【懐かしい歌へ】
文部省唱歌
小学生時代…戦前…【心に浮かぶ懐かしい友】
【 01 】初めに
【 02 】一年生
【 03 】二年生
【 04 】三年生
【 05 】四年生
【 06 】五年生
【 07 】六年生
【 08 】○○○
【 06 】五年生
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01 みがかずば 08 朝日は登りぬ 15 加藤清正 22 水師営の会見
02 金剛石・水は器 09 朝の歌 16 鳥と花 23 児島高徳
03 八岐の大蛇 10 日光山 17 大塔宮 24 三才女
04 舞えや歌えや 11 山に登りて 18 秋の山 25 進水式
05 鯉のぼり 12 海 19 いちょう 26 雛祭
06 菅公 13 納涼 20 入営を送る 27 卒業生を送る歌
07 忍耐 14 風鈴 21 冬景色
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01 みがかずば
みがかずば 玉もかがみも なにかせん
まなびの道も かくこそありけれ
02 金剛石 水は器
金剛石も みがかずば 水は器に 従いて
珠の光は 添わざらん その様々に なりぬなり
人も学びて 後にこそ 人は交わる 友により
まことの徳は 現わるれ 善しきに悪しきに 遷るなり
時計の針の 絶え間なく 己に勝る 善き友を
めぐるが如く 刻の間の 選び求めて 諸共に
日かげ惜しみて 励みなば 心の駒に 鞭うちて
如何なる業か 成らざらん 学びの道に 進めかし
03 八岐の大蛇
1 めぐらす垣根 門八つ造り 3 尊は立ちて 今こそ時と
その門毎に 桟敷しつらえ その御佩の 剣引き抜き
桟敷一つに 酒槽一つ 一つ一つに 尾頭八つを
その槽々に 酒をぞ満てたる 切り捨てませば 流るる血の川
2 八岐の大蛇 近づき来り 4 年毎 人を 来て取り食いし
その門ごとに 頭さし入れ その醜大蛇 ここに滅びて
頭一つに 酒槽一つ 尾より出でたる 御剣一つ
酒飲み飲みて 酔いてぞ臥したる 我がすめろぎの 宝と尊し
04 舞えや歌えや
1 花に宿れる蝶は 今 2 葉陰に寝ねし鳥は 早
眠りさめたり 夢も見あきつ
(舞えや舞えや)姿やさしく (歌え歌え)心豊かに歌え
(舞えや舞えや)袂軽く舞えや (歌え歌え)調べ高く歌え
春風渡る広野は 緑色そう林は
汝が楽しき庭ぞ 汝が楽しき庭ぞ
(舞えや舞えや)花に草に (歌え歌え)枝に梢に
蝶の遊ぶ時は今なり 鳥の遊ぶ時は今なり
(舞えや舞えや)姿優しく舞えや (歌え歌え)心豊かに歌え
(舞えや舞えや)袂軽く舞えや (歌え歌え)調べ高く歌え
05 鯉のぼり 06 菅公
1 甍の波と雲の波 1 日影さえぎる むら雲に
重なる波の中空を 干すよしもなき 濡衣を
橘かおる朝風に 身には著つれど 真心の
高く泳ぐや 鯉のぼり 現われずして 止まめやと
2 開ける広きその口に 神のまもりを 頼みつつ
舟をも呑まんさま見えて 配所に行きし 君あわれ
豊かに振るう尾鰭には 2 後を契りし 梅が枝に
物に動じぬ姿あり 東風吹く春は かえれども
3 百瀬の滝を登りなば 菊の節会の 後朝の
忽ち竜になりぬべき 宴に侍りし 秋は来ず
わが身に似よや男子と 御衣を日毎に 拝しつつ
空に躍るや 鯉のぼり 配所に果てし 君あわれ
07 忍耐 08 朝日は昇りぬ
1 野を流れての末遂に 1 朝日は昇りぬ 日は出でぬ
海となるべき山水も 海には帆綱を たぐり上げ
しばし木の葉の下くぐるなり 追手に帆あげて 船出する
見よ 忍ぶなり 山水も 海士人今や 勇むらん
2 朝日は昇りぬ 日は出でぬ
2 身にふりかかる憂き事の 山には小牛を 追いながら
なおこの上に積もれかし 朝露踏み分け 登りゆく
限りある身の力ためさん 少女の歌や 高からん
いざ 試みん 身の力 3 朝日は昇りぬ 日は出でぬ
町には工場の 笛鳴りて
今しも薄らぐ 朝靄に
機械の音や 響くらん
09 朝の歌 10 日光山
1 またたく星影 次第に消えて 1 二荒の山下 木深き所
ほのかに匂うよ 東の空は 大谷の奔流 岩打つほとり
いざいざ歌え いざ声高く 金銀珠玉を ちりばめなして
朝は来ぬ朝は来ぬ おごそかに 終日見れども 厭かざる宮居
2 紫いろどる み山の上に 2 浮彫毛彫の 柱に桁に
澄みたる大空 紅さやか 振るいし鑿の技 巧をきわめ
いざいざ歌え いざ声高く 丹青まばゆき 格天井に
朝は来ぬ朝は来ぬ ほがらかに 心をこめたる 絵筆ぞ匂う
3 喜び溢れぬ 草木も鳥も 3 美術の光の 輝くこの地
今こそ昇るよ 朝日の影は 山皆緑に 水また清く
いざいざ歌え いざ声高く 楽園日本の 妙なる花と
朝は来ぬ朝は来ぬ はなやかに 外国人さえ 賞ずるも宜ぞ
11 山に登りて 12 海
1 登りつきたる 巓の 1 松原遠く 消ゆるところ
巌の上に 我れ立てば 白帆の影は 浮かぶ
山の風 心地よく 干網 浜に高くして
すがすがし 我が心 鴎は低く 波に飛ぶ
見よ 昼の海
2 並ぶ山々 見下ろして 見よ 昼の海
雲をば踏みて 我れ立てば 2 島山闇に 著きあたり
鳥の音も 聞こえ来ず 漁火 光淡わし
遥かなり 人の世は 寄る波 岸に緩くして
浦風軽ろく 砂吹く
見よ 夜の海
見よ 夜の海
13 納涼
1 ひと日の汗を湯浴にながし 3 見渡し遠き青田の上を
夕顔棚の下陰占めて さざ波たてて吹き来る夜風
親子同胞 一つむしろに 風に流るる蛍火いくつ
心をおかぬむつび語り 月影うけて消えつ 見えつ
むつびがたり たりしや 消えつ 見えつ 涼しや
2 蚊遣のけむり軒端をこめて
緑の葉ごし月影涼し
裏の細道 節もおかしく
聞こゆる歌の主は誰ぞ
主は誰ぞ ゆかしや
14 風鈴 15 加藤清正
1 軒の風鈴 夕風に 1 勝ち誇りたる敵兵を
ちりんりん ちりんりん 一挙に破る賤嶽
風鈴の音の涼しさよ 七本槍の随一と
昼の間のほてり消えうせ 誉は高き虎之助
夏の日は今ぞ暮行く 蛇の目の紋の陣羽織
十字の槍の武者振は
2 軒の風鈴 夕風に 後の世までの語りぐさ
ちりんりん ちりんりん 2 友危しと身を捨てて
打水の跡心地よや 赴き救う蔚山や
大空に月は浮かびて 荒胆ひしぐ鬼上官
夏の夜は今ぞ更け行く 黒地に白き七文字の
百万余騎の明軍の
妙法蓮華の旗風に
異国までも靡きけり
16 鳥と花 17 大塔宮
1 鳥らならばや み空の鳥に 1 氷の刃御腹に当てて
霞をわけては雲雀とあがり 経巻かづき 固唾をのみて
霧をわけては雁とかけり 忍びおわしし般若寺あわれ
春と秋とをかざらばや 2 山伏姿 険しき道を
破るる御足 紅染めて
2 花にならばや 園生の花に 落行きましし熊野路あわれ
桜と咲きては朝日に匂い 3 鎧の上に立てる矢七つ
菊と咲きては露にかおり 流るる血しお拭いもあえず
春と秋とをかざらばや 酒酌みましし三芳野あわれ
4 恨尽きせぬ建武の昔
日影も闇き鎌倉山の
御最後あわれ 語るもゆゆし
18 秋の山 19 いちょう
1 風清く 日はうららかに 1 五月の朝の丘の上
黄櫨の葉の紅におう 日の照りそえば 新緑の
美しき秋の山 梢さやけく 潔く
花すすき分けて登れば 青天を摩す 大いちょう
かたはらの森の中に 王者に似たる姿あり
けたたまし 百舌の声
2 うち続く峰また峰も 2 暮れ行く秋の丘の上
赤と黄の織りなす錦 風そよ吹けば 金色の
輝やける秋の山 小鳥群れつつ飛ぶごとく
眺めつつしばし憩えば 落日に散る大いちょう
足許の草の陰に 四海を照らす光あり
ほそぼそと虫の声
20 入営を送る 21 冬景色
1 ますらたけおと生い立ちて 1 さ霧消ゆる湊江の
国のまもりに召されたる 舟に白し 朝の霜
君が身の上 うらやまし ただ水鳥の声はして
望めどかなわぬ人あるに いまだ覚めず 岸の家
召さるる君こそ誉なれ 2 烏鳴きて木に高く
さらば行け 国の為 人は畑に麦を踏む
2 征矢を額に立たすとも げに小春日ののどけしや
背には負わじと誓いたる かえり咲きの花も見ゆ
遠き祖先の心もて 3 嵐吹きて雲は落ち
みかどの御楯と仕えまつり 時雨降りて日は暮れぬ
栄えあるつとめを尽くせかし 若し燈のもれ来ずば
さらば行け 国の為 それと分かじ 野辺の里
22 水師営の会見
1 旅順開城約成りて 6 『二人の我が子それぞれに
敵の将軍ステッセル 死所を得たるを喜べり
乃木大将と会見の これぞ武門の面目』と
所はいづこ水師営 大将答え 力あり
2 庭に一本 棗の木 7 両将昼食 共にして
弾丸跡もいちじるく なおも尽きせぬ物語
崩れ残れる民屋に 『我に愛する良馬あり
今ぞ相見る二将軍 今日の記念に献ずべし』
3 乃木大将は厳かに 8 『厚意謝するに余りあり
御恵深き大君の 軍の掟に従がいて
大詔 伝うれば 他日我が手に受領せば
彼 畏みて謝し奉る 長くいたわり養なわん』
4 昨日の敵は今日の共 9 『さらば』と握手ねんごろに
語る言葉もうちとけて 別れて行くや右左
我はたたえつ 彼の防備 砲音絶えし砲台に
彼はたたえつ 我が武勇 ひらめき立てり日の御旗
5 かたち正して言い出でぬ
『この方面の戦闘に
二子を失ない給いつる
閣下の心如何にぞ』と
23 児島高徳 24 三才女
1 船坂山や 杉坂と 1 色香も深き 紅梅の
御後慕いて 院の庄 枝にむすびて
微衷をいかで 聞こえんと 勅なればいともかしこし鶯の
桜の幹に 十字の詩 問はばや如何にと雲井まで
『天勾践を空しうする莫れ 聞こえ上げたる言の葉は
時范蠡無きにしも非ず』 幾代の春か薫るらん
2 御心ならぬ 出でましの 2 御簾のうちより 宮人の
御袖露けき 朝戸出に 袖引き止めて
誦じて笑ます 賢さよ 大江山いく野の道の遠ければ
桜の幹の 十字の詩 文見ずと言いし言の葉は
『天勾践を空しうする莫れ 天の橋立末かけて
時范蠡無きにしも非ず』 後の世永く朽ちざらん
3 きさいの宮の仰せ言
御声のもとに
古の奈良の都の八重桜
今日九重ににおいぬと
つかうまつりし言の葉の
花は千歳も散らざらん
25 進水式
1 金色の槌高くおどれば 3 征矢よりも疾く大海めがけて
山なす大船音なく滑り 「我 今生まる」と躍りて入れば
艦首に花降り 白鳩舞い舞う 海にも沸き立つ 歓呼の白波
今 今 今ぞ生まるる 今 今 今ぞ生まるる
海の勇士 海の勇士
2 万歳の声 天地をとよもし
あらゆるもの皆叫びをあげて
めでたき門出を 喜び壽ぐ
今 今 今ぞ生まるる
海の勇士
26 雛祭
1 お行儀正しい 内裏さま 2 赤い毛氈 美しく
赤い袴の 官女たち 菱のお餅に お白酒
五人ばやしが 次々と お菓子豆いり いろいろと
きれいに並ぶ 壇の上 きれいに並ぶ 壇の上
雪洞つけて 坐って見れば 花瓶にさした 緋桃の花も
金の屏風が きらきらと 半ば開いて にこにこと
夢のお国の 御殿のように お伽噺の お家のように
27 卒業生を送る歌
1 数多の年月 兄とし睦び
姉とし慕いし 上級生よ
日頃のつとめ 甲斐見えて
栄ある今日の よろこびや
2 我等に先だち 学びを卒えて
今日しも出でたつ 卒業生よ
君等の面に あふれたる
希望の色の たのもしや
3 我等もやがては 学びを卒えて
君等が行く道 後より追わん
行く手の道の しるべして
正しきかたに 導けや
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