勇払原野は台地、砂丘、湿原、湖沼と複雑な環境を持ち、先住のアイヌ民族により川を利用した太平洋側と日本海側を結ぶ交通の要衝として、またサケやシカ等の資源に恵まれた土地として、自然と共存した文化がありました。勇払原野の開拓は江戸時代後期からで、農業開拓は湿地と霧、火山灰土に阻まれ、あまり進展しませんでした。
その後1960年代からの高度成長期に、空港に近く海にも面した広大な平地として目をつけられ、第三次全国総合開発計画の一環として国内有数規模の重化学工業地帯を目指した、苫小牧東部開発計画がスタートしました。しかしその後オイルショック等の社会情勢の変化により、当初計画の1万700haの土地の多くが未利用地域として残され、また農地として開拓された場所が放置され原野化し、結果として鳥類の良好な生息地となっています。
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