【2-2】不思議な事があるんです-2


■ 喘息と自律神経

M君の臨床例はメルマガに載せたことのあるものです。
以前喘息だった人で若い頃ナナハンのバイクを乗り回して遊んでいた女性がメ
ルマガを読んで「M君のことやあのバイクの話はよく分かる」と言っていまし

た。

つまり喘息の自分あるいはそれを悩んでいる自分と、バイクに乗っている自分
では別の自分に出会えていることになりはしないでしょうか。

これには神経の働きやホルモンの働きのカラクリがあるようです。一つは人間
は一度に二つの事に集中できません。車にしろバイクにしろちょっと油断する
と命取りです。病気どころではなくなるわけです。

喘息は神経の働きで言うと迷走神経緊張症です。しかしバイクに乗るというあ
る意味では命がけの行為と言うのは野性的な働きを持った交感神経レベルを上
げてしまいます。

(神経系の作用については次回【 喘息と自律神経・背骨 】で説明します)

風呂に入ったりのんびりしていれば交感神経のレベルは下がりますから、アト
ピーや喘息の症状が促進されるのも分からなくありません。

でも風呂は温度を上手にコントロールすると、神経や筋肉、皮膚を弛めたり緊
張させたりどちらも出来ます。「 風邪のとき風呂に入るな 」はまあ一般的な
通説ですが、これも温度の設定によっては風邪が抜けてしまう事もあります。

これは神経作用の働きと血行、汗という排泄が関わっています。



■ 野生を肯定する

私はM君のケースではこういう神経バランス作用だけではどうも納得しきれな
いものがありました。バイクに乗って交感神経が緊張して体が変わるものなら
何故普通の生活の状態でそうならないのかです。

彼の体の中にそういう喘息の症状を押さえてしまうほどのホルモンは投与しな
くてもちゃんと存在しているはずです。

一つ考えられるのは体がある種の虚勢状態になっていて体の力が萎えている場
合です。それか、一旦野生的なエネルギーがが開放されるととてつもないため
、何かの力でそれを強度に抑圧している可能性もあります。

この場合野性的な力を解放しつつもそれを飼い慣らす力を必要とするでしょう。

私は彼の家族全員の体を看ていました。だから家族の関係性もも知っていまし
た。彼の感情や感受性があまり大事にされないで育った傾向も理解していまし
た。

そういうことがあると、体はかなり抑圧感が強くなり圧縮エネルギーは出口を
求めざるを得なくなるものです。

抑圧されたエネルギーを飼い慣らす。つまり、ソイツにちゃんとまたがり、手
綱を握る。

要するに喘息という迷走神経緊張症に張り合うだけの野性的な働きを持った交
感神経の働きが、その力を発揮されていると同時に、且つ飼いならされている
必要があるわけです。

たぶん、ここらあたりが症状の下で流れている本流だったのではないかと思い
ます。

M君について言えば、彼にとっての価値は彼の内的なエネルギーとしての勇猛
な馬を肯定し同時に御者たる事だったのだと私は思うのです。

彼がバイクに乗っているとき、彼をバイクに乗せ御者としてのあり方をシュミ
レーションする働きがあった。つまり最近言われているバーチャルリアリティ
ーが内側から起きているというポジティブシンキングは無理があるでしょうか。

M君の内部から「この状況を生活的に活用していいよ」とシュミレーションさ
れている、の解釈です。

ヨガという言葉の由来は古い文献によると元は「結ぶ」だそうで、

何を結ぶのかというと、馬車を車体、馬、御者の三つに分けて、御者がちゃん
と手綱を持って馬と車体をコントロールできている状態に「 結ぶ 」と表現し
たとのことです。

その意味では、ヨガは○○のポーズは△△に効くとか言う話ではなさそうです。
ましてや人の心をコントロールしたり盲信させる類いのことではないのだそう
です。

M君はその後、大好きな特殊な自動車の修理の仕事につきました。そういった
自立へのプロセスが背後にあったことも見逃せないと思います。そういう時っ
て、野性性を萎えさせ、足を引っ張る方の現象も現れやすいですから。

今、私はやはりどんなケースでも大きい視野で臨床に当たっていなければなら
ない。このことを強く感じています。指導側としての私もついつい、クライアントの辛さと不安の渦に巻き込まれてしまいがちです。

今、M君の臨床を思い起こすと、個人のプロセスを全体的に眺めることの重要
性を私は教わっていたように思います。

喘息であれなんであれ、辛い症状を目の当たりにしますと、なかなか冷静でい
ることは難しいものです。こんなことがありました。

小学生の兄弟の兄の方が患っているうちに今度は次男が喘息になり始めました。と電話してきたお母さんがありました。

状況をいろいろ聞いた上で、彼の額の毛の生え際を2、3回だけトントーンと
コブシで叩いてみてくれないかと言って電話を切りましたら、その人が直ぐか
けなおしてきて、

「と、止まりましたぁ!一体何なんですコレは!?」とわめいていました。

これは乱用してはいけない方法ですし、家族構造と感情の動きのプロセスをみ
ていないと使えません。先日は心理的に錯乱して眼が寄り目になってまともに
見れなくなっていた人の頭を叩きましたら元に戻りました。

喘息を起こしたその子は心理的錯乱を起こしていたのではないのですが、同じ
方法で止まるかどうかを見定めるのは実に難しいです。M君を見ていた頃の私
だっだら直ぐその子を連れてきてもらったと思います。

個人のプロセスもなるべく全体的に見ることが大切だと思います。しかし、こ
のM君の臨床もまだまだ整体を始めた初期のことで、やることなすこと必死で、
だからこそ、あれっ?なんであれで発作が止まったのかな?って感じでした。

あと、M君のケースで学べることに次のこともあると思われます。

彼もそうですが、特に男性の場合その人の持つ野性味を抑圧しすぎてはいけな
いと、このことは言えます。本人としてはいい子になってはいけない、回りか
らすればいい子にさせてはいけない、この言い方も成り立つと思います。

野性的な感情を飼い慣らす話は、その次の問題となるとおもいます。



■ 体に負担をかけないで汗を誘導する風呂の入り方

  // アトピー 呼吸器の弱い人 冷え性 慢性病 //
     ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄

1.まずややぬる目の湯に浸かります。体が湯に馴染んだら湯から出ます。
2.いつも入っている温度にまで熱くします。体が湯に馴染んだら湯から出ま
  す。
3.更に湯の温度を1度半から2度くらい上げて浸かります。
  チーンと体が締まり、サッと湯を混ぜてもう一度体が引き締まってきたら
  そこで湯から上がります。

これでしばらく汗が出てくれれば成功。

・熱いのに無理していつまでも入るのは疲れる元。
・湯に浸かったままジワジワ温度を上げていくのは体が弛んで冷える元。
・気持ちよいからと、3回目に浸かった時にダラーと入ると疲れとダルさが残
 る。ホップ・ステップ・ジャンプの呼吸で。
・咽が渇けば水を飲んでよし。
・2回目のところで汗ダラダラになっては疲れる。3回目に上がる手前で少し
 汗をかいてくる程度が良い。

この方法と整体の体操、蒸しタオルを合わせ行なっていたアトピーの男性30歳
くらいの人がいました。
「フツウの人ほど皮膚が綺麗になったわけではないけど、アトピーという実感
がないほどになっちゃった」と言っていました。



次回・‥…→☆【 喘息と自律神経・背骨 】

                ■ 求め方としては医学と同じ
                ■ 背骨の面白い作用
                ■ 体は隅々までつながっているなま物
.
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■ 体に負担をかけないで汗を誘導する風呂の入り方
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\喘息 のち 晴れ!/