【3-2】喘息の体の特徴


■ 体には連動性がある

では何故普通に正常に機能していていいはずの神経の働きが低下するのか、そ
の問題が湧いてきます。

交感神経のレベルが下がる、あるいは呼吸器の働きが不全になる理由について
主に以下のことが考えられます。

■ 肋間が緊張して動きが悪い。
■ 上胸部の椎骨の可動性が悪い。
■ 股関節周辺のどこかに緊張があって弛まない。
■ 胸椎7番と言う副腎と関係している骨に異常がありその働きが悪い。
■ 骨盤の縁にある呼吸と関係している急処があり、ここに緊張がある。
■ 水分排泄の異常(小便が出にくい)。
■ ストレスや感情の不安定がある。

| (背骨の図)  

|                 ちょっと凄い図になってしまいました。
| / \ 真ん中は背骨で左右にある下の先が
| / \ 尖っているのが肩甲骨です。実際には
|┏ ▽ ┓この骨は肩から来ている広い骨です。
|┃ ―‐^ ▽ ^‐― ┃
|┃ \〜‐\ ▼ /‐〜/ ┃←▼胸椎3番:実際にはこれよりやや
|┃ ) 〉 ▽ 〈 ( ┃ 下、特にうつ伏せになったとき。
|┃ \ ▽ / ┃
| ヽ ▽ 〃
| ∨ ▼ ∨ ←←←▼正座すると肩甲骨の下端と胸椎7
| | ▽ | 番が並ぶか、少し肩甲骨が下位置に
| | ▽ | なります。
| | ▽ |
| | ▽ |
| ▽

この背骨、歪んでますね。(笑)


基本的にはこれらのことが考えられます。まだあるのですが各人なりのこの問
題が解消すれば上胸部の椎骨の可動性が回復してきます。

喘息の方はアトピーや何らかのアレルギー現象と併発のことが多いです。これ
は文明病とも言われていて文化の発達した都会に多いという現象があります。
花粉症もその一つでしょう。実際極度に文明度の低い地方ではあまり見られな
いそうです。

周りに密林があるような地域で生活している人、沢山の花粉に囲まれる可能性
のある人たちに花粉症が無くて、文明の地に花粉症が多いのだったら、花粉症
の原因を花粉にだけ求めるのはおかしいかもしれないとは思いませんか?

私は原始的な密林生活をしている人の体と文明生活の人の体や心の違いを調べ
るべきだと思います。

問題はどうすれば文明生活者が野性味のある体を形成できるか、あるいはいか
に導けば交感神経の働きと副交感神経、迷走神経の働きのバランスが取れ、免
疫系が活発化されるかではないでしょうか。


◆ 先に列挙した内容を読んで疑問に思った部分はありませんでしたか?

骨盤の縁、水分の排泄、感情の不安定、股関節周辺の緊張などと胸が関係して
くるのか変だと思いませんか。

体を単にパーツ化して眺めるなら上胸部の交感神経を薬で鼓舞するなり、叩く
なりすればよい事です。しかしこれが臨床的にはそういうわけにはいかなくな
るのです。逆に言うといろんな可能性があることにもなります。

胸を落として前に屈むには尻も落とさねばバランスがとれず、もし尻を上げた
ら著しく前につんのめってしまいます。このように体には自調してバランスを
とる働きを本来持っているものです。

その中で常習的で偏った緊張となって弛まなくなる処があるのです。尻を落と
せば下臀部とその下の膝の裏側までの筋肉は緊張します。脚を蹴り上げるなり
、大股にあるくなりしてここを弛めることができれば猫背も少しは伸びてくる
のです。

そういう自調作用が本来スムーズに働いていれば症状は自分で経過できるはず
のなのです。必要があって肋骨が下がったとしても、体自らが腰を伸ばす必要
を感じてその事で肋骨を持ち上げる事ができれば歪みは固定化しません。

そこで大腿部の裏側を伸ばす体操によって呼吸器の広がりをよくすることも可
能になってきます。

マラソンの選手が走り終わった後くだびれてウエストの後ろに手を当てる動作
をします。呼吸が楽になるからです。考えていなくてもやってしまうのです。

「 骨盤の縁にある呼吸と関係している急処 」というのはそういう発想、発見
が元にあるのです。急処としての小さなポイントは素人ではなかなかつかまり
ません。ここをつかまえるのはプロでも苦労しているのです。

しかし、素人でもそれなりにやれる範囲の工夫もあります。

この様な連動性を探していけばまだまだ喘息の改善方法は細かく探究されると
思います。


物を持ち上げる時に原始的な方法として梃子(てこ)方式を使う事があります。
あれと同じで遠くを押さえたほうが効率よいことが多々あるのです。

フランス人の小学生で膝が痛いという子供さんがいて、あまり膝には違和感を
感じないので他のところを観察するうち、首が妙な曲がり方をしていることに
気がつき、その首に緊張を見つけて弛めてみました。

そしたら、なんと!その場で膝の痛みが取れてしまいました。以前家族で交通
事故にあっていて、その影響が残っていたのです。

でもこれも腰をちゃんと整えておかないとまた元に戻るのです。腰は膝と首の
中間のテコの軸になっているからです。

膝で思い出しましたが、ある中年のご婦人が左膝が痛いとさかんにおっしゃる
のですが、よく見ると右膝の方がフツウで言う故障を起こした膝の形をしてい
ました。

それで右膝に触ると「 そっちは大丈夫です。痛いのは左です!」と怒ったよう
に言われるのです。しかし、どうしても私には右膝が「 おいでおいで 」と言
っているような気がしたので膝の痛みをとる方法を右側に施してみました。

するとどうでしょう、左膝の痛みが取れてしまったのです。ちゃんと正座され
ました。

こういうことは姿勢学的にいちいち体を細かく観察していけば納得できる線は
必ずでてくるのです。決してまじないや根拠のない世界ではありません。

ただ、困ったことに、膝が痛かったその女性は整体を始めたばかりの人だった
からでしょうか、大変不満そうな顔をされました。世の中には、痛みがその場
で取れても不満になることもあるのだと学びました。

これがある程度整体をやって体が敏感になっている人だったら、痛くないほう
の膝を押さえた時、何か中で響いていって左側に通じる感覚を味わっていただ
ろうと思われます。

響くと言うのは神経線維を電気的に伝わっていく感じとか、細かい筋肉が連鎖
的に弛んでいく時の感覚だと私は考えています。

昔胸を患ったという人に聞いてみますと後で数年して膀胱や腎臓を患っている
ことがあります。もちろんその逆もあります。

前屈みで恥骨を出しているような体型の人で尿がつかえるいわゆる膀胱炎を起
こしている人の胸部の緊張を弛めて経過が良くなった経験があります。パーツ
としては胸と泌尿器は関係ないでしょう。

でもそういうことが実際にはあります。

だったら逆も真なりで、恥骨の直ぐ上つまり膀胱のある辺りを刺激して胸が楽
になることがあってもおかしくありません。咳、胸が苦しいこういった症状の
中にも膀胱の処に蒸しタオルを施して呼吸が楽になることがあるのです。

風邪で胸を患った後、しばらくして膀胱の調子が悪い。そんなことがありまし
たら、上胸部に次回紹介する蒸しタオルをしたり、逆パターンだったら恥骨の
直ぐ上の膀胱の辺りを温めてみて下さい。

さして害はありませんから試してみられるといいです。

ただし、喘息が起きてからでは体を仰向けにして寝るのは辛いです。実際発作
時は体を起こす方が楽です。

子どもにしてさしあげるなら、できたら親御さんが日頃自分で蒸しタオルを経
験してください。というより必ずそうしてもらいたいものです。

だから「ナゼ、胸部の交感神経の働きが悪いか」についても、いろいろその人
なりと連動的な特徴があると思ってください。

喘息の体の特徴については細かくみていけばまだあるように思います。体の偏
り緊張や背骨を整えて治るものなら、整えていく必要があるでしょう。



次回・‥…→☆【 自分でできる手当て法 】

      --// 経費がかからず効果的 //--

 ◆ 蒸しタオル温法
          ・喘息のときの当て方
          ・骨盤の縁にある呼吸と関係している急処に当てる
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■ 先に列挙した内容を読んで疑問に思った部分はありませんでしたか?
\喘息 のち 晴れ!/
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