4.金利
○金利の役割
日本の金利は、物価と景気を安定させるために、日銀が決めています。
(説明を簡略化するため、物価と景気は連動するものとしています。)
○それぞれの立場
預金者の立場からすると、金利上昇で受取利息が増加し恩恵を受けることとなります。
つまり景気にとってはプラスの効果が期待されます。
借入をしている人の立場からすると、金利上昇で支払利息が増加し、
企業を中心とした設備投資の縮小を招きます。
よって景気にとってはマイナスの効果が想定されます。
○プラスとマイナス、どちらが強い?
結論を先に述べると、金利の上昇はマイナスの効果の方が大きいとされています。
企業の借入は規模が大きいため、わずかな金利の上昇でも数億円単位で支払利息が増加します。
住宅ローンを抱えている家計にとっても、金利負担が増大します。
よって、金利を上げることを金融引き締め、下げることを金融緩和と呼びます。
例として株価をあげますが、金利が上昇すると大概の企業の株価は下落し、
銀行の株価が上昇します。
銀行にとっては、貸付利息の増加は預金者に支払う利息の増加分よりも大きいのです。
○緩和したくても・・・
現在の超低金利の状態では、金融緩和政策をとり景気を刺激しようにも、
下げられる余地があまりありません。
2007年2月、日銀は政策金利の引き上げを決定しましたが、その一つの理由としては、
景気が再び下落傾向に陥ったときのための金融緩和政策のためののりしろを
作りたかったのではないか、という説があります。