AVR大研究F
Automatic Voltage Regulator

いよいよ完成です。
使いやすくするにはあなたの
一工夫が必要です。

安定化電源はやっと完成です。最終的な仕様は次のとおりです。

電圧:1.26V〜15V
*最小電圧はICの個体誤差で調整は出来ません。試作機は少し高めでした。
電流:最大1.5A
*最大電流は充分な放熱(ブロアー等使用)がなされないときはICの熱保護機能により低減されます。Eを参照下さい。

ところでこの安定化電源の使い勝手はどんなものでしょうか?
実際に使用するためにはケースも必要です。電圧可変型ですから電圧計も必須でしょう。できれば電流計も欲しいでしょう。SWに連動した表示も欲しいです。Aでもお話したように負荷回路保護のための電流制限回路もあることが望ましいといえます。

ケースは自作するのも楽しいものです。

電圧計や電流計はスケールがぴったりのものが手に入るか不安要素があります。希望のスケールが入手できない場合は倍率器や分流器の実践です。1mA程度の電流計を使えば好きなスケールの電流計や電圧計を作ることが出来ます。学校の演習などで計算したときには電流計の内部抵抗が与えられていたと思いますが実際にはわからないことが多いものです。うっかりテスタなどで計るとメータを壊すことがありますので注意してください。1mAの電流計の内部抵抗は100~500Ω位のものが多いようです。

SWの表示はLEDを使えば簡単に出来ます。安定化回路の入力側にLEDを入れます。LEDには電流が5~10mA程度になるように直列抵抗(1.5~2KΩ)を入れます。

電流制限回路はAで説明した回路(赤線で記入)を応用してください。ベース・エミッタ間の電圧が約0.6VになるとトランジスタがONになりパストランジスタのベース電位が下がり電流を制限します。抵抗を1Ωにすれば約0.6Aで電流制限が働くことになります。
検出用抵抗には比較的大きな電流が流れますからそれに見合ったサイズ(消費電力の2倍程度)の抵抗器が必要です。

AVR大研究ではトランジスタやICの発熱について考察しました。発熱と放熱のことを理解できればアンプなど電力機器製作の力になるでしょう。

ご質問は<ja1cvf@jarl.com>


【試作した安定化電源】
入力用電源(右側)と大きな放熱器(135x95x100)に組み込んだ回路・これでも最大負荷条件で放熱不足になります。⇒長時間の連続使用にはブロアが必要です。

倍率器を作る。(電流計が1mAの場合)
フルスケールを15Vにするためには電流計の内部抵抗を含めて15KΩです。内部抵抗を考慮すれば電流計に直列に12KΩと5KΩの可変抵抗を入れます。
*計算でキッチリ求めても一般的にその値の抵抗を入手することは不可能です。アマチュア的には可変抵抗を使うことは避けられません。
分流器を作る。
(電流計が1mAの場合)
フルスケールを1.5Aにする場合。チョット面倒です。1mAの電流計はよく考えると0.5Vの電圧計(内部抵抗500Ωと仮定)と考えることが出来ます。ということは並列に入れる抵抗の電圧を測って電流値に読み替えればよいのです。分流器を0.5Ωとすれば1.5A流れたときに0.75Vの電位差を生じます。(この電位差は出力電圧の変動につながるので出来る限り小さい方がよい。⇒内部抵抗の小さい高感度電流計を使う。)
この場合電流計に500Ωの可変抵抗を直列に入れ、0.5Ωの分流器と組み合わせればよいことが解ります。

【 0111 ja1cvf 】

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