にぎわいの森”コラム
いきもののにぎわいのある森とは・・大きな森と複雑な森:その1
大きな森に生物が多いわけ

1.大きな森は広いので数多くすめる

 大きな森は面積が広いので,多くの数の生物がすむことができます.小さな森には少ししかすめませんから,近親交配が重なって,病気等に弱くなることがあります.そのような場合,小さな森ではあっという間に病気が広がって,その種類の生物が絶滅してしまっても,大きな森だと,同じ種類でもたくさんすんでいますから,中には,その病気に強い系統もいて,その種が生き残ることが多いのです.

 なお,小さな森で,ある生物が絶滅してしまっても,大きな森が近くにあれば,そこから小さな森に移住してきます.大きな森は,小さな森への生物の供給源になります.


2.大きな森にはいろいろな環境があるのでいろいろすめる

 大きな森には,草の生えている(いない)林,低木のある(ない)林,いつも崩れている斜面,草地,水が溜まって(流れている)ところ,乾いている(湿っている)ところ,日当たりの良い(悪い)ところ,などいろいろな環境があります.それぞれの環境が好きな生物がそれぞれの場所にすんでいるので,いろいろな環境のある大きな森には,多くの種類の生物がすんでいます.

(ふじた・かおる)

*「ゴロスケ報々」(2002年10月)より抜粋

Copyright (c) 2007 (公財)日本野鳥の会. All rights reserved.