心に思ったことのタイトルバー

よく苦労は買ってでもするものだ...と言いますよね。
まあ、別にお金を払ってまですることはないと思うけど^^

僕がオーストラリアにワーキングホリデーに行ったとき、
最初の2ヶ月間はホームステイをしていたんです。
1ヶ月づつ2軒の家にステイさせてもらって

その最初のホームステイ先が当時61歳のおじいさん(おじさんかな?)が
1人で暮らしている家だったんですね。
イタリア系移民のおじいさんは
その時にもう奥さんが亡くなってしまっていて
ずっと1人で暮らしていたみたいです。
だから淋しかったんだ...と思います。

そしていろんなことを僕に話してくれました。
スチューデントも僕一人しかいなかったから
いつも男同士、ふたりでサシで語り合っていました。(笑)

毎日、6時に夕食を取るんです。
そして6時半から7時まで
その日に学校でどんなことがあったかをおじいさんに伝えて...
7時から30分間、居間のテレビでニュースを見て...
僕なんかニュースをみていてもちっともわからなかったですね。
天気予報とスポーツくらいは何となく意味がわかったけど(笑)
ただ、いつもおじいさんがちょこちょこっとコメントしてくれて...

『ふ〜ん』 てな感じで...
ほとんど、うたた寝をしていましたが(^_^)
で、ニュースが終わっておじいさんが眠るまで
又、ふたりでトークするんです。
30分か1時間くらいですね。
僕はあんまり英語がわからなかったから
おじいさんがわかりやすく話してくれて...
わからなかったら
すぐに 『辞書で調べなさい!』 って
そんな感じで...

イタリア系移民だけあっておじいさんはいつも朗らかで明るかったです。
いろんな話をしてくれました。
毎日、楽しかったです。

それでも僕が落ち込んでいると
いつも親身になって励ましてくれて。
1度、友達のホストファミリーとケンカをしてしまい
なんか悔しくて泣いていたんです。
そしたら
『俺もオーストラリアへきた頃はいつもピーピー泣いていたよ』...って
それに最初の頃、僕は軽いホームシックになっていたから...
たぶん、おじいさんから見たら落ち込んで見えたんだ...と思います。

僕はあの頃、苦労するのが嫌だったんですね。
早くラクになりたい! 早くラクになりたい!っていつも思ってた。
けどなかなかラクには、なれなくて
『どうしていつもこんなに苦しいのだろう?』...って思っていました。

それからしばらくしてホームステイも終わり
自分自身でオーストラリア国内を少し旅して...
5ヵ月後くらいですかね。
シドニーに戻った時に又、そのおじいさんの所に泊めてもらいました。
そのときは『お金は払わなくていい』と言われて...
タダで泊めてくれて...

僕も以前よりは英語も上達していたので
又、いろんな話をしました。
その時に言われたんです。
『幸司、1人でオーストラリアにきて心細かったり淋しかったりも
 したと思うけどそれは無駄にはならないよ!』...って
『今の君は5ヶ月前の君とは全然、ちがうよ』...って
『そうやって強くなっていきなさい!』...って

そしておじいさんがオーストラリアに来た頃のことを
いろいろ話してくれたんです。
そしておじいさんがたくさん苦労してきたことを知りました。

その時、思ったんです。
苦労するのも悪くないな...って
苦労した末にこのおじいさんのようになれるのであれば
逆に苦労しとかないと損かな...って

そのおじいさんはすごく渋くて
かっこいいんですよ。
ルックスもそうだし生き様みたいなものにも憧れていました。

おじいさんはたくさん苦労してきたから
僕の痛みをわかってくれて...
いろんなメッセージを与えてくれて...

苦労した分だけ魅力的になれるんだな...って

それに苦労話というのは乗り越えてさえしまえば
面白いもので...
たくさんの話題にもなるんですよね。
いいネタになるじゃん(笑)...って
たくさんの話題を持っているほうが楽しいし.....

だからその時、思ったんです。

若くて体力のあるうちに苦労してみよう!...って
買うのはイヤだけど10ドルくらいならだしてもいいかな...って(笑)

不思議なことに
苦労してみよう!...って心に決めると
ほとんどのことがたいした事には思えなくなってきて...

やっぱり僕は今まで逃げていたんだな...って気付きました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

あれから約10年経って、30歳を過ぎて...
今、僕が思うことは
あの時、苦労しておいてよかったなあ...って

それは心から思いますね。
僕の苦労なんてたいした事ないのはわかっています。
けどそれでもよかったなあ...って思います。

例えば仕事などで僕よりすごく若い人たちと知り合って...
で、みんなキズついているのを知って...
そのとき、おもうんですよ。
あのときの僕と一緒だ!って
だからその時の気持ちを伝えたり話したりしているうちに
いつの間にか仲良くなれて...

苦労した分だけ
その後、いい出逢いがたくさんある...とおもうから!

苦労はしてみてもいいんじゃないかな...っておもいます。

今でもそのおじいさんとは手紙や電話で連絡は取っています。
40歳近くも年下の僕に以前と変わらず気さくに接してくれて...
そんなおじいさんを心から尊敬しているし
僕もああいうおじいさんになりたいな...って思っています。
クイーン・ビクトリア・ビルディング
QVB クイーン・ビクトリア・ビルディング
シドニーの中心地にあるショッピングモール。
サーキュラー・キー
サーキュラー・キー
(シドニー・オーストラリア)
オペラハウスとハーバーブリッジがある場所でシドニーで一番の観光スポット。何度も何度も行きました。
オリンピック・メインスタジアム
オリンピック・メインスタジアム (シドニー)
スタジアムの最寄駅がホームステイしていた家の最寄駅と2つしか離れていなかったんです。
ザ・ロックス
ザ・ロックス
日本食レストランなどもあります。
ザ・ロックス
ザ・ロックス
ここからシドニーの街づくりが始まったそうです。お洒落なお店が多かったです。
ハーバーブリッジ
ハーバーブリッジ
シドニーのシンボル。この橋の上から見るサーキュラー・キーもいいですよ。
ハイウェイ
橋桁から見たハイウェイ (シドニー)
橋げたのひとつが博物館になっていてその上から撮りました。
オペラハウス
オペラハウス
落ち込んだりするとよくここに来てボーっとしていました。無心になれる場所でした。
シドニーにはたくさんの思い出があります。あの思い出は一生、忘れません。お世話になったみんな、ありがとう!
@もう1度、この文章を読む
フッター