AVR大研究A 
Automatic Voltage Regulator

AVRの仕様を決める

AVR(Automatic Voltage Regulator)をいろいろな機器の電源として考えたとき どのようなものが必要になるでしょうか。

たとえばアマチュア無線用のトランシーバの電源なら13.8Vで4〜5A(10Wの場合)くらい必要です。
試作のための実験用電源なら電圧が可変式がよいかも知れません。オペアンプ(OP amp, Operational amplifier)の電源なら±両電源が必要かもしれません。

こんなわけで負荷によって必要な電源は違いますから簡単に電源の仕様を決められません。
実用機にはそれぞれに見合った専用(固定電圧)の電源を使うことをお勧めします。 可変電圧のものを使用すると設定電圧を間違えたりして本体を壊す原因になることがあります。

ここでは電源の考え方や成り立ちの研究ということがありますのであえて電圧可変型を取り上げていきたいと思います。

概略の仕様を考える。
今までいろいろなものを作り、実験してきた中でなんとなく頭に浮かんだ仕様は次のようなものです。
1〜15V・1A電流制限回路付
このくらいの容量があればほとんどの実験には困ることがありません。 これは経験的なもので、オペアンプのように両電源が必要だったり大電流が必要なときはその時に用意することにします。

出力電圧の問題点
上限の15Vは自動車用機器を意識した電圧です。下限の1Vは乾電池を意識した電圧です。 1.5Vの乾電池用機器が電池電圧が下がった場合でも安定に動作するためには1Vくらいまでテストする必要があると思います。 それなら解りやすく0Vから使えるようにと言われると大研究@の概念図のままでは達成できません。
このような場合基準点(Q2のエミッタ電圧)を少しだけ(-)にずらし見かけ上0Vを作ります。 このように苦労して0Vを作ってもほとんど使用することはありませんので乾電池の電圧を考えた1Vに近い電圧ということにします。

電流制限回路について
電流制限回路は後から説明する電源回路保護用の電流制限でなく負荷保護用の電流制限回路です。
たとえばトランジスタ1石の実験回路を1Aの電源につないだ場合もし回路にミスがあった場合実験中のトランジスタその他の部品を損傷する可能性があります。 そのような場合たとえば電源側で10mA以上流れないような制限回路があれば実験回路を損傷する可能性は小さくなります。 実験用電源装置にはこのような配慮も必要になります。

安定化電源の考え方や原理について菊水電子工業のホームページ、ナレッジプラザ に解りやすく解説されています。ご参照ください。

   電圧制御の考え方

【出力電圧を0Vにするのは難しい】
出力電圧を下げると言うことはQ1のベース電圧を下げることです。仮にR3を0にしたりZDを0にしてもこの回路では何がしかの出力は出てきます。 (Q2のVceは0にはならない)
このような場合基準点(Q2のエミッタ電圧)を少しだけ(-)にずらし見かけ上0Vを作ります。 このように苦労して0Vを作ってもほとんど使用することはありません

 

電流制限の考え方

【電流制限回路の考え方】
回路に流れる電流を検知する抵抗など(
赤線の抵抗) を入れその情報を利用して電圧を下げる方向にQ1をコントロールします。 負荷に電流が流れると抵抗の両端に電圧が発生しトランジスタがONになればそれ以上の電流は制限される。
これは抵抗を適当な値にえらび負荷の保護用として使いますが電源回路の保護にも使用できます。

【 0108 ja1cvf 】

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