手作りCNCフライスに挑戦 bellmex X-1をCNCフライスに改造
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フライス盤 X-1 は小型でお手頃価格でかなり人気があったのですが、小型化とコストダウンの結果多くの欠点もあります。 そのため私自身、使いながら改造を加えています。こちらに今までの改造等のlinksをまとめておきます。 直接本体改造ではないモノもあります。 また私の改造は出来るだけ市販品を使うようにして、誰でも作れること、具合が悪ければ元に戻れるように考えています。しかしどうしても元に戻れない改造もあります。
「フライスにデジタルスケールを」 (0408) 送りの読み取り精度向上のために。 |
試行錯誤を繰り返しながらも X-1のCNC化は完成しました。 完成と云うよりいろいろな面で妥協もあります。それでも約1年の歳月を要し教えをいただいた皆さんはどんどん先に進みついて行くのがやっとと云って良いのか解りませんが曲がりなりにも完成といえるようになりました。これからさらに変化していく部分があると思いますが手作業と自動化された作業の住み分けが新たな工作の楽しみを与えてくれたように思います。 フライスのCNC化それ自体はさほど難しい物ではないように思います。むしろそれを使いこなすソフトの面が私にとっては難しさを感じます。 使ってみれば不具合も見つかりさらに改造を加えているのが現状です。 |
指をくわえながら人様のCNCフライスを見ていましたが |
ついに手を出してしまいました。 ベルメックスのX-1というおもちゃのようなフライスを使っているのですが
テーブルを縦横自在に動かすことは結構難しいのです。 改造キットの説明などを見ていると私にも作れそうな気がしてきます。
いつもならすぐにはじめてしまうのですが今回は違います。 今回の改造はテーブルの送りハンドルを外してモータで回そうというモノです。 そのような改造をすると手動で操作できません。 もしモータにハンドルを取り付ることが出来れば自動と手動の切り替えは何も問題はありません。(28th Mar. 06) |
どの程度のモータが必要なのか見当がつきません。
そのような状況で新品のモータを買う勇気がないのです。
しかしジャンクとは云え手動でも操作ができる両軸のモータを見つけてしまいました。
どう見ても非力に見えますがこれを目の前に見せられては始めないわけには行きません。
そしてこの取り付けサイズならパワーも充分と思えるモータも市販品があることが解りました |
XY軸モータ取り付けフランジ完成。
10日ほどたちましたがやっとここまでです。 |
動作試験に使ったモータ。下の方に見えるカラー(左)は板金を丸めた“安物”6mm用ですが押し込むとピッチリ!外形はお誂え向きの8mmになります。
送りネジのシャフトは8mmモータ軸にスリーブ(カラー)を被せて8mm。カプラは樹脂製のこれまた安い\800でした。 菱形フランジに問題発生。 |
Y軸にモータを仮付して動作試験です。 結果は一応成功です。 “一応”の理由はモータドライバが簡易型で最大のトルクが得られているか解らないことです。
それでも動きました。ただし少々脱調気味ですが! モータの取り付け。 カプラの軸穴は8mmです。 モータの反対側の軸はまだ手を付けていませんが同様の方法でX-1についていたハンドルを取り付ける予定です。このハンドル取り付けにも安物カラーが大活躍です。(05th Apr. 06) |
Y軸は楽々回りました。 Y軸は摩擦が少ないせいか軽々快適に動きます。 テーブルに移動方向の負荷を掛けても脱調することなく快適です。 X軸にも同様の手法でモータを仮付してみました。 X軸の調整を入念にしましたが脱調気味で改善されません。やはり力不足です。 ちなみに私の使ったモータは4.7W*です。 師匠が実験中のモータは7.2W(オリジナルマインド推奨)、フォルムで販売中のX-1用CNCキットで使われているモータは10Wです。 Z軸・主軸もNC化 軸荷重が大きいためNC化を躊躇していましたが師匠から問題なく動作するとの情報を得ました。 私の気持ちもZ軸のNC化に傾いています。(07th Apr. 06)
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購入したモータ 左から 今までの取り付け方法は出来ませんのでハンドルの側面にイモネジ用の穴を開けタップを立てます。このときイモネジの長さを短い物にして目盛板の目盛り合わせ機能を残します。 |
モータが入荷しました。 ジャンクモータでテストの結果を見てモータを注文したのですが到着しました。 日本サーボの kh56qm2-913(大)、kh56km2-913(中)です。右側は実験中に使ったモータです。大はZ軸用に使う予定。中をXY軸用に使います。 手動用のハンドルも目盛板の横にイモネジを付けました。短いイモネジを使いメモリ位置あわせ機能はちゃんと使えます。 早速モータをを仮組みしてみました。
QUATTROの選択は正しかったと思います。(11th Apr. 06) |
このテーブル送り用モータは実際に使用して次第にその不都合が見えてきました。大きさの割にトルクが小さいのです。どうやら選択ミスがあったようです。 その顛末については文末近くに記載しました。 現実の問題としてはモータのコストを考え交換することなく配置換え(X軸にqm2-913を使用)のみで使用しています。 |
仮組が出来ました
モータ取り付けの方法はX,Y軸と同様送りネジにカプラを介し取り付けます。
モータ軸はテストに使ったモノと同様6.35mm(1/4インチ)です。カプラやハンドルの8mm軸との補正も初期テストと同じ方法です。 |
師匠のX-1は快調に動き始めました。 制御系取り付け位置 |
最近のPCにはパラレルポートがありません。 換気用のブロアも付きました。ケースの蓋に2個下側が押し込み、上は吸い出しになっています。(2nd May. 07) |
頭が痛いです。 配線は完了しました。QUATTROと電源の入ったケースには放熱用のブロアも設置しました。 PCもうまく取り付けられ悦に入っておりましたが・・・さあ大変このPCはwindows98でした。 これにはハイパーターミナル入ってないんです。 別のPCで設定すれば良いのですがそれも面倒それならとwindows2000を入れたらと始めたのですがHDDの容量不足で・・・これまた中断。 古いPCは世話がやけます。HDD何処かで拾ってきましょう。 それでもやっとここまで漕ぎ着けました。もう一息です。 とは云ってもハード弱点の改良は済んでいません。いずれ手を入れなければならないでしょう。 コンピュータに関して、特にソフトがらみは私にとって難関です。 作品をお目に掛けるのはまた先になりました。(30th
May. 06) |
とんでも無い勘違いと、とんでも無いハプニング。
実はWIN98にはハイパーターミナルが無いと云うのは全くの勘違いちゃんと入って居るんですが使わないからと削除してあっただけなのです。
暫くぶりに目覚めさせられた肝心のIBM・PCの蓋(液晶画面)の開閉を
何回と無く繰り返しているウチにその開閉が何となくしっくりしないことに気が付きました。 悪夢の始まり! WIN2000は少しかったるい動きですがちゃんと動作します。さっさとはじめれば良かった。 どうやらAKIAに無理無理繋いだ時FDDドライブが壊れたらしい。と気が付くのにそれほどの時間は掛かりませんでした。
気が付いてみれば動くPCは一台もなくなり無くなりあざ笑うかのごとく梅雨空から申し合わせたようにポツポツと雨が落ちてきました。 |
PCの交換は完了しました。お陰様で稼働できる状態になりました。 PCトラブルの話を友人に話したところちょうど良いのがあるといいます。 「明日宅配便で送るから」の言葉にラッキーとルンルンしながらPCの到着を待ちました。 荷物を開けて見ればIBMのマシン。それも、故障に備え予備器までいただきました。感謝! QUATTROの設定も完了。 定番のボールペンで○◇のお絵かきもできました。(30th Jun. 06) |
師匠のマシンにトラブル発生 師匠のX-1は既に完成(4月末)し運転を開始しています。 スピンドルベアリングが焼き付きを起こしたというレポートがありました。 手動の場合は長時間の連続運転はほとんどありません。 CNCになるとマシンが小さいだけに切削量が少ないですから数時間に及ぶ連続運転は考えておかなければなりません。 元々ホビー用のマシンですから連続運手を考慮していません。 私のX-1も正逆切り替えると回転音に違いがあり、手で回してみますと明らかに違いがわかります。 遅かれ早かれ焼き付きなどのトラブルが発生する可能性大です。 師匠の忠告 スピンドルの停止はワークの破損、エンドミルその他トールの折損など重大なトラブルになる。 特にX-1の場合モータのトルク不足回転系の強度不足を過負荷停止機能で補っていたためそれが裏目に出る。 その対策としてスピンドル焼き付き防止としてベアリングの交換、 トルク不足対策としてギア交換によるトルクUPなどの対策をすることを薦められました。 その後の師匠マシンは快調 師匠はベアリング交換、ギヤ交換など改良しその後順調に稼働してます。さすがと敬服しております。 |
使いやすくするために
いろいろテストをしながら使ってみますと問題点が出てきました。
師匠のマシントラブルも重大な問題です。師匠は各部品の強化対策をして問題を克服しています。 |
スピンドルモータ起動の回路変更 X-1をCNCマシンとして使った場合スピンドル関係に重大な弱点があることがわかりました。 スピンドルの起動を基本的に外部から制御出来ない。さらにスピンドルの過負荷に対してスピンドル停止でマシンの損傷を防いでいることです。 CNCの場合スピンドル停止と制御が連動しないと重大な事故になることがあります。これは手動の場合はほとんど問題になりません。 X-1の場合アマチュア向けマシンであることからコストダウンのためやむを得ない仕様かもしれません。 私自身価格が安いことが購入要件であったのです。 そのためと云って良いか判りませんがさらにスピンドル関係は連続運転が困難なことがわかりました。 このような状況があることを考えながらもスピンドル停止とCNC機構の連動制御は見送っています。 もちろんQUATTRO-1はセンサを付けることによりそれらの制御が可能です。 師匠のように駆動系全てを強化する技量は持ち合わせていません。 ・・・逃避的ではありますが軽作業に徹することで我慢しましょう。・・・時機を見て師匠の改造を見習って実行したいと思います。 最低限の改良としてスピンドルモータを外部からON-OFFできるようにします。 今回はPCからの制御にそのコマンドを入れてませんので必須の作業ではないのですが CNCとして使わないときも不便さを感じていましたので手を加えました。 まず2段階になっているモータ起動回路を一挙動で制御できるようにします。 この改造は制御基板の3,5,端子を短絡するだけで可能です。
正逆SWや回転数可変VRはそのまま残していますのでVRを適当な位置にセットして正逆SWを正または逆にすれば所定の回転数で廻ります。
簡易タッピングマシンとしても使えます。
スロースタートが必要なときはVRを左に廻しきってから正逆SWを操作します。 手動送りハンドルの振動
手動送り機能を残すために付けた
ツマミ軸の隙間に厚紙を巻きました。 |
テーブル送りモータカップリング部分にカバーを取り付け
操作性などには影響しませんが丸見えの
簡単なカバーをつけたら気分爽快です。 作業面照明の取り付けと集塵ダクト・送風ダクトの取り付け 工房の環境を考えると切削油はあまり使いたくないのですがゼロにはできません。
エンドミルの回りには油まみれの切子がまとわりつきます。
これを排除しないと切削面が汚くエンドミルにも大きなダメージを与えることがあります。 最上部左側・SWボックスに組み込まれたパワーコントローラ。
右側中程の赤い小型掃除機(送風機として使用)をコントロールします。
上から下りてくる送風ダクト・吐き出し口は灯油タンクの蛇腹ホース。
沿わせた針金を曲げて吹き出し方向を設定できます。 ダクトの取り付け固定は使用頻度を考え大型洗濯ピンチや輪ゴム止めです。 |
ディジタルスケールの取り付け X,Y軸のデジタルスケールはこのように付いてますが必ずしも使い勝手が良いとは云えません。切り子がスケールの上に飛び散り、さらにテーブル位置によっては表示が読みにくくなることがあるのです。再度取り付け位置の検討が必要です。 デジタルスケールの切り子対策 |
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ワークテーブルの交換 インターネットを見ているとX-1用のワークテーブルのロングサイズが販売されていることがわかりました。(2007年5月現在) 私のX-1は組み立て時の説明に有るとおりX軸モータ取り付け金具の都合で全幅移動が出来ないのです。 テーブルの交換で幅250mmが400mm(実質200mmが350mm)になるのです。これだけ広くなると材料の取り付けが随分楽になります。 早速注文しましたが既に売り切れ!入荷したのは7月半ば過ぎでした。 取り替えは簡単です。早速交換してテストしたのですがオーバハングテーブルためか重力バランスが悪くなりX軸の送りが重くなりました。 特にテーブルが端に寄ったとき当然のように脱調します。カミソリを慎重に調整したのですがモータの負荷が大きすぎるようです。 新テーブルの上に旧テーブルを乗せてみました。大きさの違いだけでなく厚みも増しています。大きくなれば剛性を保つために厚さを増すのは正しいことですがその負担が小さいベースにのしかかっています。 *テーブル重量を計り忘れました。重量は2倍以上と思います。 このような改良?でバランスが悪くなるのは良くあることです。その典型的な例になったと思います。 さてこの改造でテーブル一杯の材料を乗せての作業は考えていません。これは当然のことです。旧テーブル程度の大きさの材料を乗せて取り付け治具を使った場合使える大きさと云うことになります。
ワークテーブルの上にあるのが旧テーブルです。 |
* Y軸の脱調問題は私だけのようです。再度・入念にアリ溝、カミソリの研磨をして組み立てました。その結果改善されました。他の軸についても再研磨する予定です。(0810) |
後から気が付いたステッピングモータの選択ミス 追記1007 |
テーブル送り用モータの選別について。 私の場合調整を繰り返し一応動いていますが動作に余裕がありません。その理由はモータの選別に失敗したためと思います。 モータの大きさ 使いやすい大きさがあるのは当然です。同じ大きさなら最大電力はほぼ同じです。 前述の通り私が使ったのは6.7Wと10Wの2種類、 日本サーボのkh56qm2-913(大)、kh56km2-913(中)です。 日本サーボには同じサイズでkh56qm2-912(大)、kh56km2-912(中)があります。 どちらも消費電力適にはほぼ同じです。ところでこの消費電力は私が勝手にカタログから引っ張り出した電圧X電流=電力で求めたモノでカタログにはどこにも書かれていません。 同じ(最大)消費電力なら同じトルクが得られると勝手に解釈してしまったのです。 これを作り始めたときステッピングモータの特性を全く理解してませんでした。 本来はここでトルク特性グラフに注目するべきだったのです。 電流が小さければ制御回路(QUATTRO)の損失が少なく電源の負担も軽くなると短絡的に考えてしまったのです。 912と913とは何が違うの |
この熱損失は放熱板を使ってICから逃がさなければなりません。 あまりにも小さい放熱板に恐れをなし913シリーズを選んでしまったのです。 実はもっと注目しなければならない要素はカタログにあるインダクタンスの項目です。 |
ターゲットになったモータの特性をチェックしな跡が見えますけれどどういう訳か913を選択してしまいました。913シリーズを選んでいればトルク不足に悩むことはなかったかも知れません。 |
今回のテーマの主役になったマシンです。私はこれを使う時ほとんどがボール盤的な用途です。 そのような使い方が正しいかどうかは別にしてボール盤としての機能を果たすことが私にとって重要な要素です。 なぜこれを使うことになったかと云いますと正確な位置の穴あけしたい時 テーブルにバイスで固定した対象物を送り機構を使って正確に合わせることが出来るからです。 そしてたまにはフライス本来の使い方も出来るのは当然です。 使用頻度から云えば私の場合9割がボール盤的用途です。 世の中には私みたいな方がかなり居るようでボール盤に直交テーブルを取り付けフライス盤的使い方をしている人もいます。 私も以前はそのようなことをやっていました。 フライス盤本来の使い方であるテーブルの送りを自在に操り溝掘りや穴掘りを手作業でするのは難しい作業です。
これをコンピュウタの助けを借りてやってしまおうというのが今回の改造です。このマシン用の改造キットも市販されています。
実際にこのマシンを改造してホームページに公開している人もいました。
はじめはデジタルスケールを取り付けるくらいでよいと思っていましたがここまで刺激されればやらないわけには行きません。
ついに手を出してしまいました。 参考 |
Bellmex X-1[写真はBellmex社ホームページより引用] ベルメックスインターナショナル(株) |