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“にぎわいの森”コラム
大きな葉っぱをひるがえし、長いツルをぐんぐんのばすクズは夏の森の王様です。林と草原のちょうど境目あたりをしっかり覆う姿はまさに「森のマント」のようです。
もう少しそのマントに近づいてのぞいてみましょう。
葉っぱに、花に、たくさんの虫が集まっています。花とおんなじ色をした、チョウの幼虫、ガの幼虫、驚いたことに、くきの中にまで面白い虫が隠れています。クズは虫たちの大切な食べ物、そしてお家の役割をしているのです。
虫たちが集まるところにはそれを食べる鳥が、そしてさらにそれを食べる・・・いきもの同士のつながりもクズを起点にどんどん広がっていきます。なかにはクズがなくては生きていけない生き物もいます。
何でも覆ってしまうせいで、邪魔者扱いされがちなクズですが、いきもののにぎわいのある森の大切な一員 なのです。
観察の森には、そんなマントの様子がよぉ〜く観察できるところがあちこちに残されています。皆さんも「森のマント」をちょっとのぞいてみませんか??
*「ゴロスケ報々」91号(2003年8月)より抜粋
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