13.エクイティとデット
○資金調達をどうするか
どんな事業を始めるのにでもお金は必要です。
資金の調達方法は簡単に言えば二つのみ、出資か借入です。
出資での調達をエクイティファイナンス、借入での調達をデットファイナンスと呼びます。
あくまで一般論としての比較ですが、デットファイナンスが古い型、エクイティファイナンスは
新しい型の資金調達と言われていました。
エクイティの場合、例えば調達した資金については返還義務がないことや、その後の運用方法に
よっては会社の枠組みを変えることすら可能です。
また、市場を通じて自己株式の取得に乗り出したり、と選択肢が多岐に渡ります。
要するに、借金では出来ないことが色々と出来るのです。
○借金の見直し
しかし、今日本の上場企業では、デットファイナンスに対する見直しが起きています。
日本企業は海外企業に比べROE(自己資本利益率)が低いことが問題視されています。
(ROE = 利益 / 自己資本 だと思ってください。)
エクイティファイナンスは自己資本を増強させる資金調達です。
分母が大きくなるということは、只でさえ小さいROEが益々小さくなります。
意訳すると、「株主一人当たりの利益の取り分が減る」ことになるのです。
(以前保留のままにしておいた点の説明は、この辺りになります。)
その点、デットファイナンスなら負債が増えるのみですので、ROEには影響しません。
それどころか、借入を有効活用し利益が上昇すればROEは増強されることになります。
借入の有効利用が如何に有効かがよくわかる話です。
要は出資と借入のバランスや、取り組む事業の性格に合わせた資金調達が必要なのです。