鉱石ラジオ大研究H 

スライダ付きラジオの制作


スライダを調整すると

混信が消え
最高感度で受信できます。

鉱石ラジオ大研究はちょっとよりみちしましたがFMラジオはまたの機会のゆずりAMラジオに戻り今回が最終回になります。

今回は大研究B《参照下さい》でちょっと紹介した大きなコイルを使います。 このラジオはすでにオンラインマガジン《QTC-JAPAN》■鉱石ラジオ のコラムに紹介されていますのでご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。(このページの写真は検波器が自作のさぐり式に変更されています)
特徴はアンテナ回路と出力回路を整合させるためのスライド式のタップを出しています。これにより混信も緩和して最適の条件で高感度に受信できます。
回路図に有るようにこのラジオはマグネティックイヤホンで聞くようにマッチングトランスが使用されています。 クリスタルイヤホンを使う方はトランスは不要です。

コイルからタップを取り出すスライダは2mmの真鍮棒に3mmのパイプをはめて使います。このパイプは3本必要(両側で6本)です。 そのうち2本はコイルの枠に取り付けるために卵ラグにハンダ付けします。そして片側はシャフトにもハンダ付けします。 接点になる部分はリン青銅の薄板(0.2〜3mm)をハンダ付けします。リン青銅が手に入らないときはリレーの接点などを改造しても良いでしょう。
コイルの接触部分はあらかじめサンドペーパなどで磨いておくのは言うまでも有りません。

検波器はバナナ端子を使って簡単に交換できるようにしてあります。
ゲルマニウムダイオードや鉱石検波器を交換してみると感度のちがいを実感することが出来ます。

鉱石ラジオの高感度化は大型のアンテナ、Qの高い共振回路、高感度のイヤホンに尽きます。
そしてアンテナで受けた電波を損失無く取り出すためのマッチング回路(スライド式タップ切り替えも簡単なマッチング回路です)使って共振回路に送り込みます。 そしてその信号を共振回路のQを下げないように検波し音声を取り出します。

このラジオで静かな部屋ではスピーカを鳴らして聞くことが出来ました。スピーカはダンピングをあまり効かせてないできる限り大型のものが良いです。 クリスタルスピーカは比較的感度は良いのですが大型のものが無く音に変換する能力に難点があります。

制作にはできる限り市販の部品を使うようにしましたので同じように作ることもできると思います。 ノスタルジックな感傷にひたりたい方は昔の部品もまだ入手可能です。ケースやラベルなどに凝ってみるのも楽しいでしょう。

皆さんもぜひあなたのアイディアで楽しい鉱石ラジオをお楽しみください。


【自作のさぐり式検波器をつけた高感度鉱石ラジオ】


【内部の様子】
内部にはイヤホンのマッチング用トランスがあります。その他イヤホンジャックやアンテナ端子などもコイルの巻き枠に取り付けられています。


【スライダの部品】
スライダはコイルの側面にカラーなどで浮かせて取り付けます。材料は秋葉原や模型屋さんで入手できます。

【ja1cvf 0105】

試作1号機(cvf−1)
 
大きなコイルと二つのスライダーで快適に受信できます。

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