にぎわいの森”コラム 
よそから来たいきもの

 外国から人によって持ち込まれた生物(=外来種)が増えているニュースをよく目にします。観察の森でも、タイワンリスの巣は1986年の開園当時は1つもなかったのですが、1999年には、道から見るだけでも63個もありました。最近はアライグマの足跡も頻繁に見かけます。植物もたくさん植えられています。生垣のマルバシャリンバイやトウネズミモチ、グミ(日本のグミですが、このあたりにはない種類や園芸種)の仲間などは、鳥がその実を食べてタネを運ぶので、自然林の中で育っているものがかなりあります。ある場所で、木の赤ちゃんの種類と数を調べたところ、もともとこのあたりに生えている種類の木は1/4だけで、後は全部人が植えた種類でした(植えた場所ではありません! 植えた所から運ばれたのです)。このままでは、自然観察の森が、自然に生えている種類の木ではなく、公園などそこら中にある、よその木ばかりに換ってしまうかもしれません。観察の森では、種子の運ばれやすい木は少しずつ退治しています。
(ふじた・かおる)

*「ゴロスケ報々」94号(2004年2月)より抜粋

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