2005.02.21 ツイステッド ★★
- アシュレイ・ジャドの端整なマスク(やや人間離れしていますが)を正面に据えたパッケージが印象的です。サミュル・L・ジャクソンとアンディ・ガルシアの御大が脇を固めており、これは期待できそう、と思ったものでした。
- しかも監督は、「存在の耐えられない軽さ」や「ライトスタッフ」などのフィリップ・カウフマンなのです。
- 小さい頃、父親が母親を殺して自殺するというトラウマを背負った女性捜査官(アシュレイ・ジャド)が担当した連続殺人事件の被害者は、全て彼女が関係を持った男ばかり!!というサスペンスですが、明らかに状況設定に無理が有り過ぎ。優秀な女性捜査官が夜毎バーで男を漁る、毎晩ワインのボトルを空けて正体不明になる、など。これでは主人公に感情移入が全く出来ません。
- 果たして犯人は主人公なのか、それとも他の誰かなのか、というよくありそうな謎解きが基本なのですが、何せ登場人物が限られているので、対象が絞られます。で、やっぱりな、という感じ。結構無理しています。犯人の動機が全く持って不明。そこまでして、どうする?これぞまさに「火サス」的ドラマ。
- フィリップ・カウフマンって、こういう映画しか撮れなくなったのでしょうか?
- アシュレイ・ジャド、ややくたびれてきた感じがしていて、痛ましい。それにも増してアンディ・ガルシアの情け無さったら、ありません。良いところが一つもないこんな役をよく引き受けましたね。
- タイトルは「捩れた」という意味なのでしょうが、確かに監督の意図が観客に「捩れて」伝わっているようです・・・。(^_^;)
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2005.02.13 アイ,
ロボット ★★★☆
- アイザック・アシモフが提唱したロボット3原則をモチーフにしたSFアクション話題作。ロボット3原則は確か、鉄腕アトムでも取り上げられていました。
- 2035年のシカゴが舞台。人間に危害を加えるはずの無いロボットに殺人の疑いがかかり、主人公の刑事(ウィル・スミス)がそれを探っていくうちに、裏に隠された陰謀を知ることになる、というようなストーリーです。
- 主人公の持つトラウマなどの背景から話を展開させて行くなど、構成としては良く出来ていると思いますが、終盤哲学めいてくるのが、何ともはや・・・。「A.I」と同様、高尚なテーマを持ちださないと、ロボット映画は単純に成り過ぎとでも思っているのでしょうか。
- 半透明の顏や体を持ち、人間同様なリアルな表情を持つロボットの造形がユニークです。動作も滑らかで、良く出来たCGだとは思います。何でもLOTRのゴラム同様、人間の動作をスキャンして取り込んでいるとのこと。ただし、ワラワラとロボットが大群になるシーンや、トンネル内のカーチェイスのシーンなどはかなりCG臭く、今一つという感じです。
- ウィル・スミスのマッチョぶりには驚きました。しかし、この人はどうもチンピラ臭さが抜けません。良く頑張っているとは思いますが・・・。「リクルート」で注目したブリジット・モイナハンも、ここでは余り輝いていません。終始眠そう・・・。
- 多分、後30年経っても、あのような高性能なロボットは出現しないのは、明らか。「2001年宇宙の旅」が犯した罪(2001年にあんな宇宙の旅が実現できておらず、ガッカリ)を、また30年後に繰り返すことになるのだなぁ・・・。って、考え過ぎかな。
- ところで、ロボット3原則は、次のとおり。
- 第一条:ロボットは人間に危害を加えてはならない。また何も手を下さずに人間が危害を受けるのを黙視していてはならない。
- 第二条:ロボットは人間の命令に従わなくてはならない。ただし第一条に反する命令はこの限りではない。
- 第三条:ロボットは自らの存在を護(まも)らなくてはならない。ただし、それは第一条、第二条に違反しない場合に限る。
- 「ロボット」を「部下」に、「人間」を「上司」などに置き換えると「サラリーマン3原則」になります。(^o^)
(DVD)
2005.02.07 二重誘拐 ★★★
- ロバート・レッドフォードとウィレム・デフォーのクレジットが無ければ、到底レンタル・ショップでパッケージに手が出るようなタイトルではありません。ウィレム・デフォーは「プラトーン」以来、私の好きな男優の一人となり、彼がどのような悪役を演ずるのか、興味津々。
冒頭、ウィレムが髭を剃り髪を整えて出かけるシーンから、これから展開されるであろうトリッキーな誘拐劇に期待が高まります。「二重に誘拐する」というのは、どのようなことになるのかと・・・。と、いうような観客の期待を最後までミスリードして、このお話は終わってしまうのでした。(-.-)
- 犯人からの連絡を待つ妻(ヘレン・ミレン)の側と、黒幕が待っているという山小屋に向かうロバートとウィレムの側との時系列が良く判らず、混乱をしてしまいました。最後でそれらの事実が知らされるのですが、何とも後味の悪い結末です。何でも実際にオランダで起きた事件を元に制作されたのだそうな。
- 夫婦の美しい絆が描かれていると言えば聞こえは良いのですが、あれであの妻は得心するものなのか、どうか。とっくに別れたと思っていた夫の愛人が、その後も夫と逢い続けていた、などという事実も判ったりして・・・。
- それにしても、この邦題の「二重」という意味がわかりません。まさか内容に照らし合わせて、観客をミスリードするために付けたのではないでしょうね。(-.-)
- 妻役のヘレン・ミレンは最初は単なるお婆さんだと思っていた(m(_ _)m)ら、中盤以降中々良い味を出していました。しかし「コックと泥棒、その妻と愛人」のヒロイン役だとは、気が付きようもありませんでしたが。
- ロバートは相変わらず万年青年風ではありますが、やはりアップや雨に濡れたりするといけません。「マジソン郡の橋」のクリント・イーストウッドといい、このような年寄りを雨に打たせるのは禁止的です。(^_^;)
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2005.02.06 真珠の耳飾りの少女 ★★★☆
- 少女が青い頭巾を被って、何か言いたそうなつぶらな目と少し開けた口が印象的な絵画。オランダの画家、フェルメールの描いた有名な(私はこれしか知りません)「青いターバンの女」、別名「真珠の耳飾りの少女」がそれです。
- 本作はこの絵が出来るまでをモチーフにしたもの。2004年度のアカデミー賞で、撮影賞・美術賞・衣裳デザイン賞の三部門にノミネートされた作品です。
導入部である、その絵のモデルとなる主人公(スカーレット・ヨハンソン)が野菜を切って皿に並べるシーンから、既に絵画的。以後、どのシーンを切り取ってもしっとりした絵画そのものという感じでこのお話は展開されます。実際のモデルはフェルメールの娘というのが正解で、ここでのお話は作り物とのことですが、ここで描かれるフェルメールと彼に淡い恋心を持つ少女との関係は、そういうお話が実際にあったとしもおかしくないという説得力が十分。多分、少女役のスカーレット・ヨハンソンの雰囲気や容姿が、余りにも絵画の少女の雰囲気にマッチしているからだと思います。やや、絵の少女に比べて眼が小さいかな。
傲慢で嫉妬深いフェルメールの妻や、フェルメールの絵を売ってお金を得ることしか眼中に無い義母(小林幸子に見えてしようがなかった)など、ステレオタイプの嫌われ役に対して、肝心のフェルメール(コリン・ファース)の存在感が無さ過ぎ。子供は多く産ませるのに、妻にも義母にも全く頭の上がらない根性無しに描かれているのです。少女に対してギリギリのところで自制できるのが、唯一の救いか・・・(やはり、根性無しとも言えますが)。
昨日、BSテレビで放映していたゴールデングローブ賞の授与式で見たスカーレット・ヨハンソンはとても輝いていました。背が少し低いのが難ですが、良い女優になるのではないかと思います。
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2005.01.31 オペラ座の怪人 ★★★★★
- この正月にニューヨークに滞在した際、ブロードウェイ・ミュージカルで運良くチケットが取れたのが「オペラ座の怪人」。ネットでそのあらすじを予習していったことが奏功して、ストーリーも大方理解できましたし、何よりダイナミックな舞台装置やサラ・ブライトマンで聴き慣れた音楽などで、たいそう感動したものでした。
- おりしも舞台版の作者であるアンドリュー・ロイド・ウェーバー自身が制作・監修した映画が封切られることを知り、待ち構えての観賞なのでした。
- 冒頭の荘厳なテーマ曲をバックにシャンデリア(スワロフスキー製、1億5千万円!)が上昇するに連れて、朽ちていたオペラ座が甦るシーンには、思わず鳥肌が立ってしまいました。これは期待できそう!!(^o^)
- やはり映画を見ることで、セリフが日本語字幕の逐語訳であること(当たり前だ!)や細部の描写で、一段とその構成やストーリーの理解が深まりました。特に、怪人の生い立ちやオペラ座に住み着くようになったいきさつ、及びラウルのその後などのエピソードは、舞台では無かったもの。上述の冒頭のVFXも見ものですし、舞台でも感動した怪人の住み家へボートで行き着くシーンなども、更に深みや奥行き感が出て、これらはやはり映画ならではのもの。
- ラスト近く怪人が二人を解放した後、慟哭するシーンで、再び鳥肌が・・・。ただ、舞台観賞の際も思ったのですが、それまであれだけ固執していたのに、何で簡単に諦めてしまうのでしょう?まあ、そうしないと物語が完結しませんが・・・。(^_^;)
- 怪人役のジェラルド・バトラー、クリスティーヌ役のエミー・ロッサム及びラウル役のパトリック・ウィルソンは、いずれも吹き替え無しの彼ら自身の歌によるものということも、驚きです。ただ、ジェラルドの歌唱力が弱かったのが惜しまれます。低音域での声が伸びないのだ・・・(あのうるさそうなアンドリューが、よくOK出したな)。
- エミーは撮影当時は16歳だったいうことが信じられない位、堂々としたもの(お胸も)。「ミスティック・リバー」や「デイ・アフター・トゥモロー」に出ていたということですが、とんと記憶にございませぬ。
- アンドリューは舞台の初演時の86年に、当時の妻だったサラ・ブライトマンを出演させて映画化する予定だったとのこと。あえなく離婚で挫折し、20年近く経ってから今回ようやくそれが実現したのでした。アンドリュー、これでもまだ無念なのではないかな?ああ、私もサラ・ブライトマンが演ずるクリスティーヌを見たかった、聴きたかった・・・。(;_;)
- (劇場)
2005.01.24 キング・アーサー ★★★☆
- 評判は必ずしもよろしくないようですが、一応話題作ということで要チェックです。円卓の騎士やエクスカリバーで有名なアーサー王が登場するのですが、一般的な伝説に因るものではなく、伝説の元となった実在の人物を描こうとしたとのこと。ただし、アーサー王が実在していたかどうかも、定かではないのだそうな(ややこしい)。
- 制作はヒット・メイカーのジェリー・ブラッカイマー、監督は「トレーニング・デイ」などのアントワン・フークワです。
- 感じとしては「グラディエーター」や「ブレイブ・ハート」といった雰囲気です。余りメジャーな俳優が出演していないので、しばらくするまでどれがアーサーなのか判らない始末。おまけに冒頭に出てくる少年が長じてアーサーなのか、などと混乱したり(この少年は、円卓の騎士の一人のランスロット)。しかし、前半は要領を得た解説やテンポの良い描写で、グイグイ引きつけてくれます。特に氷上での戦闘シーンは、かなりの見もの。湖底から氷面の足底を写すショットは斬新だと思います。
- それ以後の後半に入ってから、急にブレーキがかかったような冗長な描写になるのは何故でしょう?丁寧に戦闘シーンを描こうとしているのでしょうが、上述の類似映画の戦闘シーンがオーバーラップして、どうも退屈。ブラッカイマー得意のスローモーションがここでも多用されます。まあ、雰囲気が出ることは間違いないですが・・・。
- 冒頭の少年時代のランスロットのエピソードがあるにも関わらず、その後殆ど活かされてないのが変。ラストの火葬では、火が上だからあれでは焼けません。
- この手の映画を見終えた後にいつも思うのは、もっと歴史を勉強しておかなくては、ということ。何回、そう思ったことか・・・。(-.-)
- ポスターやビデオパッケージでは、キーラ・ナイトレイが真ん中であたかも主人公のよう。アーサー役やランスロット役が余りメジャーではないので致し方ないのでしょう。でも、アーサー役のクライヴ・オーウェン、見るに連れて中々良くなりましたぞい。殆ど役所広司でしたが。(^o^)
- 「パイレーツ・オブ・カリビアン」で評判となったキーラは、鋭い目付きでここでも存在感を示します。ただ、やはりお胸が・・・。(^_^;)
- (DVD)
2005.01.23 北の零年 ★
- 久方振りの邦画鑑賞です。邦画は見ない主義だなどと言いながら、招待券を貰ったりすると、ドレドレなどと劇場に出かけてしまう自分が情けない・・・。(^_^;)
吉永小百合と渡辺謙の共演という豪華大作映画、という触れ込みですが、どうでしょう? 明治維新時に争いを起こして、北海道へ移住を命じられた武家(淡路・稲田家)の苦難を描いたもの。
- 館内はお年寄の夫婦が圧倒的に多く、小百合ファンがこんな年代になったのだなぁ、などと感慨も新た。3時間弱の長尺ということで、覚悟して鑑賞です。
- う〜ん、まずは小百合がこの役をやるには残念がら老け過ぎ、というのが第一印象。渡辺謙の妻役はちょっと辛い。母親役がいいとこ。で、以下、別に邦画を目の敵にしている訳ではありませんが、正直な感想を列挙。
・開拓民の苦労が殆ど伝わってこない。みんな、キレイ過ぎ。
・北海道の大地や自然の雄大さが全く感じられない。舞台劇を見ているみたい。
・セリフが稚拙で恥ずかしい。思わず下を向きたくなるシーンが10回はあった。何故か小学時代の学芸会を思い出したり。
・不可解な行動を取る人間が多過ぎ。みんなあの変わりようは何なんだ? 特に渡辺謙にはがっかり。
・場面のつなぎがチグハグ。フィルム編集が悪過ぎ。
・あんな吹雪の中であの装備で眠ったら、明らかに死にます。
・石田ゆり子のあの脱ぎっぷりの悪さは、許せない。
・あんな風に火だるまになった人間は、頭に包帯を巻くだけでは絶対済まない。確実に死にます。
・渡辺謙のエピソードは、明らかに「ひまわり」のパクリ。
・手を撃たれた小百合は、鍬をふるってはいけない。痛いだろう!
・馬は戻っても、すぐ引き取られると思う。
ということで、無料に相応しい内容の映画でした。この製作費に15億円かけたって?(-.-)
- (劇場)
2005.01.17 スイミング・プール ★★★★
- フランソワ・オゾン監督が「まぼろし」に続いてシャーロット・ランプリングを、「8人の女たち」からリュディヴィーヌ・サニエをそれぞれ起用したミステリー作品。カンヌ映画祭で評判となった他に、ヨーロッパ映画最優秀女優賞(シャーロット)を獲得しています。
ミステリー作家の主人公(シャーロット)は出版社の社長が所有している南仏の別荘に執筆のため、出向きます。そこに突然社長の娘(リュディヴィーヌ)がやってきて、夜毎異なる男を連れ込むのでした・・・。タイトルは、その別荘に大きなプールがあって、本ストーリー上、重要な位置を占めることから来ているようです。
オープニング・タイトルの音楽からして素晴らしい。不安を煽るようなミステリアスなムード溢れるテーマ曲で、これがその後に所々に挿入されて、とても効果的。好きです、こういう感じ。
- 加えてとても映像がクリアで綺麗です。南仏の澄みきった美しい風景もさることながら、キーとなるプールの青さをバックに、リュディヴィーヌ嬢が映えること、映えること。
- 前半は、何が起きるのだろう、というような期待をじらすかの如く、ユックリユックリ時間が過ぎます。後半に大きな展開があって、最後のオチで頭の周りに「?マーク」が10個程度飛び交います。おお、そういうことだったのか?いや、どうなんだ?あれ、何なんだ?、という感じです。しばらくしてから、頭を整理。で、私の解釈は、次のとおり。ネタバレになりますので、未見のお方は反転させないで下さい。
- ここから反転。「主人公が、別荘に行ってからの出来事は全て主人公の創作で、すなわちラストで出版されていた小説の中身そのもの。したがって、殺人事件も起きていないし、リュディヴィーヌ演ずる娘もあの場には存在していなかった。」ここまで。
- それにしてもリュディヴィーヌの奔放な脱ぎっぷりも大したものですが、何よりもシャーロットのヌードの美しさに関心しました。彼女は何と59歳なのですぞ。(^o^)(^_^;)(-.-)
(DVD)
2005.01.16 スターシップ・トゥルーパーズ2 ★★
- 第一作目は劇場鑑賞をしたこともあって、かなり楽しめたという記憶が残っています。前作のポール・バーホーベン監督から替わって、前作では特撮監督だったフィル・ティペットがメガホンを取っています。この人は、スターウォーズやジュラシック・パークなどの特撮などで有名な人ですね。ということで、ある程度期待しての観賞でした。
- 多分予算がなかったのでしょう、とてもこじんまりとしたB級(C級?)SFホラー映画になっていました。メジャーな役者は誰もいないし、スタジオ・セットそのものといった室内劇風であるし、エイリアンに寄生されるアイディアは、殆ど「遊星からの物体X」や「ヒドゥイン」のパクりですし・・・。その代わりスプラッター的な残酷描写は過激さを増していて、流石の私(?)も「もう、けっこう」という感じです。今どきこんな古風な描き方は流行らないでしょうに。
- 前作と同様、女性陣が多く出演し、活躍をします。もちろん、セクシーな描写も(全裸になる必然性は無いと思うのですが・・・)。
余り目立たない俳優陣の中で、唯一リチャード・バージが良い雰囲気を出していました。少しショーン・コネリー、入っています。若くは無いのに、今までどうしていたのでしょう?
- 本作も冒頭と最後に、政府から若者へ戦争への参加を促すテレビ広告が流れます。今の時期にそれらを見ると、アメリカさんよ、本当に大丈夫か?と思わずにはいられません。例えそれが風刺だとしても・・・。
- (DVD)
2005.01.11 スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー ★★★☆
- これは帰りの機内映画。最初は、液晶ディスプレイの調子が悪いのかな、などと思ったほどのモノクロ調(セピア色?)のボケた(ソフト・フォーカス?)映像です。まあ、懐古主義というか、レトロな感覚がお好きな方にはたまらないのでしょう。でも、小さな液晶画面で見るのには、最悪だなぁ。
- 1939年のニューヨークが舞台の始まり。著名な科学者が失踪する事件を追う女性新聞記者(グウィネス・パルトロウ)と彼女を手助けして世界狭しと飛び回るパイロット(ジュード・ロウ)の冒険物語、というところでしょうか。何と人物以外は全てCGとのこと。俳優陣は全ての演技をブルー・スクリーンの前で行い続けたというのですから、ご苦労様、としか言い様がありません。
- 冒頭のニューヨークの上空に押し寄せる大型ロボットなどは、やけにチープな造形で脱力。かと思うと手足がタコのそれのようなマシーンは、いやにリアルな動きをするといった、アンバランスなところも魅力のうちなのかも。荒唐無稽であるとか、御都合主義を云々という映画ではありませんが、それにしても水陸両用飛行機が、飛行速度で海中に飛び込んだり、飛び出したりするのは明らかにやり過ぎ。
- 空に浮かぶ要塞の女艦長として、何とアンジー姉(アンジェリーナ・ジョリー)が黒い眼帯をかけた古風なイデタチで登場。いったい誰の趣味なんでしょうね。余計に唇が目立つでないの。狂気の天才博士役は、故ローレンス・オリビエ。すなわち、かつての映像を編集して使っているわけです。
- ストーリーは良く出来ていると思いますし、終盤のヒネリも中々だと思います。古風なギャグも楽しいかぎりです。調子の悪い光線銃を振ったら、また直ってしまうとか。でも一番のポイントは、グウィネスのトボケっぷりでしょう。結構、笑えます。カメラ・ネタは最後の最後まで。このような終わり方も最近の映画には無いように思います。
- それにしても本作品は、大スクリーンで見るべき映画でした。
- (機内映画)
2005.01.10 コラテラル ★★
- 久方振りの機内映画です。新作ではなかったのが残念でしたが、幸い本作は未見なのでした。予告編で得ていた知識は、トム・クルーズが悪役を演じているということ程度。髪の毛を銀髪にしてかなりイメチェンを図っています。タイトルは「巻き添え」というような意味だと思いますが、トム演ずる殺し屋の一晩の仕事に正に巻き込まれるイエロー・キャブの運転手(ジェイミー・フォックス)の行動を追って物語は展開されます。
余り集中できなかった(機長のアナウンス、食事サービスとかで)こともあり、ストーリー的には取り立ててどうということはなかったという印象です(てゆーか、余りよく記憶に残っていない・・・)。最初の女性タクシー客の伏線なども、いかにも取って付けたかのような感じですし・・・。
- 見どころは、鋭い眼光でクールに、スタイリッシュに非情な殺し屋として存在感を示すトムの演技でしょう。トムのファンは必見かな。しばらく既視感があったのですが、ハタと気がつきました。シュワちゃんの「ターミネータ」(「T2」でなく、一作目ね)でした。
- 一方、地味で真面目で不器用なタクシー・ドライバーを演じているジェイミーも中々良いと思います。トムに触発されて、次第に言動が変化していく当たりが見ものかな。メジャーな役者ではなかったと思いますが、これからは期待できるかも。
- ロスの夜景が奇麗です。かなり意識的に撮られていますね。何となく「ブレードランナー」での街を想起してしまいました。
- ニューヨーク在住の私の娘婿は、公開時映画途中でつまらなくて退場したのだと。まあ、それもむべなるかな・・・。それにしても、日本語吹き替えで見る洋画はやはりいただけません。まあ、その代わり時々機長の英語のアナウンスが入りますが・・・。(^o^)
- (機内映画)
2004.12.30 華氏911 ★★★☆
- 監督はマイケル・ムーア、主演は第43代アメリカ合衆国大統領、ジョージ・ブッシュの話題作。(^o^) ディズニーから出資契約を反古にされたり、配給禁止にされたりしても、第57回カンヌ国際映画祭で最高賞(パルムドール)を受賞してしまいました。
- 終始徹底したブッシュ攻撃が展開されます。曰く、ゴア氏との大統領選での票獲得はインチキ、9.11のテロ発生で側近から速報されても知らぬ顏(判断が付かず)、9.11のテロ発生直後の飛行禁止期間に密かに米国内のサウジ人を出国させていた、ブッシュ一族に何十年も前から巨額のサウジ・マネー(ビンラディン家からも)が注ぎ込まれていた、40%が休暇でゴルフ三昧、戦争で儲かるあらゆる企業に投資、などなど。
- 大方の評判は、100%を信じてはいけない、ムーアの偏見が盛り込まれている、というもの。その真贋を見抜く力が観客にどの程度あるかが問題ですね。
- まあ、ムーア監督の恣意の部分も大いにあるのでしょうが、見終えてはさすがに色々考えさせられます。特にイラク戦争の是非など。貧困層の若者がイラク戦争に沢山行っており、多くが命を落としているという事実や、戦死した息子を嘆く母親の言動を追うシーンなどでは本当に心が痛みます。
コミカルな場面もあります。例の突撃スタイルで、議員の息子をイラクに送る法案に賛同するように何人もの議員に詰めよるシーンはムーア監督の面目躍如といったところ。あそこまで強引ですと、ほとほと感服。
- ムーア監督はこの映画を持ってしても、ブッシュを大統領の座から引きずり下ろせませんでしたね。でも、「正しい戦争なんか有り得ない」というメッセージは私には強烈に伝わりました。
- (しかし、今年最後の観賞映画としては、ちょっと寂しい気も・・・。(-.-))
- (DVD)
2004.12.27 ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 ★★☆
- 前2作は劇場観賞したのですが、本作は何となく気が進まず、見ずじまい。ということで2枚組のDVDを購入してしまいました。ところがこれがいけません。レンタルと違って時間制限がありませんから、どうしても細切れで観てしまうのです。お陰でストーリーに集中できず、見事に展開が理解出来ませんでした。(^_^;) やはり原作を読まないとダメなのでしょうか、それとも私の頭が・・・。(-.-) 世の子供さん達は本当に楽しめているのかしら???
- 冒頭の意地悪家族に仕返しするシーンはお約束で安心、でもその後がいけません。悪役のはずがいつの間にかそうでなかったり、退治されたはずの狼男が元に戻って無罪放免になったり、訳の判らないネズミ男が出没したり・・・。ああ、頭が混乱。
- 今回もハリー(ダニエル・ラドクリフ)の両親の死にまつわる話が挿入されて、この暗いエピソードはところどころコミカルな映像とは極めて対称的。
- 期待のVFXももう驚きません。それどころか、フルCGの狼男の造形はアニメ的で、まあギリギリ許容範囲。頭が鷲、体が馬のクリーチャーは良く出来ていたと思いますが。
- 後半の「バック・トゥー・ザ・フューチャー」ライクのタイム・パラドックスはまあまあ面白かったと思います。先がまるきり読めてしまうのが、やや残念でしたが・・・。
- よく言われるように、主人公3人の成長ぶりには驚かされますね。特にハーマイオニー役のエマ・ワトソン。(^_^;) 第二のナタリー・ポートマンになりますか・・・。
- ゲイリー・オールドマンやアラン・リックマンなどの御大もいつになく輝いていなかったような・・・。
- ま、もう一回は見ることにします。(^_^;)
- (DVD)
2004.12.12 ロスト・イン・トランスレーション ★☆
- F・フォード・コッポラの娘であるソフィア・コッポラの「ヴァージン・スーサイズ」に次ぐ第二作目の監督作品。第76回アカデミー賞で脚本賞を受賞した話題作ではありますが・・・。
- 冒頭いきなりスカーレット・ヨハンソンのお尻でドギマギします。CM撮影のために来日した米国俳優(ビル・マーレイ)とカメラマンの夫と来日して、夫の仕事の関係で独りぼっちにされている新妻(スカーレット・ヨハンソン)の触れ合いを描いたもの。
- ソフィア・コッポラの日本に対する悪意に満ちた作品、と言ったら言い過ぎでしょうか?出てくる日本人は等しく、騒々しくて、眼鏡をかけていて、英語がわからなくて、醜くて、愚かさむき出し・・・。まあ、当たっていない訳ではありませんが、あの強調の仕方に好意は感じられません。従来のハリウッド映画に出てくるステレオタイプの日本や日本人から脱していない・・・。あんなホテトル嬢は、いないって(よく判らないけど)。今の東京にあんなアメリカ的なショーを見せる店ってあるのかな?(あったら、教えて)
- そん辟易するような環境で、ウンザリしている米国人二人が、触れ合い、心(体ではない)を交流させて癒していくという設定。しかし、あの状況で女性に何もしないという世の中年、老年男性は、手を挙げなさい。(^_^;)
- それにしても、200万ドルの出演料を貰って、妻にも愛されていて、何が不満?夫が不在だからといって、都心の高級ホテル、パークハイアット東京に泊まって(1週間の連泊で50万円也とのこと)贅沢して、何が不足?背景、登場人物共に感情移入が出来ないのは致命的。
- ビル・マーレイはさり気ない演技で好感が持てます。でも、あれはカツラだな。ゴルフのスイングはプロ並みだと思いますが・・・。スカーレット・ヨハンソンも良い味を出しているとは思います。唇が印象的。繰り返しますが、冒頭のシーンにはビックリさせられます。ソフィア監督の趣味かな?(^o^)
- ラストの抱擁でのビルの囁きは、「君と逢えて幸せだった。御主人を大切に。」などというのが常識的なのでしょうが、「アメリカでまた逢おう。」などというのが現実的だなあ。(^_^;)
- (DVD)
2004.12.06 ターミナル ★★★
- 某氏の好意で、久し振りに試写会に行くチャンスを得ました。スティーブン・スピルバーグが制作・監督し、トム・ハンクス、キャサリン・ゼタ=ジョーンズが共演するという豪華映画。12月18日から全国劇場公開されます。
タイトルは「空港」の意。JFK空港で入国直前に祖国がクーデターで消滅したことによりパスポートが無効となり、入国も出国もできなくなった東ヨーロッパのクラコウジア(もちろん架空の国です)人である主人公(トム)。何と彼は空港ターミナルで9ヶ月間も生活をする羽目になるのでした・・・、というありそうで、そうでもないストーリー。
前半は英語もよく判らない主人公が、自分の陥った境遇を理解するまで、また何とか空港生活に順応するまでを、全くのコメディ・タッチで描いていきます。うん、まあここは面白いのですが・・・。
- 途中で恋多きスッチー役のキャサリンが登場し、トムと淡いロマンスが生まれかけるのですが、どうも中途半端です。まあ、トムと結ばれなくとも、せめてキャサリンの悩みを彼が解決してやるとかといった何かが全くないのです。どういう関係を描きたかったのでしょうか?
空港で働く人種的マイノリティ達が色々絡んで、まさにターミナル自体がアメリカの縮図ということなのでしょう。ただ、彼らと主人公との関わり合いも深追いされず、これもどうも中途半端。隣国の旅行者は、親の薬のためにあんなに騒ぐか?
主人公はある目的を持ってニューヨークに来たのですが、それが最後に明かされます。余り大した事柄ではない(一般的には)ので、ここでかなりの観客が脱力してしまうのではないかと心配です。あれだけ引っ張っておいてそんなこと?という感じ・・・。ジャズ・テナーマンでアレンジャーとしても有名なベニー・ゴルソンが登場するので私としては大いに嬉しかったのですが・・・。演奏(「キラー・ジョー」)の前にサインをさせてあげれば、もっと盛り上がったのでは?ここでも演出が中途半端だと思いましたね。
空港ターミナルはすべてセットだとか。まあそうでしょうね、そうでなかったら超低予算映画になっていたことでしょう。
いずれにしても、スチール写真(?)のトムの泣き顔や「彼は空港(そこ)で待ち続けた、約束を守るために・・・」などというコピーに、超感動大作であろうなどとユメユメ期待してはいけません。
試写会終了後、帰路途中の居酒屋で某氏と飲んだビールの美味かったこと!試写会へのお誘い、またお待ちしています!(^o^)
- (試写会)
2004.11.29 タイムリミット ★★★
- 典型的なハリウッドのエンタメ映画です。タイトルも内容もいわば「火曜サスペンス劇場」風ですが、ヒネリもあるし脚本が結構練られていているので最後まで退屈しません。しかし、デンゼル・ワシントン級が出演していなければ、決して全国劇場公開など出来なかった映画だと思います。
- 監督は「ハイ・クライムズ」などのカール・フランクリンです。
- フロリダの小さな町で警察署長をしている主人公(デンゼル・ワシントン)が、不倫相手(サナ・レイサン)の殺人犯人として追い詰められていく、というお話。彼を結果的に追い詰めることになるのは、殺人課刑事で離婚調停中の彼の妻(エヴァ・メンデス)というややこしさ。
- 何と、あの優等生的なデンゼルが不倫をしたり(しかも勤務時間中に)、麻薬犯の押収金を拝借したりするのです。見どころは、自分に不利になる状況証拠を先回りしてすんでのところで隠滅してしまう幾つかの場面。彼の通話記録を送信してくるファックスの電源を抜いてしまうシーンなどは、殆どコメディです。観客としては、彼の自業自得の尻拭いに、「そらあんた、しょうがおまへん」と醒めた眼で見るしかありません。
- 終盤のヒネリには驚かされますが、そんな悪女であることを高校時代から付き合っていて見抜けない主人公も、間抜けです。
- ラストはいかにもハリウッド的ハッピー・エンド。いいのかね、あれだけのことをやっておいて何にもお咎め無し、などというのは。
- 主人公の友達で、窮地を救う検死官役のジョン・ビリングスリーがとても良い味を出していました。ちょっとやり過ぎでしたが・・・。
- 彼の妻役のエヴァはラテン系の超美形。モデル出身なのだそうな。「レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード」にも出ているとのことですので、やはりあれも見なければ・・・。(^_^;)
- (DVD)
2004.11.24 レディ・キラーズ ★★
- 1955年の「マダムと泥棒」のリメイク作品とのこと。舞台がロンドンからアメリカ南部に移されています。あのコーエン兄弟の監督作品なのだ。
「ロード・トゥ・パーディション」に続いてトム・ハンクスが悪役に挑んでいます。あのヒゲ、かなりわざとらしいぞ。
犯罪者5人がカジノの金庫を狙うため、地の利の良い一軒家の地下室を借りるのですが、その家の女主人にてこずってしまうという、ネタとしては面白そうで、かつよくありそうなお話。この設定なら容易に先が読めてしまいます。
全編コメディ仕立ですが、後半はコーエン兄弟らしいブラックさが漂います。しかし、テンポが良くない(特に前半の)し、どうもイマイチ。金庫に到達するまでをもっとドラマティックに仕上げてくれてもよかろうに・・・。余りにも簡単に現ナマをゲット出来過ぎ。
- ラストの落ちもかなり強引なり。教会ゴスペル音楽やいかにもアメリカ南部らしい雰囲気は楽しい限りなのですが・・・。女主人の旦那の肖像画の変化は、まるでデズニーランドのアトラクションみたい・・・。(^o^)
キーとなる女主人役は「ソウル・フード」でビッグ・ママを演じたイルマ・P・ホール。南部を舞台にしたのですから悪くはないと思うのですが、もう少し可愛いらしい(てゆーか、もう少し醜くない)人を選んで欲しかったですね。中々感情移入ができないのだ。入れ歯エピソードは、気持ち悪すぎ。
トム・ハンクスも独特のセリフ回しと発音で頑張ってはいるのですが、この作品との相性が良いとは思えません。
しかし、ゴミ船にあんなに連続して○○を落とすのは必ずバレると思うのですが・・・。(^o^)
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2004.11.22 恋愛適齢期 ★★☆
- 封切り時期には、随分好評とのことでした。私の周りにも良いからと勧める人が多く、それでは劇場に足を運ぼうかなどとも思った位なのでした。
- 主に脚本家として活躍しているナンシー・メイヤーズの監督作品。特典映像で見る限り、彼女は化粧のセンスは余り良くないようです(まるでゾンビだ)。
- 最大の欠点は、中盤以降のテンポがかったるいということ。この映画には128分という長さは不要でしょう。ヒロイン(ダイアン・キートン)の後半の泣きのシーンはウルサイだけでした。自分の実体験を劇にしてしまうというのも、酷すぎではありませんか?
- 本作品のテーマは恋愛(セックス)に年は関係ない、ということなのでしょうが、残念ながら「なるほどそうか」、と中々思わせてくれません。つまり描き方に新鮮味が無く、当たり前ことをなぞっているだけ、と言う感じなのです。
- 一方で品位を保つためか、ある一線を守る設定にしているので、すこぶる非現実的であったりもします。例えば男(ジャック・ニコルソン)と娘(アマンダ・ピート)があんな感じなのに肉体関係が無い、とか、医師(キアヌ・リーヴス)とヒロイン(ダイアン・キートン)の関係も6ヶ月も時間が経っている割には少しも進行していない、とか・・・。
- ジャック演ずる男の行動も、プレイボーイという設定の割には、グズグズしています。彼の心理描写がどうもハッキリしないのです。結局、年のいった女性に躊躇しているとしか見えないのですが(そりゃあ、若いほうがいいよねぇ)。
- 前半の比較的良いコメディのノリが、最後まで続かず、ラストも強引にまとめたという感じ・・・。
- ダイアンは顏がシワクチャ過ぎなのが見ていて辛い。体は結構綺麗なのに。1946年生まれとのことですから、撮影時は57歳か・・・。ジャックはとにかく肥えすぎ。フランシス・マクドーマンドのあれだけの起用は勿体無い。キアヌは無表情な演技に終始して、相変わらずダイコンだなぁ・・・。
- ダイアンが使っていたのは、Power Bookだ!!(^o^) 因みにジャックののは、何とVAIOなのでした。
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2004.11.21 21グラム ★★★★☆
- タイトルは、人間が死ぬと失う重さなのだそうな。アメリカで2,000人の患者の臨終前後で体重を計測したら、揃って21グラム差があったのだそうです。ホントかいな・・・。
- 「アモーレス・ペロス」が好評だったメキシコのイニャリトゥ監督のハリウッド・デビュー作品。2003年のヴェネチア国際映画祭やその他でも高い評価を得ています。
- ははあ、この映画もカット割りで時系列がバラバラです。それも「メメント」のように完全に逆転しているのではなく、あっちへ行ったり、こっちへ戻ったり・・・。
- したがって、序盤の30分位(もっとかな?)は何が何だか皆目判りません。ええと、ショーン・ペン演ずる男の妻は誰だったっけ?というような・・・。それを過ぎるとようやく人物配置と流れが判るようになります。
- 交通事故で家族を失う妻(ナオミ・ワッツ)、その加害者で前科者の男(ベニチオ・デル・トロ)、その交通事故で脳死した夫から心臓移植を受ける男(ショーン・ペン)の3人が、これでもかというほど痛めつけられ、苦悩しまくります。悲惨過ぎ、重過ぎ・・・。(-.-)
- ペンが出演していることもあり、「ミスティック・リバー」と雰囲気は似ていますが、あれほど後味は悪くはありません。
- それにしても、この3人の演技力は素晴らしいものがあります。特にベニチオは凄い。少し肥えたこともあって(関係ないか)、彼の存在感には圧倒されます。美形のようで必ずしもそうでもないナオミもノーメイクで頑張っていますし、ここでは脱ぎっぷりも大したものです。(^_^;)
- 幸福な生活から一瞬にして不幸のどん底(ずんどこ、ではありません)に陥る可能性を誰もが持っている、ということをヒシヒシと感じさせてくれます。皆さん、車の運転にはくれぐれも気をつけましょう!
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2004.11.15 ワイルド・レンジ 最後の銃撃 ★★★☆
- ケビン・コスナーの監督・主演ということで、また「ダンス・ウィズ・ウルブス」のような独りよがり的な作品でなければいいがなぁ、などと思っての観賞でした。(^_^;)
- 何のヒネリもなく、淡々とした感じの正統的勧善懲悪の西部劇です。ことさらアクションを強調するような演出は殆ど無く、それがまたかえってリアルな印象を与えています。まあ、板塀越しにショットガンで撃たれて吹っ飛ぶ、などというシーンが唯一の例外かな。
- 普通であれば序盤の争いや襲撃などはキチンと描写されてしかるべきと思うのですが、結果だけでの説明になっています。終盤の銃撃シーンを際立たせようとしたコスナー監督の演出だとしたら、正解かも・・・。ただその肝心のクライマックス・シーンもやけにテンポが遅々とした粛々とした感じで終始します。
- オーソドックスな西部劇ではありますが、何故か新鮮味を感じさせてくれるから、不思議です。長い映画を作るのが好きなコスナーだけあって、本作品も140分もの長さですが、そう弛れることはありません。
- コスナーは銃の名人という設定になっていますが、超絶的なガンさばきを見せるというようなことはなく、中々弾が当たらないというようなカッコ良くないショットもあったりするのです。これはこれで良いのでしょうね。
- ちゃんと自分とアネット・ベニングのラブ・ストーリーも盛り込んでいます。このベニングが中年の美しさを振りまいていて、中々好印象なのです。ボス役のロバート・デュバルも素晴らしく落ち着いた演技でコスナーを支えています。死ぬ前に甘いものが食べたい、と高価なチョコレートを買って美味しそうに食べるシーンが面白い。
- コスナー、髪が相当薄くなって来たぞ。主役をはれるのは後数本かな。(^o^)
- それにしてもセンス無い邦題ですが、原題(「Open Range」=「牛の放牧」)では、オーブン・レンジを連想するから仕方がないか・・・。(-.-)
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2004.11.10 イン・ザ・カット ★★
- あのメグ・ライアンが脱いだ、ということだけが大々的に話題となった映画。もともと二コール・キッドマンが主演する予定だったとのこと。う〜む、キッドマンで見たかったかも・・・。(^_^;)
- 「ピアノ・レッスン」のジェーン・カンピオンの監督作品ですが、この人は女性の性を陰湿に描くのが得意のようです。タイトル(「In
the cut 」)は、「割れ目、秘密の部分、安全な隠れ場所」という意味なんだそうな。う〜む。(-.-)
- ストーリーとしては謎解き風ですが、展開は結構お粗末で、ラストで犯人が明かされても、なんだかなぁ、と言う感じです。大体犯人の動機が全く持って不明・・・。
- ということで、物語にはすぐに見切りをつけて、ひたすらメグの一挙手一投足に注目。(^_^;) しかしここでのメグはスッピンで綺麗ではありませんね。まあ、役柄なのでしょうが、暗く沈んでいて憔悴しきっているという感じ・・・。しかもそれで欲求不満の42歳なのです。
- 当サイトのタイトル風に言うと、「自慰と騎乗位と垂れ乳と・・・」(^_^;)が売り物ということになるのでしょうが、あのロマコメの女王が果たしてこれでよいのでしょうか?見てはいけないものを見てしまったと言う罪悪感を感じてしまう始末です。う〜ん、損していると思いますが・・・。
- アクセントをつけるために出ている(多分)ケビン・ベーコンの方が気になります。ホントにこういう怪しくて危ない役柄が彼には似合いますね。
- 特典映像でインタビューしているメグの綺麗なこと!!(^o^)
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2004.11.08 ドーン・オブ・ザ・デッド ★★
- ロメロ監督の1978年の作品「ゾンビ」のリメイク作品。原題はいずれも「Dawn Of The Dead」です。私はこのオリジナル作品は(多分)未見ですが、以降のホラー映画に多大な影響を与えたことは間違いないと思います。近くは「バイオハザード」など。マイケル・ジャクソンのMTV「スリラー」などもそうでした。
- では、このリメイク作品はどうかというと・・・。ふむ、そこそこ恐がらせて(ビックリさせて)はくれますが、新鮮味は全くありません。違うのはゾンビがカタカタ、ヨロヨロ動くのではなく、人間と全く同じ敏捷さを持っているということ。でも、結局能無しで、頭を打ち抜かれればあっけなく死んでしまう(?)のです。
- 一番の見どころは予告編でもお馴染みの冒頭のゾンビ化した少女が襲うシーンでしょうね。ここはホントにゾッとします。その後は観客が状況を把握する前に、登場人物が事態の深刻さをいち早く察知し、何故かショッピング・モールを目指して進んで行きます。後は怒濤の如く、とにかく皆で動き回り、何故か遮二無二船に乗ろうと突進して行くのでした・・・。ようわからん。(^_^;)
- 一番の失敗は、メジャーな俳優を一人として起用していないことでしょう。ヒロイン(サラ・ポーリー)はイマイチ存在感に欠けます。しかも各人のキャラが十分描ききれていませんし・・・。黒人の警官や最初突っ張っていた警備員もヒトクセありそうで、何も無し・・・。
- エンド・ロールで挿入される映像は、結局彼らは生き延びれなかったことを象徴している?それとも二作目へのつなぎ?ま、どうでも良いです。(-.-)
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2004.11.07 白いカラス ★★★☆
- レンタル・ショップ店頭で「米国公開版」と「日本公開版」の二種類があったのですが、迷わず後者を選びました。106分と108分で、「日本公開版」の方が2分だけ長かったからです。(^_^;)
- 原題は「The Human Stain(人間の傷?)」ですが、邦題はサー・ホプキンス演ずる主人公を象徴しているようです(なかなか、うまい)。
- はっきり言って前半は私には退屈でした。かなりよい年のホプキンスが、二コール・キッドマン演ずる若い薄幸の女性と恋に落ちるのは、やはり不自然。しかもどなたかが言われていたように、ホプキンスが余りにもスケベ爺然に描かれていますし・・・(バイアグラを使って人生が変わった、などと曰っているのだ(^_^;))。
- しかし、後半のホプキンスの生い立ちが明らかになっていくあたりから、俄然引き込まれてしまいました。ラスト近くでホプキンスがキッドマンに自分の素性を明かすことをほのめかし、冒頭と終盤の車内のシーンで、キッドマンの全てを理解し受け入れた満足げな表情が、極めて印象的でした。
- 人種差別、老いらくの恋、義父からの性的虐待、夫の暴力、ベトナム戦争の傷というように現代アメリカの持つ問題のオンパレードですが、やはり本作品のテーマは基本的にはラブ・ストーリーだと思います。
- キッドマンのそれらしき女性の成りきり演技に改めて感服。繊細な感情表現が本当に巧いですね、この人は。ただ脱ぎっぷりは余りよろしくありません(「イン・ザ・カット」のメグを見習いなさい!)。
- 脇を固めるのは、キッドマンの元夫役のエド・ハリスとホプキンスの友人役で小説家役のゲイリー・シニーズ。演技は二人とも申し分なし。ゲイリーはいつまでも若いですね。まあ、エドが老けすぎと言った方がよいのかも知れませんが・・・。
- ホプキンスの青年時代を演ずるウェントワース・ミラーにも注目です。彼が母親に、こうやって孫を見せてやると言うシーンは、母親の辛さが痛いほど判りました。(T_T)
- そう言えば小さい頃、「黄色いカラス」という日本映画を見た記憶が甦りましたぞい。
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2004.10.11 キル・ビル vol.2 ★★★☆
- もともと一本の映画として撮るつもりだったのが、長くなったので2本に分けた、とは監督クエンティン・タランティーノの弁。第一作目はかなり好評だったようです。
この第二作目に関しては、ああも「第一作目とガラリと変わる」などと喧伝されると、いやでも身構えて見てしまいます。そのせいか、余り違和感なく、お馴染みの長セリフも復活して、むしろよりタランティーノらしい映画と私には感じられました。一作目のように変な日本人も出てこないので、安心して見られますし・・・。
相変わらずの復讐譚。一作目で2人を殺しているので、本作で3人を殺して復讐を果たすことになります。一人目はビル(デヴィッド・キャラダイン)の弟(マイケル・マドセン)ですが、まあこれは間接的ということになりますね。ここでの棺桶シーンが凄まじく恐ろしい。私のチープなサラウンド・システムでも相当恐怖感が高まりました。閉所恐怖症の方は要注意です。
二人目がビルの愛人である片目の女(ダリル・ハンナ)ですが、彼女の演技の高揚感は凄まじいものがあります。完全に主人公のユマ・サーマンを食っていました。二人の死闘は、本作のハイライト・シーンと言ってよいかも・・・。
で、三人目が主人公のかつての愛人だったビル。しかしどうも解せないのが、一作目、及び本作の冒頭でも再現されたビルによる主人公らの大虐殺・・・。ビルをあそこまで駆り立てたものは一体、何?これが判らないということは、この映画のテーマがわからないということですな・・・。(-.-)
中国拳法の達人パイ・メイの、いかにもわざとらしいメイクと仕草が、監督の確信犯的演出だとしても、あれはいただけません。大きな伏線となるあのユマの板への連打は、どうみても遅い(早回し、何故しない)。ユマもああまで汚されると元に戻らなくなるのではないか、などと心配になります。(^o^)
- 挿入歌で印象的だったのが、昔懐かしい「She's Not There」。ただし、私が愛聴したThe Zombiesではありませんでした。
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2004.10.04 ディボース・ショウ ★★★
- タイトルが「Divorce Show」、すなわち「離婚劇」を指しているといると知ったのは見終えてから・・・。原題は「INTOLERABLE
CRUELTY」(「耐えられない残酷」?)です。これは邦題が正解かも。
離婚専門の弁護士(ジョージ・クルーニー)と金持ち男を狙う女性(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)の攻防(?)を描いたコメディ映画と言ってよいでしょう。あの一種独特の雰囲気を持った作品(「ファーゴ」、「ビッグ・リボウスキ」など)が多いコーエン兄弟の監督です。
二転三転する展開は面白い。努めてコミカルに演技しようという気持ちが露なジョージと、努めてゴージャスな雰囲気を醸し出そうという気持ちがありありのキャサリン。二人のやり取りはそれなりに見物です。
- ただ、ジェフリー・ラッシュを用いた冒頭シーンが余り生きていなかったと思うのですが、いかがでしょう。また、「ぜーぜージョー」が絡むエピソードは無理が感じられました。殺しはないでしょう。ビリー・ボブ・ソーントン演ずる富豪や男爵のキャラが良かっただけに、そこだけ詰めが甘いと言われてもし方ありません。ま、ああいう狂気染みた演出がコーエン兄弟の持ち味と言われればそれまでですが・・・。
キャサリンのまるで着せ替え人形のようなファッションが見物(何でも色々なブランド品を着倒しているらしい)とのことですが、この人はパンタロン・スーツ(表現が間違っていないかな?)が一番似合うと私は思います(それがどうした)。(^_^;)
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2004.09.27 コールド・マウンテン ★★☆
- 第76回アカデミー賞で6部門にノミネートされ、レニー・ゼルウィガーが助演女優賞のオスカーに輝いた話題作。
- あの「イングリッシュ・ペイシャント」のアンソニー・ミンゲラ監督作品でした。同じように、ああいった辛さや悲しみを引きずって歩いていく、という感じの映画に本作も仕上がっています。いくつかのエピソードを繋いで行く構成を取っていて、各々は決して悪くはないと思うのですが、2時間半という長さもあって、私にはやや退屈でした。
- 南北戦争で、出征する前に少しの期間知りあった女性(ニコール・キッドマン)の処へ戻るために脱走兵となった男(ジュード・ロウ)と、その女性を巡るお話。なが〜い距離と時間を超えた二人が、ようやく逢う瞬間が見せ場であるはずなのに、やけにあっさりと描写されます。もっとメロドラマ風に盛り上げてくれれば良いのに・・・。
- 冒頭の戦争シーンも、つかみとしてはインパクトに欠けています。一番奇異に映ったのは、脱走兵を探して処刑しようとする悪者達。理屈も何もなく、無慈悲過ぎて、ストーリーの厚みを削いでしまっています。もう少し納得させて貰わないと・・・。
- それにしてもここでのジュードはかなりの美男に仕上がっています。未亡人役のナタリー・ポートマン(最初は彼女とは気が付かなかった)が、思わずベッドに誘いたくなるのも無理はありません。この汚れ役へのナタリーの起用は随分贅沢ですね。ボート漕ぎ以外のバイトもヤルよ、という美形の娘(俳優名は不明)も、要注目。
- レニー・ゼルウィガー、オスカー貰った割には、やけに演技が硬くありませんか?無理にそれらしくしているという感じがありあり。彼女に比べるとさすがに二コールは自然体演技で好感が持てます。ただ、必ずしも彼女でなくても良いような気がしますが・・・。
- しかし、どう聞いても「コールド・マウンテン」とは皆言っていませんね。「コー・マム」だ・・・。(^o^)
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2004.09.20 ヴァン・ヘルシング ★★★★
- 私が好きなコッポラ版「ドラキュラ」で、ドラキュラの退治役であるヴァン・ヘルシングを演じていたのが、サー・ホプキンス。で、この作品はそれをヒュー・ジャックマンが演ずるというのです。イメージががらりと変わると思いますが、大丈夫かな?
フランケンシュタイン(博士が作った人造人間)、ジキルとハイド氏、ドラキュラ、そして狼男という、世界的におなじみのモンスターが次々と現れます。あれ、これは「リーグ・オブ・レジェンド」のパクりか・・・?
しかしスティーヴン・ソマーズ監督は、彼の成功作である「ハムナプトラ」シリーズと同様に、VFX映像を駆使し、スピード感溢れる展開で、一大エンタメ作品を作り上げました。中盤以降、ややだれ気味にならないこともありませんが、何といっても次から次へと繰り出されるILMの作り出す仰天映像に圧倒されます。冒頭のフランケンシュタインのエピソードでモノクロを使い、それらしき雰囲気を出し、それ以降も黒を基調としたゴシック的色調がとても心地よく映ります。
私としてはやはり、天空を舞うドラキュラの3人の花嫁が気に入りました。出来れば生かしておいて欲しかった。(^_^;)
ヒロインはケイト・ベッキンセールですが、どうもこの人の所作はどこかぎこちないですね。走り方も、何か変・・・。
主人公のヒューは、終盤「X-MEN」のウルヴァリンよろしく、狼男に変身するのですが、彼が戦うドラキュラもコウモリの怪物に変身します。つまり、CGキャラ同士が戦うのですが、これが途端にマンガチックなってしまうのは仕方がないのでしょうか?それにしても、ドラキュラは最後が弱すぎ・・・。
結末のヒロインの扱い方が納得いきませんが、それ以外は普段の仕事の煩わしさを一時忘れさせてくれる、痛快大作に仕上がっているのは間違いないと思います。ふう〜(意味不明)。(-.-)
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2004.09.19 バイオハザード2 アポカリプス ★★★
- 第一作目を凌ぐという噂に釣られての劇場鑑賞。前作から36時間後という設定ですが、完全にストーリーを引き継いでいます(当たり前か・・・)。
T-ウィルスに汚染されたゾンビが増殖する街で、主人公(ミラ・ジョボビッチ)は、ある少女を4時間以内に救わなければならないという、タイムリミット・ストーリー。と言う割には、動機がイマイチよく分かりません。あの車椅子の科学者は何なの?
ミラが現れる前に、よく似たキャラのジル(シエンナ・ギロリー)という女性が登場して、しかもミラに負けないくらい活躍するものですから、どうも焦点がぼけてしまいます。ミラのカリスマ性を強調するには、明らかに逆効果。でもこの女性もゲームで登場するのでしょうからしようがないのでしょうね。
前作と同様、ワラワラと出てくるゾンビは余りにも退屈で、新鮮さ(?)が全く無し。もちろん、怖くも無し。さもあろうとアクセントに登場させているクリーチャもブルドックの出来損ないで魅力的ではありません。ただ、随所の音響効果にはビックリさせられましたが・・・。目まぐるしく動く闘争シーンは、私の動体視力ではついていけません。
やはりこれはミラの魅力で見せる映画でしょう。前作より、不思議なくらいパワーアップ。かつての同僚が変身させられたネメシス(とてつもなく大きい闘争用化け物マシーン)に負けないのです(よう分からん)。もはや人間ではなくなった?
本作でも後半にミラのサービスショットがあります。前作のDVDの特典で監督が言っていた、「次回は豊胸手術をして出演してよ」という要請をミラは、断わったようです(^o^)。それにしても大きな*首だ・・・。(^_^;)
ところで、「アポカリプス」って、何?
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2004.09.13 リクルート ★★★
- タイトル(Recruit)は、主人公(コリン・ファレル)がCIAに就職できるかどうか、というところから来ています(まんまだ・・・)。
ところがその就職試験や研修・訓練が全くのくせもので、トリックの連続。CIAの就職担当の教官(アル・パチーノ)がこれでもかと繰り出す仕掛けに、主人公とともに観客がついていけるか、というもの。
- ふ〜む、展開としては面白くないことはなく、退屈はしないのですが、どう考えてもやり過ぎですね、これは。いかにも制作側が敢えて仕組んでいるということがアリアリである、というのが欠点でしょう。もっと自然にさりげなく、騙さなければ・・・。それを考えると、やはり「スティング」は名作です。
まさかCIAの訓練は実際はこんなではありますまい。しかも、ベテラン教官の年収が7万ドルなどとセリフに出てきますが、ホントでしょうか?ホントだとしたら、ああいう結末に進んでもしようがないかも・・・。それにしても情けなさすぎます。
主人公の父親の死が訳ありのような設定になっているにも関わらず、それが明かされないのも不満です。撃たれた同僚、結局死んだ?
コリンはやはりつくづく巧い俳優と思います。「フォーンブース」と同様、窮地に陥った情けない男を演ずると、天下一品。眉毛が長く、立派過ぎ・・・。アルも終盤までは押さえて、ラストで本領発揮でやかましくなりますが・・・。ヒロインのブリジット・モイナハンが中々良くて、要注目です。話題の「アイ、ロボット」でも出演しているとのこと。
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2004.09.06 シービスケット ★★★★☆
- 好きな浅田次郎の小説も、競馬ものだけは興味がないので読みません。本作品が競馬関連の実話に基づくものと知っても、余り食指は動きませんでした。
いわば、まあ評判は悪くないようだから、見てやるか、という感じでの鑑賞だったのでした。1930年代のアメリカ大恐慌時代を背景に、人生に何度も挫折した3人の男が、これまた誰も見向きもしないような小柄なサラブレッド(シービスケット)に出会い、いくつものレースで再生を図っていく、というストーリー。原作は大ベストセラーなんだそうですが、本当に事実だとしたら確かにこれはスゴイお話です。
普通の映画であれば、最大の見せ場であるマッチレースで終わりになるのでしょう。マッチレースの直前のアクシデントで、更に彼らに辛い試練が課せられ、最後についにそれをも乗り越えるという結末に胸が震えました(大サクセス・ストーリーであるということは十分知っていたとしても)。確かにこれは観る者に、少なからぬ勇気を与えてくれるお話であることには間違いないでしょう。
ジェフ・ブリッジス演ずる馬主の背景は十分説明されるのですが、クリス・パーカーの調教師については、何となく訳ありとは分かっても全く彼の素性が明かされないのは、やや不満。騎手役のトビー・マグワイアについても、その後の家族との関係に一切触れられないというのも、何か不自然。あんなにマスコミで話題になっていたのに、知らない訳がないと思うのですが、ねえお父さん。
ここでも芸達者なところを見せているのが、ウィリアム・H・メイシー。真面目一色な基調の展開での、コミカルなアクセントになっていて、息がつけます。
ラストのレースで、「行け、行け、シービスケット!!」とのめり込む自分に、ホッとしたりして・・・。(^_^;)
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2004.09.05 ホーンテッドマンション ★★
- あ、これは私が見ないことにしているキッズものでした。(^_^;)
ディズニーランドの人気アトラクションの映画化である「パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち」の成功(?)に、柳の下の二匹目のドジョウを狙った作品。いませんでしたが・・・。
エディ・マーフィを主人公に持ってきたために、これはホラーというよりもコメディ作品に近くなってしまいましたが、結局中途半端な感じが否めません。物語の主題は、亡者がかつての愛人とそっくりな現代人を相手に、自分の恋を成就させようとするというもの。つまり、コッポラの「ドラキュラ」などと全く同じで、工夫もひねりも何にも無し・・・。山場がなくて、退屈してしまいました。
ディズニーランドのアトラクションの類似シーンはあったのでしょうか?水晶玉の中に浮かぶマダム・リオッタがそう?アトラクションの内容も私はもはや忘れてしまいました・・・。
期待したVFXも、特典映像で特撮にいかに苦労したかが紹介されていた割には、余り取り立てて見るべきものはありませんでした。
不気味な執事役のテレンス・スタンプの存在感が圧倒的。さすがに巧い。子供役は余り可愛くなく、邪魔なだけ。マダム・リオッタ役のジェニファー・テリーは首から下が全く写らず、勿体ないと思います。あの折角のセクシー・ボイスもエフェクトがかけられていましたし・・・。エディの妻役のマーシャ・トマソン、中々美形で要注目です。ただし、黒人の彼女が古い時代の貴族の愛人に似ているというのはいかがなものか・・・(人種差別する訳ではありませんが)。
本物のアトラクションの方が、数段面白いかも・・・。(^o^)
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