10.儲かる商売


      選んだ商売で、勝負の半分はついている

        表題は、
絶対に儲かる商売を教えようということではありません。
        副題に書いた通り、その人が
始めた商売によって既にどれくらいの儲けが出るかは決まっています。

        
あり得ない過程ですが、全く同じ商才を持った二人が、小売業と製造業を始めたとします。
        二人は同じだけの営業能力を持ち、同じだけの勢いで新規顧客を獲得していきます。
        その時、どちらの方がより多くの利益を手にするのでしょうか?

        答えは
製造業です。
        
物を売るよりは、物を作るほうが求められる能力、そして付加価値が高いためです。
        また、上記の仮定からは少しはずれますが、
製造業の方が企業努力がし易い点もあげられます。
        画期的な製造方法の立案などは、製造業にとっては意味があっても、小売業には意味がありません。
        また、資金繰りの工夫により設備投資をすることなどにより、製造業では一気に成長を遂げることも
        不可能ではありませんが、小売業ではせいぜい出来るのは売り場面積の拡大と人件費の抑制程度です。
        もちろん、他所では中々売っていないような品物を揃える、埋もれている価値あるものを発掘して市場に
        売るなど、小売業でも製造以上の利益を上げることは可能ですが、
そのハードルは非常に高いです。

        というと、製造業の方が小売業よりも良い商売なのか、というとそんなことはありません。
        
小売業ならば、余程変なものを売らない限りは、顧客がついてくれます。
        製造業の場合、作った物の品質が良くなければ、顧客は全くつきません。
        つまり、小売はローリスクローリターン、製造はハイリスクハイリターンであるといえます。

        極々大雑把且つ私見な分類ですが、リスクとリターンを低いほうから並べていくと…
        
小売(フランチャイズ) → 小売(その他) → 卸売 → 製造 → サービス(飲食店含む)
        こんな感じでしょうか。
        (実はこの並び、消費税の課税仕入れの割合と一致します。)

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