猫ひげの独り言照れるわ・・

このコーナーでは猫ひげの独り言、
トピックスなどを気の向くままに書いています。

─ みんなで一緒に考えよう！ ──　『猫のホスピスについて』────

獣医学の進歩、フードの充実、飼い方の適正などが相乗効果をもたらし、 　猫の寿命が大幅に伸びると、猫の成人病、癌などの病気がクローズアップさ 　れるようになりました。 　　癌の手術に関しては、獣医師から、手術することが根本的な治療なのか、 　延命治療なのか、予算なども含めた具体的な説明を求めましょう。その手術 　が愛猫の苦しみを引き伸ばすことになるかも知れません。 　　私の体験では、２０年も前にシャム猫ビッキィの乳がんの手術を繰り返し 　行ったことによる反省があります。最初の手術から２月目には再発して、完 　治はしないだろうと告げられながら、４ヶ月ほどの間に３回の切除をしまし 　た。痛いときでも苦しいときでもビッキィはグルグルのどを鳴らていました 　が、ついにガリガリになって死を迎えました。　 　　私自身の気持ちでは「飼い主として精一杯の事をしてやりたい」「私はこ 　れほどお前を愛しているんだ」と、猫に何かをしてやることが私の心の助け 　でした。その話を米国の猫友だちにすると「自分の気持ちよりも猫がかわい 　そうだとは考えなかったのか？」とたしなめる答えでした。 　　日本人と米国人では死に対しての観念に違いがあるのでしょうが、もう一 　つの選択として、苦しみを軽減させて死を迎える、いわゆる、猫のホスピス 　についても考える必要があります。 （◎ご意見、体験談をお聞かせください）　nekohige@ab.wakwak.com　 ………参考……… 『ＣＦＡアルマナックに掲載された記事より抜粋』 　　Ｂ．ワクチン接種（主に狂犬病・FeLV）が原因となった肉腫も増えていま 　す。悪化・再発の危険性が高いので、発見した場合には速やかに切除をする 　ことです。その後には、完全に癌を根絶するため、化学療法や放射線治療を 　併用することを勧めます。 　　Ｃ．乳癌の場合、治療をするか、あきらめるかの指針は腫瘍のサイズによ 　る腫瘍の直径が３cm以上の場合には、外科手術と化学療法後の一年以内にお 　よそ半数が死亡すると言われています。 　　Ｄ．その他の癌としては、扁桃腺の悪性腫瘍があります。この癌に犯され 　てしまうと、上顎、下顎の骨まで処置をするような大手術が必要になります。 　手術をしないとなると、その猫の寿命は１、２ケ月となってしまいますが、 　手術をしたとしても完治は難しいようです。 　　人間の医学と同様に、依然として癌は獣医療の研究者にとって手強い相手 　となっています。 　　 Betty White, CFA HEALTH COMMITTEE議長

猫への思い込み・・・

猫に対して思い込みの強い人は、やはり猫の性格がほぼ安定する４ヶ月以上の子猫を探して欲しいと思います。 もし、２ヶ月前の赤ちゃん猫なら、自分の好みになつかせることができる、と考えるのは間違いだと思います。赤ちゃん猫が初対面の人におとなしい場合は、知らない人に触られても、小さすぎるがために何の意思表示もできないのです。

,猫って素晴らしい

人が猫を可愛いと思うのは「人のエゴ」かも知れないし「人の驕り」なのかも知れない。と思うことがある。 考えたら人は様々なので、犬を好きな人は猫を好きな人よりも多いし、鳥や爬虫類、ウサギも人気がある。いやはやゴキブリだって人によっては好まれる。もちろん動物よりも花などの植物が好きな人もいる。それらのいくつもを好きな人もいる。 すなわち、ナゼ猫なのか？と問われたら、いくらでも理屈は述べられるが、猫でなければならない理由などは無いし、正しい答えを探すのも難しい。しかし、猫を選んだのはボク自身であって、それを誰かに押し付けるつもりも無いし、誰かに揶揄されたら面白くない。 猫をポイと捨てる人が、その後で清々した気分になるのだろうか？？ 人は寂しい生き物だし、何にもしなければ次第にすさんだ心になっていく、それを慰めてくれるのが、ボクには猫なのだと思う。 人は「自分のために」「明日のために」「愛するもののために」などなど、何のために今を生きているのか、その理由をつけたがる。ましてや、人は自分前世を知ろうとする。あの世に行っても極楽浄土に住みたいと考える。それが現世を生きるために自らを律するものならば良いのではないかとも思うが・・・、ちょっと度を越えるとカルトに走る・・・ 猫は明日を夢見て、明日のために何かをしようとも考えないようです。 アリとキリギリスに例えれば、キリギリス的なのかもしれません。全く何の努力もしないというのではないけれど、腹が減ったら食べ物にありつくための努力をし、遊びたくなったら遊び相手なり、遊び道具を見つけます。 しかし、少しでも長く生き延びようとも考えませんから、生きていくための努力はしません。そこにあるのは直面したときの危険からの回避です。一秒でも心臓が動いている内は、決して死のうとはしません。明日に繋がるのは、本能的な生殖反応だけのようです。（生きたいために食べ物を得るのではなく、腹が減ったから・・・） 猫は今直面することのみに集中するのです。 こんな理屈を考えている側に、我関せずと猫がいて眠っています。 猫って本当に素晴らしい。

Yahoo猫の掲示板　にトピックを掲載しました。 「あなたは猫が好きですか？」

あなたは猫が好きですか？どんな猫が好きですか？ボクは全ての猫が好きです。日本猫も血統猫も雑種と呼ばれる猫も、それにノラ猫も好きです。 縁があったのか、ボクは２０数年間も猫の審査員をしています。現在は、東南アジアに猫の知識を普及するために努力しています。 自己紹介は、そのくらいにして、ここで言いたいことは、・・・ 全ての猫の幸せを目指して、猫が大好きな皆さんが、それぞれが自分にできる範囲で、頑張ろうという提案です。 ブリーダーであれ、ボランティアであれ、また、たんに猫が好きだという人も含めて、みんなが仲良くしようという提案です。 これは難しい提案かも知れません。何が難しいかと言うと、それぞれの人の「猫の幸せ」についての考え方が異なるからのようですが、猫が好きと言う素晴らしい共通性もあります。 ブリーダーとして考えると、・・・・ 猫のボランティア活動に熱心な人の中には、ブリーダーを敵対視する人も多いのですが、・・・確かに、ブリーダーと呼ばれる人の中には、何がブリーダーであるかを忘れている人が多く、さらに、ブリーダーと言う名称を利用する人もいます。どんな世界にもいろいろな人がいると言うことでしょう。 しかし、自分と異なる考え方の人を否定するのではなく、また、非難するのではなく、何かの共通性を探して、仲良くする努力をしたいと思います。 あらゆる猫の幸せのために、一歩でも前進しましょう。不毛の論争をする前に仲良くする努力をしましょう。 仲良くなれば何かが変わって、ネコの幸せのために、新しい道が開けるのです。

２０００／３／２４(土曜)　　　春来たりなば

露地で一際目立つもくれんの花が満開になると、春の到来です。 　物書きをしていると、ひもすがら、春ののどかさが眠気を誘います。 　最近の一連の騒動に関連して、「猫の社会の正義感」について述べましたが、考えてみると、分ってもらえる人にはいまさら言う必要がないし、分ってもらえない人には、言っても分ってもらえないのですから、無駄なようで、ちょっと、馬鹿馬鹿しくなって原稿訂正です。 　このため、猫の世界は平和です。。きっと明日も平和でしょう・・・

イチゴ狩り　　　　２００１／３／９(金曜)

たわいの無い話ですが、昨日、千葉までイチゴ狩りに行ってきました。 ２０年も前に静岡の石垣イチゴ園に行ったことを覚えていますが、それほどの感激は残っていませんでしたが、今度は、なるほどと、もぎたてのイチゴに感動しています。 イチゴ狩りに行くのには、曜日が大切です。土曜と日曜は家族連れやツアーで一杯、月曜から水曜までは、未熟なイチゴしか残っていません。緑のイチゴが真っ赤に熟すのには、少なくとも三日は必要です。すなわち、木曜日か金曜日のイチゴ狩りが最高ですね。 同時に、地元の人に案内して貰えれば、結構自由が許されます。 今回の最高はＹさんの１１３個、続いて八重子さんの５２個、そしてボクは２７個で腹いっぱいでしたが、別の品種の温室に行くと、また、少しだけ食べたくなって、結局は４７個でした。 お土産に、ちょっと失敬してきたイチゴを部屋で見ると、大きくてピカピカして、また、4個も食べて、新鮮なイチゴを堪能しました。・・・今まで食べていたイチゴとは何だったのか、と思えるほど美味しいイチゴです。 イチゴを一杯食べたい人は、何もつけないか、お塩に限ります。イチゴミルクをつけると、それはそれで美味しいのですが、ちょっと飽き来ます。・・・でも、ボクはのん兵衛の甘党だから、今度行くときは、ホイップミルクを懐に忍ばせようと思っています。（これは秘密です） まだまだ、5月までは、次から次に花を咲かせて、美味しいイチゴ狩りができるそうですよ。

審査休養中　　　２００１／２／２３(木曜)

「なぜ、審査をしないのですか？」と聞かれます。 ちょっと体調を崩していることも理由ですが、がんばって体力作りに励んでいるので、夏ごろには何とかなります。それよりも気力が無くなっているのでしょうね。。 はっきりした理由は無いのですが、猫の審査員って何だろう？？？猫のブリーダーって何だろう？？？ってね考え出したら、答えが見つからなくなっているのですよ。 もめごとばかりの話題も嫌気がさしているのですよ。 小さな小さな猫の世界なのに、みんな猫好きなのに・・・何かが間違っているような気がして、嫌になっているのですよ。 猫は好きなのに、人間嫌いになっているのですよ。 でも、ボクは猫人間だからケロリとして、すぐに復帰するのかも知れませんね。

ボクの禿山の一本の木　　　　　２００１／２／０８(木曜)

八重子さんが帰ってきて一安心、八重子さんと「喜八」で食事して、家に付くと風呂に入って、まだ１０時前なのに、さっさと寝てしまった。 　することも無いので、ボクも風呂に入ることにした。何だかボクの方が疲れているみたいで、のんびりと温め湯に浸かった。風呂の上りには頭の先と足先に冷水をかけるのが、ボクの体を温めるコツなのだが、それをバスタオルでふいていたら、事件が起こった。 　頭からバスタオルをかぶってゴシゴシ、本当に気持ちよくゴシゴシ頭をふいていたら、耳元にプチッと小さな音が、音では無かったかも知れないが、プチッとした響きが不気味な音になって全身に伝わったのである。 　もしかして、もしかするとと・・・恐る恐るバスタオルを外して鏡を見た。やっぱり無くなっている。ボクの禿山の前方で、太く長く力強く伸びていた、一本の黒々した毛が、やっぱり消えている。 　あの長い毛は、ボクの禿山がいつか復活するための象徴だったのに、やっぱり消えている。 ボクの禿山はついに復活することがないのだろうか？？

白菜のクリームソース煮込み　　２００１／２／０６(火曜)

今日の献立 　白菜が一番美味しい真冬ですから、「白菜のクリームソース煮込み」にチャレンジします。使うのは白菜の固い部分だけで、１ｃｍＸ５ｃｍ程度に短冊に切りそろえ、チキンスープの素と干し貝柱の戻したスープで約２０分、塩と砂糖、日本酒で薄めに下味をつけて、次にブタのロース肉を入れて約５分煮込みます。 　この煮込んだスープはあくがあるので捨てます。 　それから、茸のグラタン用の缶詰を上からまぶして、１０分も煮込んだら・・・めっぽう美味しい白菜のクリームソース煮込みの出来上がりです。 ワン・ポイント・アドバイス・・・煮込んでいる最中に胡椒を入れる人が多いのですが、胡椒は出来上がってから、粒のものをカリカリと振りかけてください。 こんなこと書いていたら、さぞかし猫ひげはいつも食事の支度をしているようですが、いつもは何にもしないのですよ。 この一週間、八重子さんが居ない間に、あれもこれもと計画していたのですが、昼近くに起きてパソコンのスイッチを入れると、約１２時間は、何かに取りつかれたようにパソコンの入力をしています。両肩が張って、背骨が痛くなって、首の後が痛くなって、目頭がギックンと痛くなって、・・・これはいけないと、ちょっと横になります。やっぱり、歳なんですね・・・ちょっと寂しい。 横になると、直しきれないページが気になって、「メルマガ」のことも気になって、頭がボーっとしています。 明日は原稿の締め切りです。

フォックス博士 ヒゲがちょっとさわっただけで目を閉じるように、反射弓によってヒゲとまぶたが連結している。 だからとがった小枝や草の端などは目にあたる前にまずヒゲにふれるから、サッとまばたきをひきおこして角膜が傷つかないように保護（危険から回避する）できるという仕組み。 空けた場所に棲息し、狭い場所に近づいたり、ネコのように穴をくぐりぬけるようなことはけっしてしない、多くの他の動物にも、ネコと同じようにヒゲがあるそうです。先にあげた 猫のヒゲで描かれる円は体の大きさとはちがうし（比例しない）、他の動物でも身体の幅に比べてずっと長かったり短かったりする。ネコが暗闇のなかをヒゲで探りながら歩くなんて、私には信じられない。暗闇ともぐりこみは関係ない。 （猫ひげ感想：なるほど小動物の第一人者の観察） モリス博士 ネコは暗闇で物にぶつからないで歩くために、物とネコが近づいていくときの空気の乱れの変化を読みとるこれは、毛根の先の部分に感覚神経が細かく分布しているので、ちょっとふれただけで敏感に反応するからである。 観察すると、ヒゲに損傷のあるネコは昼間しか獲物を捕らえることができず、暗闇では獲物を噛みつく場所の判断があやまってうまく捕らえることができないという。ヒゲは暗闇の中でまさに点字を読むごとく働き、獲物の体の輪郭まで正確にとらえることができるので、すなわち、接触に敏感なアンテナ能力に加えて、ヒゲが気流の探知機として働く。 （猫ひげ感想：博士といえど観察不足に過ぎない。もっともらしい話を解説しただけ、ヒゲをちょん切られた猫だって、ゴキブリが出てくれば上手に捕らえるよ）

雨が降っています。　　　２００１／２／０１(木曜)

今日の午後、八重子さんはＣＦＡボード会議に出席するために渡米しました。 昨日の日航機ニアミスのニュースを一生懸命見ていましたが、それほど動じる様子も無く、分厚い会議ノートを整理（翻訳はベレーザさん、原稿用紙で約１００枚も・・・）していました。書類だけでも小さな旅行カバン１つが必要です。 金曜日には、１０月に開催されるクォリファイショーの審査員の開票があります。八重子さんからはトピックスがＥ−メールかＦＡＸで贈られてくることになっています。 それは、ＣＦＡＪＡＰＡＮ　Ｗｅｂサイト（Ｗｈａｔ'ｓ　ｎｅｗ！）で、毎日、お知らせしたいと思います。 http://cfajapan.org/index2.html さてさて、猫ひげは、自分のＷｅｂサイトの引っ越しにてんやわんやの忙しさです。 新しいページでリンクされていない方は、できましたら自働リンクを申し込んでいただければ助かります。（下記へ） http://www.ab.wakwak.com/~nekohige/cgi-bin/link/tbookmark.cgi

雪です・・・　　　２００１／１／２７

さっきまで東京にも大雪が降って一面が銀世界です。夕方には雷がイナズマに続いてドッカーンと鳴り響き、おかげでハナビにシーズンが来たようです。今度生まれた子猫には「Ｉｎａｚｕｍａ」 と名付けます。 さてと、今日の午後に映画プロダクションから電話がありました。 「猫は何でも良いので、明日までに５ヶ月までの仔猫を手配して欲しい」との用件ですが、撮影場所は荻窪の某ホテル、出演料は・・・５千円とか、・・・即座にお断りしましたが、何の撮影だろうかと、ちょっと心残りも・・・・。 いずれにしても、テレビや映画、コマーシャルなどでのモデル猫の紹介の依頼が数多くありますが、テレビ局の担当者からはそれなりの経費が出されているので、それを仲介する企画屋さんやプロダクションは、電話一つで大金を得ると言うのに、ボクに回ってくるときはアマチュアと言うだけでほんの車代でと言われるケースばかりです。もし、動物プロダクションに依頼するときは１０万円単位が必要になります。 どうぞ、テレビ局の方は直接お電話ください。

末期ガンとの闘い　　　２０００／１１

延命治療よりも、痛みの伴わないホスピスを選んだ私の経験をお話します。 今年の九月に父がガンで亡くなりました。８８歳、明治の終わりの年に生まれ、明治、大正、昭和、平成、激動の時代を生きてきました。 さて、神戸の弟の家にいた父が肺炎で入院したところ、精密検査で、肺ガンで、既に全身に転移していることを知らされたのは、昨年の秋の終わりでした。 友人の一人が、２人目のガン患者を助けるために、月に何回か”丸山ワクチン”を入手しに行く話をしてくれました。前の人は、外国航路の船長さんから、非常に高価な漢方を入手したそうですが、いずれも、遅すぎたようです。 ボクはアメリカ製の漢方を選択して送りましたが、ガンコな父は、直ぐに飲むのをやめます。 そして、医師と治療についての方針を話し合ったときに、父の年齢からして「過激な治療は難しく、今後の治療は延命治療である」ことを告げられ、「治療による延命の効果は？」との問には、「精一杯頑張るが、半年もてば・・・」との答え、「延命治療を止めて、ホスピスとしての痛みを回避する治療は・・・」との問には、「進行状況次第ですが、いつでも危険状態です」とのこと。 いずれにしても、２〜３ヶ月の違いのようです。 私と弟は、ホスピス治療を選択しました。 東京から駆けつけた私に、「ちょっと風邪をこじらしたようだけど、もう熱も下がったし、心配ないんだ」と、笑って教えてくれました。 「だめだよ、お医者さんと話したら、わがままばかり言っているそうだね」と言いますと、「大丈夫なのに退院させてくれない。重病人扱いなんだ」と、いたって元気です。 ２日後には退院しましたが、「次の入院では危険」との話でした。 年明けて、１月の終わりに「熱を出したので入院させた」との連絡、「すぐには心配ない」とのことで、１週間程度で「退院できるよ」と弟から連絡があり、「退院できるなら、米寿を祝おう」と、２月に見舞いがてら神戸に行きます。 何を食べたいかと聞くと「お前は神戸の焼肉が好きだろう」と、モツ肉の焼肉屋さんに、・・・ビックリしたのは父の食欲の旺盛さでした。翌日、「あれだけ元気なのに・・・」と病院に説明を受けに行ったのですが、「胃の丈夫さには驚きますが、やはり進行は止まりません」と、レントゲン画面を見せての答えでした。 肺を中心にガンに冒されているから、熱を出しては入退院を繰り返し、５月の終わりに、弟が「元気なうちに”淡路の花万博”に連れて行く」と知らせてきたので、日程を調節して駆けつけました。 父、弟、弟の嫁さん、その娘、そして私の５人は、インターで休み休み、大きな橋を渡り花万博へ行きました。それまでも、近くの公園や海岸には、週に２回も出かけていたそうです。 黄色のユリの群生した場所で写真を写すのに、父と私が一緒に並ぶと「兄貴、ちょっと離れて、花をオヤジに集めて」と言います。関西人気質と言うか「葬式のときのオヤジの写真が無いので写さなくちゃ・・・」と、冗談を飛ばすと、父までが「やっぱり笑っていたほうが良いかな・・・まだ死なないけどな・・・」と答えるので、思わず涙をこぼしてしまいました。 「兄貴、泣くなよ、みんなつらいんだ」と言われたのが耳に残っています。 そのときも状況を聞きに行くと、医者は「夏までは難しい」と説明されましたが、父は「暑い暑い」とわがままを言って夏を超えました。 ９月に入って直ぐに入院して、ちょっと危険だとの知らせがあり、モルヒネなどの投与があり、それからしばらく様態が落ち着き、弟が「アニキ、オヤジが電話しろというから」と病室から携帯電話がかかり、「宏のいた、インドネシアのセブ島に行きたい・・・」と言います。（兄の宏はインドネシアの政変のあった年に、やはり肺ガンで、ガンが発見されて１０日後に現地のマニラ亡くなりました。５５歳でした。） その電話の２日後、深夜の電話で「父危篤」の知らせを受けました。 とっても安らかな顔で、苦しまずにパターンと死んだ・・・と伝えられました。 末期と言う言葉にも、いろいろな判断が求められます。 私と弟は、”ホスピス”　を選択したことに、全く悔いは残っていません。

八重子さんのキツーイ一言

「あなた次に生まれ変わるときはヤドカニになれば・・・次々に部屋を移り変われるし、空き缶だって部屋になるのよ・・あなたにぴったり」・・俺はこの家の居候か・・ 後日談・ヤドカニと言ったのはボクで、八重子さんは「ヤドカリ、ヤドカリ、ヤドカリ」といったのです。

─── Yaekoさんのメモ ─── 雨上がりのガマ蛙 ───────────── 　ねぇねぇ聞いてくださる・・・ 　ちょっと古いドレスを出したらサイズが合わなくて、急に減量が必要になった のよ。だから毎日夕食前にジョギングするの・・・、原宿駅の近くのＹ公園のサ イクリングコース約５ｋｍ、猫ひげとお話しながら、えっちらおっちら休まず走 るわ。 　クネクネ曲がった下り坂のコースの途中で、猫ひげったら、ウヒャーなんて奇 声を発して、派手に飛びのいて、われ先にと突っ走ったのよ。何かと思ったら、 雨上がりに浮かれたガマ蛙が道路まで遊びに出て、ノソノソと動いただけなのに。 　猫ひげの逃げる様子を見て、私、想いだしたわ。 　２０年以上も前になるかしら、タクシーが捕まらないので、ロサンゼルスの日 本人街からボナベンチャーホテルまで、歩いて帰ることにしたの。途中のビルの 瓦礫の所には何人もの人たちがたむろしてこちらを見てたわ。暗闇の中で黒人の 目だけが光ってスリル満点。しばらく歩くと、長いトンネルがあって、車はスピ ード上げて行き交うけれど、後ろも前も反対側も、歩いているのは私たちだけ・ ・・と思っていたら、黒人らしき人がいて、前方に進んでいるのか止まっている のか、近づいて行くと様子が変なの、両手を上げてはひざまずいて何か を叫んでいるわ。 　「あれは酔っ払いではなくて薬をやっているようだ。近づくと危険かも知れな い」って猫ひげがビビルので、車の合間を見て反対側に渡ったのよ。反対側は 歩道が無くて、８０ｃｍ程度の石積みがしてあったので、その上を歩いたのよ。 それも私が先頭を歩いて猫ひげは後ろからのこのこよ。新婚旅行代わりの初めて の長旅だったのに「この人、何かあったら私を守ってくれるのかしら・・・」何 て心配になったワ。 　「ボクが後ろを歩いたのは、お前が前に行ったからで、何かあれば、助けたの に決まっている。歩きながら、いろいろ手段を考えていたのだ」って、猫ひげは 言い訳するけれど、最後まで私の後ろを歩いていたのよ。 　次の日に観光ガイドの人が「ダウンタウンの周囲がロスの最も危険な場所です から、２度と無茶なことは止めてください」って、強く叱られたわ。 　それで、今日のガマ蛙でしょ・・・ノラのドンちゃんだって絶対に私を守って くれるというのに・・・「何かあったらあなたは自分一人で逃げ出すタイプなの よ。これで２度目だわ。ほら、ロスのときも・・・」って言ったら、 　「あれは前に行きたくても道が狭かったから仕方なかった、ボクだって、いざ となったら弁慶みたいに仁王立ちしてお前を守ってやった」なんて言うの。 　「３度目は分かれるときよ」と宣告したら、「ガマ蛙で離縁はないだろう」と しょげているの・・・　 　本当に子供みたいでしょ・・・ウフフッ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　バ〜〜イ、またね……Yaeko