にぎわいの森”コラム
林のいきもの講演会 タヌキの視点から森を見る

 昨年の9月19日(祝)明治大学の倉本宣先生と園田陽一さんをお迎えして、タヌキの視点から見た「いきもののにぎわいのある森」についてお話とラジオテレメトリー調査の簡単な実習を行いました。



●今までのラジオテレメトリー調査でわかったことから

タヌキの生息環境(ねぐら・休息場所)には3m以上のアズマネザサが茂っている場所や、落葉低木の藪が重要です。タヌキは昆虫類や果実類を多く食べ、昆虫類は放置してある林にたくさんの種類がすんでおり、果実類は山野・林縁に多くはえています。タヌキを保全目標にした保全管理では、まず樹林があることが重要!さらに内部に3mぐらいのアズマネザサ、林縁のヤブといった環境を創出することが生息にとって重要!というお話をいただきました。
 3メートルの笹なんていらないと思っていたら、タヌキには大事な場所なんですね。
皆さんも今度笹薮をのぞいてみてはいかがでしょうか?ばったりタヌキに出会えるかもしれません。でものぞくのは冬限定で!夏になると蜂のすみかにもなりますのでお気をつけて・・・

※ラジオテレメトリー調査とは?…※ラジオテレメトリー調査とは、ラジオと同じ原理を利用し発信機からある周波数帯(50kHzまたは145kHz帯が主流)の電波を一定間隔で発信し、それをラジオ受信機で受信する。これを方向探査に利用し2〜3地点から位置を特定するもの。
(渡辺初恵)

*「ゴロスケ報々」106号(2006年2月)より抜粋


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