川崎市の向ヶ丘遊園駅ちかくにある川崎市立日本民家園へ。ここは日本中から古民家を集めては移築して展示している珍しい屋外博物館。20棟くらいあるのかな。茅葺き屋根の建物が並ぶ様は圧巻。合掌造りはもちろん、かつての宿場だとか、水車小屋とか、沖縄の高床式倉庫、歌舞伎小屋などなど。
いろりにホントに火が入ってて雰囲気たっぷり。かやぶき屋根の虫除けの意味で火を焚くのがどうしても必要なんだそうな。日曜日だったから民芸品の即売だとかお囃子なんかの演技があって、いい感じ。外国人なんかすっごく喜ぶんだろうな。西洋人と日本人女性のカップルが芝生の上でワインを開けてピクニック。なんだかおしゃれでかっこよかった。森(一部は丘)のなかにバランスよく配置されていて、公園散歩の延長みたいな感じでいくのにいいところだと思う。ちょっとかわったおしゃれなデートコースにどうでしょう?(笑)
民家園と同じく生田緑地内にある岡本太郎美術館にも行ってみた。チケットを買って中に入るといきなり圧倒されてしまう。真っ赤な壁と不思議な局面で構成された廊下。クラクラしてしまう。岡本太郎の作品って初めてマジマジと見たけど、けっこう好きかも。なんでも岡本太郎はフランス留学して民俗学を学んでいたそうな。「美の呪力 ニューギニアの姿・かたち」という特別展がやっていた。確かに彼の作品は民芸品チックな日本とも西洋ともつかない造形が多い。soulfulともいうべき根底にあるのは、そういうところなんだろうな。
それにしても生田緑地はおもしろい。他にもプラネタリウムとか科学技術館とかたくさんの博物館があって、全体が公園になっている。森林の多いところでのんびり1日を過ごすのに良さそうな場所。またいってみたいと思う。
◆日本民家園
http://www.city.kawasaki.jp/88/88minka/home/minka.htm◆岡本太郎美術館
http://www.city.kawasaki.jp/mus/TARO/index.htm
今日の朝日新聞の天声人語はアイロニックでなかなか良かった。アメリカの「世間知らず」が目立つという内容。「国際政治や国際経済への関心が薄い」らしい。なのにあの世界に出しゃばった態度。自国にしか目を向けてない「愛国心」の産物という気がしてしまう。京都議定書もそうだしね。昔やってた「インディペンデント・デイ」という映画。あれは胸くそ悪くなる内容だった。なんかのパロディというならわかるけど、真面目にあんなモノを作った人がいて、それを見て感動してしまう人がいたと考えたら恐ろしい。ハリウッド映画だったからたぶん世界中に配信されたんだろうけど、世界にケンカを売っているとしか思えないあの内容。恥ずかしくないのかねぇ。アメリカ国民の狂気具合ってどこかの国と大差ない、というか返って偽善という意味でタチが悪い気がする。
■《天声人語》11月22日
世界地図を示して日本の位置を答えさせる。米国の若者は42%しか正解できなかった。米ナショナル・ジオグラフィック協会の調査結果である。世界9カ国の18〜24歳を対象にした調査で、米国の「世界知らず」が顕著だった。
日本の位置についてはもちろん日本の正答率が一番だったが、イタリアの81%など欧州も高かった。イタリアの位置については56%、スウェーデンについては16%、イスラエルについては21%と米国の正答率の低さが目立つ。
少々驚かされるのは、太平洋の位置を知らない若者がけっこういることだ。あの大海に面していても、米国では29%が正しい位置を示せない。日本は16%、カナダは17%、メキシコは26%の誤答率だった。
自国が軍事攻撃をしたアフガニスタン、あるいはカシミール紛争の当事国、あるいは通貨のユーロについての質問などでも米国は最下位か下から2番目で、国際政治や国際経済への関心の薄さを示した。
日本は全体的に中程度で、スウェーデンが正答率で首位だった。若者を対象にした調査とはいえ、ある程度各国の現状を反映しているだろう。米国の調査責任者は結果について「文化の危機」と語っているが、それだけではない。最も影響力の大きい国が世界についての知識に極めて乏しいとしたら、それこそ「危機」であろう。
ブッシュ米大統領が双眼鏡をのぞいている写真がインターネットで出回っている。その双眼鏡はふたをしたままだ。からかいの種にされているが、実際、大統領に世界が見えているのかどうか心配になる。