2.資 本 その一
○資産と資本の違い
「資本 = 資産 − 負債」 となります。
(例示:資産には現預金や建物・機械設備など、負債には借入金などが属します。)
つまり資本とは、ある時点での実質的な所有財産額のことをさす言葉なのです。
例示:Dさんの昨年12月31日時点での保有現預金は5,000万円・建物の価額は5,000万円でした。
仮に借入金の残高が9,700万円だとしたら
資本 = 1億円 − 9,700万円 = 300万円
となります。
○規模の問題
例示:「E社・F社は共に1億円の利益をあげています。」
一見すると、両社の業績は同じように思えます。
しかし資本の金額で比較するとE社は100億円、F社は10億円だとしたらどうでしょう?
E社は100億円も資本があるのに1億円しか儲けられていないわけです。
その意味では明らかにF社の方が効率の良い事業を営んでいるといえるでしょう。
資本・資産及び負債の概念を理解することにより、企業の比較などが可能となります。
すぐにお分かりになられたかと思いますが、ほぼ所得・利益の項を流用しております。
会計というものは「差額と割合の計算」を前提としたシステムになっています。
基本が同じだから、考え方について流用がきくわけです。
実は利益の計算方法にはもう一つの算式も存在します。
「利益 = 期末資本 − 期首資本」というものです。