鉱石ラジオ大研究I 

Appendix
”大人の科学”鉱石ラジオのキット


作ってみました
学研
の”大人の科学E”
磁界検知式鉱石ラジオ

鉱石ラジオ大研究が終了して次のテーマに取り掛かった矢先どうしても試したいものが現れました。
”大人の科学”鉱石ラジオのキットの出現です。
鉱石ラジオのキットは教材やさんが細々と作っているくらいで子供向けのものばかりです。 大人の科学として扱っているこの鉱石ラジオを”鉱石ラジオ大研究” で取り上げないのは不自然と早速注文しました。

発売元は教育雑誌で有名な学研・その名も大人の科学シリーズ”磁界検知式鉱石ラジオ” (¥5500)結構なお値段です。ホームページ[大人の科学] をくまなく見て中身が濃く見えたので早速注文しました。

一週間ほどで到着。きれいな箱に収められた部品はビックリ!32ページに及ぶ組み立て説明書と小袋に区分けして収められた100点を越すパーツです。 自分で用意するものははさみ、三角定規、フエルトペン、食塩などです。ラジオの工作に欠かせないはずのハンダごては不要です。
ケースなどのフレームはプラスティック製と思いきやシナベニヤを使った木製です。仕上がりもしっかりして環境にもやさしい配慮でしょうか! そのままでもきれいですがはやる心を抑えオイルステインで着色してみました。多少の色むらをあえて残して見ました。塗装工程を入れて約5時間、 基本どおりの組み立てなら3時間程度で完成するでしょう。

このラジオには回路図(下図参照)がついていません。理由は回路図を読めない人でも気軽に作ることができるように配慮したようです。 しかしなんとなく不安になります。ヤッパリ回路図はほしいですね。鉱石ラジオといいつつトランジスタも付いている、鉱石検波トランジスタ1段増幅ラジオです。 必要に応じてトランジスタ回路は切り離せます。電池の回路にはスイッチが入っていませんが使用後は電解液を抜いて洗浄するように指示されています。 それにより電池の機能はなくなります。

印象的なスタイルのアンテナがこのラジオの特徴である磁界検知型ループアンテナです。 このアンテナのおかげで外部アンテナを接続することなしに放送を受信できます。このアンテナはコップ形バリコンと併せて同調回路として働きます。 ここで受けた電波はダイオードまたは鉱石検波器で検波されそのままイヤホンで聞くかトランジスタの増幅器に接続されます。
このトランジスタ増幅器は簡単な自己バイアス型ですが入力回路はチョッと複雑です。(後述、回路図とノウハウ解説を参照ください) 全体の大きさは高さ約80cm、幅約63cmベース部分は21cmX15cmとかなり立派なものです。

組み立ては木製とは言いながらプラモデル感覚のはめ込み組み立て式です。大人の工作ですから材料のバリ取など丁寧に作業してきれいに作りましょう。 説明書の手順どおりに組み立てれば何事もなく完成します。コップ式バリコンのアルミ箔張りは、やり直しがききません。位置あわせを慎重にやりましょう。 ”キズバン”見たいな布切れは安定動作のための重要部品です。お忘れないように!アンテナはフレームが薄いのでよじれが出るかもしれません。 あまり気にすることなく全部コイルを巻いてから修正すればスッキリ仕上がります。
各部品はハンダ付けすることなしにビスやスプリング状の端子にカラゲテいきます。
この辺の技法は子供向けキットで培った学研の得意な分野のようです。

私の家は東京中野区ですがゲルマニュウム検波でNHK、FEN、TBSなどを室内で簡単に受信できました。
鉱石では若干テクニックを要します。トランジスタ増幅器を使うとはるかに大きな音できくことができます。 トランジスタ回路の動作が確認できないときはボルタ電池の代わりに乾電池(1.5V)をつかってテストをするのも近道かもしれません。
私の場合何事もトラブルなく完成してチョッと気が抜けた感じです。
なおループアンテナの威力は想像以上で感度、選択度に大きく貢献しています。 アンテナの方向を調整することにより混信皆無で快適に受信できます。(向きが悪いと全く聞こえません。)
最後の写真は静岡県熱海市の熱海城近くでの受信テストです。ローカル局が快適に受信できました。


【キットの内容】
種類ごとに小袋に区分けされた100点を超えるパーツ。ラジオの工作では常識のハンダこては不要です。


【大きなループアンテナが印象的】
アンテナを回転させ目的の信号をキャッチする。


【木製のケース】
シナベニヤの組み立てケースは仕上がりがすばらしい。オイルステインで着色・アンティックなイメージを醸しだしています。


【熱海市の山中で受信テスト】
*写真提供 ja1xvy平野さん。

【ja1cvf 0108】

磁界検知式鉱石ラジオ回路図とノウハウ解説
 
組み立て説明書には回路図や動作の説明がありません。特に難解なトランジスタの入力回路について解説していただきました。 参照ください。

この回路図ならびにノウハウの解説は滑w習研究社のご好意によるものです。無断転用はご遠慮ください。【01Aug.6】

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