5.為替


      為替の仕組み

        為替の基本的な用語を復習しておきます。
        
例示:1$=100円 から 120円に相場が変わった場合には、円安ドル高といいます。
        逆に
100円が80円になれば、円高ドル安といいます。

      
○ドルが欲しい人、円が欲しい人

        ある日本企業Aが、アメリカに商品を輸出した場合、その
代金はドルで支払われます。
        日本国内で使用する場合、当然ドルのままでは使えませんので、
        
日本円に換える必要があります。
        そこで
「ドルで円を買う」という行為が発生します。
        円を買う人が多ければ、円の価値が上がることになり、結果として
円高ドル安に進行します。
        日本には輸出企業が多いので、本当は
円安ドル高に進行した方が利益が増えることになります。
        (
1ドルの製品が100円になるよりも、120円になる方が有利なのは、
        感覚として理解して頂けるかと思います。)
        が、企業が活発に活動を続けるほど、

        ドルが円に換えられることにより円高ドル安が進行してしまいます。


        またある日本企業Bは、アメリカに工場を建てて、現地で生産活動を行おうと計画しています。
        Bがアメリカで工場を建てるには、当然
ドルでその代金を支払わなければなりません。
        そこでBは
「円でドルを買う」という行動をします。
        円を売る人が多ければ、円の価値が下がることになり、結果として
円安ドル高が進行します。

        企業や投資家は
「景気の良くなりそうな国に投資をしたい」と考えています。
        その国で投資をするには、
その国の通貨を買わなければなりません。
        また、
景気が良くなりそうな国の株価は必然的に上昇します。
        さて、日本の株価はここ数年でかなりの上昇をし、更に製品の輸出が活発に行われています。
        ということは、為替は
円高ドル安の方向に進むことになる…
        はずなのですが、現実には逆です。

        前述した通り、現在の世界経済は実体ではなく金融に基づいて
        動いていることを思い出してみましょう。

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