8.分散投資その1
○投資先を分散というけれど…
分散投資という考え方は、投資の世界では既に広く知られています。
では、分散とはどの程度投資先を分ければ良いのでしょうか?
例えば個人投資家のブログなどを読んでいると
「分散投資のため、今まで1社分だけ買っていた株を5社分に分けました。」
などという記述が時に見受けられます。
が、これは正直にいえば、分散したうちには全く入りません。
分散とは、個別の銘柄ウンヌンではなく、もっと広い意味で投資先を分けろ、ということです。
「A社 30%、B社 20% C社 15%、D社 10%、E社 20%、F社 5%」ではなく
「株式 20%、債券 15%、外貨 20%、不動産 25%、商品 10%、デリバティブ 10%」
という、より大きなレベルでの分散をさします。(もちろん細かい分散にも意味はありますが…)
より大きなレベルでの投資資産の配分をアセットアロケーションといったりします。
(細かいレベルでの投資配分がポートフォリオ)
○分散は効果的…のハズなんだけど…
様々な資産に投資しておけば、一つが値下がりしても他でカバーできるので大丈夫、というのが
分散投資の意義です。
が、これが中々思うようにはいきません。
例えば、前述した通り株式と商品は相反する動きをするものとされてきました。
ところが、最近では一概にそうとも言い切れない事情があります。
これも前述の通り現代の経済は「投資が投資を呼ぶ」金融経済主体のものです。
一つの投資資産の高騰が、他の資産の高騰を招くという異なる資産同士のリンクが見てとれます。
ということは、結局分散投資しても、動きが同調してしまうのでは意味がないのでは?という
結論に達せざるを得ない、ということになります。
本当に効果のある分散投資とは、それほどに難しいものなのです。
ちなみに、真の分散投資の鍵はデリバティブ取引が握っています。
デリバティブでは、どのような取引も組成可能です。
この世にありえない商品を生み出し、取引をすることが出来ます。
おそらくこれからの投資では現物資産よりもデリバティブの比重が高まるはずです。