 助動詞の後に用いる。
You must write with pen and ink.
(君はペンとインクで書かなければいけない)
A 知覚動詞の目的格補語となる。
see(見る),hear(聞く),feel(感じる),notice(注意する),observe(観察する),
perceive(気づく),watch(見守る),listen to(聴く),look at(眺める),etc.
Did you feel the house shake ?
(君は家がゆれるのを感じたか)
I have never seen him help his mother.
(私は彼が母親の手伝いをするのを見たことがない)
※see,hear,observe などは受動態になるが、その場合 to を必要とする。
He was seen to enter the room.(彼が部屋に入るのが見られた)
B 使役動詞の目的格補語となる。
have,make,let,bid,etc.
I made him translate the letter.
(私は彼にその手紙を訳させた)
※この場合も受動態にすると to を必要とする。
I was made to run.(私は走らされた)
※help は to不定詞と原形不定詞の両方をとる。
I helped my father (to) water the plants.
(私は父が植物に水をやるのを手伝った)
C 慣用的構文に用いる。
1had better+原形不定詞→「〜したほうがよい」
You had better give up smoking.
(君はたばこをやめたほうがよい)
※この否定は had better not〜 が普通
2cannot but+原形不定詞→「〜せざるをえない」
I cannot but think so.(私はそう思わざるをえない)
3had(would) rather+原形不定詞→「むしろ〜するほうがよい」
I would rather die than yield.
(私は屈服するくらいなら、むしろ死んだほうがよい)
4do nothing but+原形不定詞「〜するばかりだ」
She did nothing but weep.
(彼女はただ泣くばかりだった)