2.実体経済と金融経済
○実体経済
実体経済とは、実在する活動を根拠とする経済のことをいいます。
工場の稼働率→工員の方々の賃金の上昇→購買意欲が高まる→様々な商品が売れる→
企業業績が更に伸びる
このような流れが予想されます。
この結果、投資活動という点に着目すれば、例えば株価の上昇が起こります。
○金融経済
実体経済に対して、お金がお金を生み出す経済を金融経済といいます。
例えば、上記の流れから、株価の上昇が起きたとしましょう。
1,000円投資→株価が500円上昇→500円を追加投資→株価が750円上昇→
更に750円を追加投資→株価が1,125円上昇→…
最初の1,000円から生まれた利潤を追加投資することにより、投資が投資を呼び込み、
得られる利潤がどんどん高まっていきます。
ここでのポイントは、きっかけである実体経済の上昇による株価上昇は
最初の500円分ということです。
非常に単純化してありますが、お金がお金を生み出すというニュアンスは
お分かり頂けましたでしょうか?
○経済の主役はどちら?
経済活動の中でのお金の流れ、キャッシュフローの量は、
実体経済と金融経済ではどちらが多いのでしょうか?
答えは、圧倒的に金融経済です。
つまり、極論をしてしまえば、現在の世界経済を動かしているのは、
企業や個人、政府ではなく、お金そのものということになります。
ただし、きっかけはあくまで実体経済ですので、その点には留意が必要です。