前回の章（No162）で書きましたが
先日、父が心不全のため救急車で運ばれました。
今回はその時に感じたこと、後から父に聞いたことを書いてみます。
その日、父は夜中になって胸が苦しくなり
胸をさすってほしいと言われたので、さすっていたのですが
いつもと様子がおかしいのですぐに救急車を呼びました。
そして病院に着きすぐに手術を受けて．．．
その手術は無事に終わり先生から説明を受けました。
無事に終わったとを聞いて安心していましたが
『100人に１人くらいの確率で悪くなることもあるので
まだ安心しないでください』
とも言われました。
正直、その時、自分の父がその100分の1になるとは思ってもいなかった。
そしてその説明を受けてまもなく 『急変しました』．．．と言われ
もう一度、処置をすることになって．．．
明け方、５時過ぎだったと思います。
１度目の説明の際に
『万が一、そうなった場合は８、９割方は覚悟してくださいね』．．．と
言われていて．．．
もう一度、手術室に入っていく父にどういう言葉をかければいいのか
分からなかったのですが
事態はシリアスなのは分かっていたから
『今までありがとう！待っているからね』．．．って
そう伝えた。その時、
父は微笑んでいました。
本当につよい人だと思います。
すごく痛かっただろうに．．．
そして手術が始まり
明け方５〜６時くらいだったのでシーンと静まり返っていて
中の様子は分からなかったのだけど
心電図の音だけは聞こえていて．．．
『ピッ、ピッ』．．．っという心拍音が聞こえていました。
僕も母も弟も何も言わずにただ座っていました。
けど少しして『ピィッ、ピィッ』と鳴っていた心拍音が
『ピーーー』．．．っという音になり．．．
あとから聞いたのですが弟もそのことに気付いていたと言っていました。
ただ、それを僕に伝えたら、
そのこと（心臓が止まったということ）を認めることになるから
『あえて言わなかった』．．．とおしえてくれた。
その時はただ信じるしかなく
もう一度、父は戻ってくると信じるしかなくて．．．
ただただ祈る思いでした。
人の願いは届くものですね。
人の思いというのは届くものなのですね。
僕らの生きてくれ！．．．という思いが父に届いたのだと思います。
２時間後、父が手術室から出てきて
お医者さんたちの 『今度は大丈夫』．．．っていう声が聞こえてきて
少し回復してきてから父に聞いたのですが
父自身も心臓が止まったことに気付いたそうです。
先生の 『あっ』 ．．．っという声が聞こえ
『あ、止まった』．．．と自分でも分かったそうです。
その後、心臓マッサージ、電気ショック等で
もう一度、心臓が動いて、今、父は意識があります。
何の障害もなく回復できると思います。
そしてこんなことを言っていました。
すごく辛く痛かったけど
すぐ横にいた看護師さんが
『大丈夫ですよ。頑張って！』．．．と胸をさすってくれる度に
スーっと楽になり耐えることができた．．．と
それが５、６回あったんじゃないかな．．．と
もしもその看護師さんがいなかったら
父は助かっていなかったのかもしれません。
人の 【ぬくもり】 というのは、すごい力を持っているのですね。
人の 【ひとこと】 というのは、本当にすごいパワーを与えてくれるのですね。
辛い時にかけられたひとことですごく救われる時がある。
もうダメだと思ったときに肩に手を当ててもらうだけでホッとすることがある。
人のぬくもりというのは 【奇跡】 をも起こすのかもしれませんね。
手術をしてくれた先生、そして看護師さんにとても感謝しています。
父も本当に勇気をもらったと言っていました。
そして応援してくれたみなさんにも心から感謝しています。
（Ｎｏ１６２でみなさんに応援をお願いしました）
父は倒れる直前まで元気でした。
僕にとってそれは当たり前のことでした。
そして父はこれから少しずつ回復していくでしょう！
けど人の身体が動いているという奇跡に．．．
今、心から感謝しています。
いろんなことがあると思うけど
生きているだけで、とても幸せなのだと思えました。
あきらめなければ必ずいいことがあると信じています。
そして周りにいる人たちに対して
自分自身に対して
悔いの残らぬように一瞬一瞬を過ごしていきたいと思っています。
後から病院の人に聞きましたが
あと10分、救急車を呼ぶのが遅れていたら
障害が残っていたと言われました。
あと30分、救急車を呼ぶのが遅れていたら
父は冷たくなっていただろうと言われました。
今回のことで
すぐに状況を把握し行動することの大切さをとても痛感したし、
僕にとって父の存在感の大きさを改めて思い知りました。
