にぎわいの森”コラム
生き物のにぎわい、「生物多様性」を考える

 2003年10月5日「林の生き物講演会」で、講師の長谷川雅美さん(東邦大)から、わけのわからん、ごちゃごちゃした目に見えない「生物多様性」、その一端を見る視点を教えていただきました。


その1:1つの生き物に注目!
 カエルの活動しやすい体温(「気温」ではありません)というのがあり、そういう体温を保てる環境がなくなると、カエルはいなくなってしまうそうです。同じアカガエルでも、ヤマアカガエルとニホンアカガエルでは、適した体温が違うため、すむ場所が違います。生物にはそれぞれ活動しやすい体温があり、いろんな生物がすむためには、いろんな体温の保てるいろんな環境が必要です。



その2:2つの生き物の関係:
    食べられる生物−食べる生物

 食べる生物、食べられる生物、どちらにも適した体温があり、イヌワシがヘビを捕るのは、ヘビが活動しやすい体温の日(ヘビ日より)らしいのです。



その3:もうちょっと複雑な関係:
    食べられる葉−食べる虫−虫を食べる鳥

 木の葉が虫に食べられた跡は、「虫の多さ」「虫の天敵の多さ」の複合作用を表します。食べ跡が多い場所は「虫が多い場所」か「鳥が少ない場所」。葉の食べ跡を見れば森の状態がわかる!!

(ふじた・かおる)

*「ゴロスケ報々」92号(2003年10月)より抜粋

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