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放熱と熱抵抗 |
実験用電源装置はいろいろな負荷が接続され極端な場合電源装置の能力を超える負荷が接続されたり
出力が短絡されたりすることも考えに入れておかなければなりません。 大研究Bでは電気的な回路保護について考えました。過大電流が流れると制御回路が壊れるのでそれをどうやって防ぐか考えました。 見慣れた図が再び登場です。 この熱によってQ1はどんどん熱くなります。そしてQ1の温度が175℃(シリコントランジスタの場合)を超えると壊れることになります。 放熱の方法はいろいろあります。 今回の例では約20Wの熱損失があります。放熱のことを考えるにはカロリーやジュール熱を考える必要はありません。
簡単な熱抵抗という考え方で解決できます。 熱抵抗は直列、並列も可能で全く同じに考えることが出来ます。しかし電子部品の抵抗器と違い最終的には空気との接合ですから、
空気の流れに大きく影響されます。ケースの中に放熱器を組み込めば室温ではなくケース内温度で考えなくてはならず
水平置きやフィンが横になるような空気が対流しづらい置き方では当然熱抵抗が大きくなります。
写真の放熱器はあるメーカ製の電源装置に使われていたもので鉄シャーシーに水平に取り付けられていました。
計算上は間に合ったのかもしれませんが大きな問題点があります。 |
小さな増幅用のトランジスタは発熱も少ないので特別な放熱の必要はありません。 実際に使用することを考えると周囲温度は40〜50℃を考える必要があります。 50℃であれば175-50/20=6.25(℃/W)ですから6.25-3=3.25℃/W以下の放熱器を使用しなければなりません。 これは放熱器とトランジスタの接合部分にある絶縁シートの熱抵抗(約1℃/W)も含まれます。 ということは2℃/W程度の放熱器が必要になります。 【トランジスタの接合部分の熱はケースのフランジ、絶縁シート放熱器そして大気へ放散される】 放熱器は熱伝導のよい厚手のアルミ材を使うことが多いです。薄いものは熱伝導の考えから不利になります。 そして空気との接触面を多くするためたくさんのヒダをつけたものが使われます。空気の対流を考えればヒダが立てになるようにするのが望ましいです。
【あまりよろしくない放熱器の例】 水谷電機工業のホームページ に熱抵抗の詳しい計算式や放熱器について解説があります参考にしてください。
【 0109 ja1cvf 】 |
【参考資料】 放熱器の熱抵抗は空気と触れる表面積で求めることが出来ます。 しかし放熱器は表面積を多くするため多数のヒダをつけていますから表面積の計算は容易ではありません。 左のグラフは包絡体積から概略の熱抵抗を知ることが出来ます。 正確にはメーカのカタログで調べますが特価品などを使うことが多い私たちの工作ではとても役に立つグラフです。 |