2007.02.19 サイドウェイ ★★★☆
- 第77回のアカデミー賞で5部門にノミネートされ、脚色賞でオスカーを受賞した作品。これら以外にも数々の映画賞を受賞した話題作です。何故か見逃していたのでした。
- ワインを小道具にし、中年にさしかかった二人の男の人生の機微を描いたロード・ムービーと言えるでしょう。主人公のバツイチ男(ポール・ジアマッティ)はかなりのワイン通。彼は、彼の親友(トーマス・ヘイデン・チャーチ)とカリフォルニアのワイン・カントリーに旅をするのですが、ワインや女性に対して好対照の二人の行動が可笑しく、またしみじみと描写されていきます。うん、良いですね、こういう感じ・・・。所々でかなり笑いもしました。共感もしました・・・。
- 旅の途中で出会うレストランで働いている主人公の顔馴染みの女性(ヴァージニア・マドセン)とその友達(サンドラ・オー)に対する男二人の行動が可笑しすぎ。主人公の、あの程度の不幸(ハゲ、お腹ポッコリ、元妻に未練、小説売れず)でそこまでいじけなくともと思いますが、何となくああいう人って居そうな感じです。一方彼の親友は間も無く結婚するというのに、独身最後のお遊びよろしく、ひたすら女性との交わりを求めます。これも何となく居そうです。(^o^)
- お酒好きなら観賞後でなく、途中でも確実にワインが飲みたくなること請け合いです。こんなサイトもありますし・・・。しかし、冒頭からモロ飲酒運転シーンで(これが美味そうなんだナ)、アメリカではまだこういうことが許されているのでしょうか?更にはあれだけの飲酒量での主人公のγ-GTPが、他人事ながらとても気になります。更にもう一つ気になるのは、あのブラブラ・・・。(^_^;)
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2007.02.05 ザ・センチネル 陰謀の星条旗 ★★★
- 「The Sentinel」というのは辞書を引いたら番人と言う意味でしたから、シークレット・サービスのことを指すのですね。アメリカ大統領をガードするシークレット・サービスは141年の間、内部から裏切り者を出していないのだそうです。
- 本作は、レーガン大統領を暗殺の危機から救ったことのあるという設定の老シークレット・サービスが主人公。それをあのマイケル・ダグラスが演じます。笑ってしまうのは、優秀な腕を持っている一方、あっちの方面は「氷の微笑」や「危険な情事」のキャラのまんま。シークレット・サービスの完璧なまでの警護の方法をシリアスに見せてくれる一方で、主人公の殆どあり得ない人間関係の設定のアンバランスに脱力してしまいます。そういう意味では完全に娯楽作品。
後半は主人公が大統領暗殺の容疑者として追われ、それを晴らすために危険を顧みない行動を取るという「ボーン・スプレマシー」状態のような、ありきたりな設定になってしまいます。後半の、結構雑な展開が残念・・・。それでも階段の死角を利用した狙撃など、所々にシークレット・サービスのテクニカルな作法を見せてくれ、最後までまあ飽きることはありません。
キーファー・サザーランド(段々父親に似てきた)、キム・ベイシンガー(流石に容色に衰えが)などのベテランが脇を固める一方、新進の女性シークレット・サービス役のエバ・ロンゴリアがキリリと光ります。何でもテレビ・ドラマの「デスパレートな妻たち」で有名な女優とのこと。中々キュートです。
「陰謀の星条旗」などという副題のせいだけではないのでしょうが、大物俳優が出ている割りには殆どテレビ・ドラマ風に見えてしまうのは、何故でしょう?
- 同様の作品ならやはり、クリント・イーストウッドとジョン・マルコビッチの熱演が光るその名も「ザ・シークレット・サービス」が、断然お勧めです。(^_^)
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2007.01.29 硫黄島からの手紙 ★★★★
- アカデミー4部門(作品賞、監督賞、脚本賞、音響編集賞)にノミネートされたからという訳ではありませんが、ようやく思い立って鑑賞してきました。封切りされてから2ヶ月近く経つというのにまだかなりの入場数で、この作品の話題性の高さを認識させられたことでした。当然ながら観客は圧倒的にシルバー世代が多い・・・。
- 硫黄島での壮絶な戦いを、日米双方の視点でクリント・イーストウッドが描いた「父親達の星条旗」と対をなす作品。両方鑑賞してみると、二つの作品は特に強い相関があるわけではありませんが、双方ともともイーストウッド監督の反骨精神が表現され、それぞれ強烈な反戦メッセージが伝わってくる作品に仕上がっていることが分かりました。これは監督賞のオスカーをいただきだね。(^o^)
- 米兵は殆ど出てこず、アメリカ人も栗林中将(渡辺謙)のアメリカでの回想シーンに若干出てくる程度ですから、殆ど日本映画の雰囲気です。また、全編ほぼモノクロ画面と言ってよく、爆撃の炎や血の色でややエンジ色になるという程度のカラーであることからも、いかにもそれらしい雰囲気を醸し出しています。
- 「父親達の星条旗」と比べて予算配分が少なかったのか、戦闘シーンなどは余りお金をかけた感じはありません。主に地下壕での栗林中将と主役格の一兵士(二宮和也)を中心に、日本側の悲惨な状況を最後まで表現し続けます。何故かエンドクレジットになってじわじわと感動が込み上げてくる、という仕掛け・・・。
- 「父親達・・・」にあった客観的に真実を伝えようとするイーストウッド監督の演出は、本作品でも健在です。米兵の捕虜を手厚く看護し、彼のアメリカの母親からの手紙を朗読するという人道的なシーンを挿入する一方、投降した日本兵捕虜を面倒くさいからと容赦なく射殺するという米兵側の冷酷な場面を見せたりするのは、いかにもイーストウッド的。事実を伝えたまでと、彼のしたり顔が見えてくるようです。
- 最も優秀な指揮官として語られる栗林中将ですが、本編では玉砕を禁じるとともに徹底的な持久戦に持ち込んだこと以外には、余り彼の具体的な戦略の巧さは表現されていなかったと思います。それがやや残念かな。
- 二宮和也は飄々と、まるで現代人のようなノリで演じています。やや軽いか・・・。渡辺謙は悪くはないのでしょうが、ハリウッドで日本を代表する俳優というのには、演技力の点でもまだ少々物足りないような気がします。
- 「ラストサムライ」での渡辺謙のように、いまわの際に英語で叫んだらどうしょうかと思っていましたが、本作では流石にそれはありませんでした。(^o^)
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2007.01.28 レディ・イン・ザ・ウォーター ★
- M・ナイト・シャマラン監督作品と聞いただけで食指が動くのは、それだけ「シックス・センス」が傑作だったからでしょう。これに続く、「アンブレイカブル」、「サイン」、「ヴィレッジ」がことごとく駄作であったとしてもです。
- 本作はファンタジーというよりもお伽噺と言った方がよいかも知れません。ハリウッド版竹取物語かな・・・。
- それにしても見事な駄作です。これまでの中で最低。
- 水の精が地上に現れ、それを襲う「怖いもの」から人間が救い助けて、また元の世界に戻す、という筋書きのようですが、まずは水の精(ブライス・ダラス・ハワード)が何を目的に現れ、何をしようとしたかが全く不明。彼女を救おうとする主人公(ポール・ジアマッティ)を始めアパートの住民達の動機が不明。貧弱なCGの「怖いもの」が、水の精の足を傷つけることが出来ながら、命を奪うことが出来ない甲斐性の無さが不思議。水の精が元の世界に戻ることによって、何が、誰が救われたのかが不明。・・・というように、ことごとくよう分からん映画なのです。
- それでもシャマラン監督の売り物である、あっと驚く(かも知れない)どんでん返しを期待して、一応最後まで寝ないで見続けたのですが、本作ではそれも無し・・・。
- 目立つのはシャマラン監督の登場シーンの多さ。ヒッチコックの例のように、監督は分からない程度の1シーンに出るのが習わしです。監督業に限界を感じて、俳優に転ずるということなのかも知れません。(^o^)
- 演技力に定評のあるポール・ジアマッティが熱演すればするほど、空虚に写るのは彼の責任ではないでしょう。「ヴィレッジ」にも出演していたブライス・ダラス・ハワードですが、こんな不美人でしたっけ?細いアンヨしか、印象に残りませんでした。
- それにしてもシャマランさん、ワイルドワンズの一人に似ていますね。(^o^)
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2007.01.15 スーパーマン リターンズ ★★★
- ジェームス・ボンドと言えばショーン・コネリーというように、スーパーマンといえばクリストファー・リーブでしょう。本作はそのクリストファー・リーブが主演した、スーパーマン・シリーズ4部作の第2作目(「スーパーマン
II/冒険篇」)の後を引き継ぐという構成を採っています。
- 興味は何と言っても、新スーパーマン役であるブランドン・ラウスが如何にスーパーマンらしいか、如何にクリストファー・リーブの代役が勤まるかということでしょう。しかも監督のブライアン・シンガーが、X-MENの最終作を蹴ってまでもこちらに力を入れたということですから、期待が持てると思っていました・・・。
- 【良かった点】
- ・数あるアメコミのヒーローものの原点を、改めて知らされたこと。
- ・リーブ主演4部作に雰囲気を似せていて、敢えてそれを越えてやろうという感じがなかったこと。
- ・VFXも誇張は余りなく、かなり自然な感じで好感が持てたこと。
- (そうは言っても、弾を目で跳ね返すシーンなどはやはり今日的。)
- 【気になった点】
- ・ブランドン・ラウスは悪くはないが、目線が強過ぎ。下手をすると、悪人顔・・・。
- ・展開のテンポが悪過ぎ。後半はダレル。
- ・クラーク・ケントが余りボケていなくて、スーパーマンとの対比の妙が薄れていること。
- ・ロイス(ケイト・ボスワース)の嫌みな女の面が強調されて、可愛らしさがないこと。
- ・ケヴィン・スペイシーの髪の毛が、この映画を境に生えてこなくなるのではないかと心配なこと。(^o^)
- とは言っても、冒頭のジョン・ウィリアムズのテーマ音楽の懐かしさと、エンド・クレジットでの故リーブ夫妻への献辞にジーンときたのでした。(T_T)
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2007.01.09 X-MEN
ファイナルディシジョン ★★★★☆
- X-MENシリーズの3作目にして、タイトルどおりの完結編とのこと。今や大スターとなったヒュー・ジャックマンやハル・ベリーを大ブレイクさせたこのシリーズの功績は大きいと言えるでしょう。加えて、様々なミュータントを登場させ、マイノリティの悲しみを中心としたストーリーテリングの巧さで本国でも大ヒットしました。
- 本作も劇場鑑賞したかったのですが、見逃していたのでした。それにしても劇場公開されたのが昨年の9月上旬ですから、DVDのリリースは驚くほど早くなっています。
- 前2作の監督はブライアン・シンガーでしたが、何故か本作ではブレット・ラトナーに変わっています。彼はサー・ホプキンス主演の「レッド・ドラゴン」などのメガホンも取ったり、最近TVシリーズで大ヒットしている「プリズン・ブレイク」の総指揮を行ったりしている人物です。
- 今回の目玉は、ミュータントを普通の人間に変えてしまう「キュア」なる新薬が開発されたこと。ミュータントのまま生きるか、それとも人間になるかという究極の選択に、ミュータント社会は大きく揺れる、というお話。うん、解りやすいです。(^_^;)
- 冒頭の掴みに既視感があると思っていたら、「T2」のそれでした。ここで体を金属化できるコロッサスが登場し、以後、本シリーズの魅力である様々な能力を持つミュータントが現れ、活躍する展開となります。一方で、前作で死んだはずのジーン(ファムケ・ヤンセン)が復活したり、はたまた主要なメンバが死んだりします。私のお気に入りのミスティーク(レベッカ・ローミン=ステイモス)が、何と普通の人間になってしまったのは残念というか、何と言うか・・・。(^_^;)
- アクションや映像面での迫力は、シリーズ最高と言ってよいでしょう。サンフランシスコの金門橋をアルカトラズ島にナニするシーンだけでも、映画館の大スクリーンで見たかった。マグニートー(イアン・マッケラン)が車をお手玉のように自在に操るシーンなども・・・。
- ジーンに対抗するのがサイクロップス(ジェームズ・マースデン)でなく、ウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)であるというのがやや納得できませんが、まああのクライマックスはやはり彼が演ずるのが順当なのでしょうね。
- 邦題は元より、原題も「The Last Stand」ですから最終章のはずですが、あのラストのチェスの駒がかすかに動いたり、エンド・クレジットの後のおまけ映像(音声)からは、明らかにTo
Be Continuedなのではないでしょうか?(^o^)
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2006.12.18 ユナイテッド93 ★★
- 余り見たくない映画だったのですが、評判の良さについ陳列棚に手が伸びるのでした。9.11でハイジャックされた4機のうち、唯一そのターゲットに到達することなく、ペンシルヴェニア州に墜落したのがユナイテッド航空93便。本作はこのユナイテッド航空93便が離陸してから運命の時を迎えるまでを描いています。
- 本作の映画化の話を知ったとき、正直そこまでやるか、と思ったものでした。見終えてもそれは変わりませんでした。40人の乗客は幸か不幸か家族との電話でテロが同時多発していることを知り、そして自分たちの運命を知ってしまうのです。酷すぎませんか?緊迫感はそれなりにあります。二度とこのようなことがあっては行けない、ということも分かります。でも、何を訴えたい映画なのか、やはり判然としません。
- 犯人達に立ち向かって行く勇気は讚えるべきなのでしょう。でも、誰も現場の真実は知りえないのです。映画ではコックピットの中に乗客が入って犯人らと揉み合うシーンが映し出されますが、実際はコックピットの中への突入はなかったとのこと。どうもハリウッド臭さを感じてしまうのは不謹慎でしょうか? アメリカ空軍のミサイルによる撃墜との仰天説もあるようです。
- 「Let's roll(さあ、行くぞ!)」という犯人グループに立ち向かう乗客の最後の言葉が、この映画では有名になりました。ブッシュ大統領もその後の演説でこの言葉を使って、テロとの戦争に参画を求めるスローガンとしたとのこと。何やら「父親たちの星条旗」のエピソードを想起してしまいます。(-.-)
- 殆ど無名の俳優を使ったこと、管制官の一部を当時の本人に演じさせたこと、揺れ動くハンディカム撮影に終始したことなどから、リアリティ溢れたドキュメンタリー・タッチの映像ができ上がったことだけは間違いありません。
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2006.12.11 007/カジノロワイヤル ★★★★
- よく、ナマコを最初に食べた人は偉いと言いますが、同じようにダニエル・クレイグをジェームズ・ボンドに選んだ人はとても偉いと思います。「ミュンヘン」での脇役の彼を見て、到底ボンドを張れる人物とは私は思えませんでした。映画の冒頭でもその思いは変わらず。ところがです。映画を見終えた時点では、全くそれらの違和感は消え去っていましたから不思議です。これまでのイメージとは異なる、碧眼で金髪の余りハンサムでないボンドですが、しっかり納まっています。中々出てこないなと思っていた名セリフ、「My
name is Bond. James Bond」はラストで登場。それに続くお馴染のテーマ音楽のクロージングにも感激です。
- 本作は007シリーズの第1作ということで、ジェームズ・ボンドが007のライセンスを取得するまでを描いているのですが、時代としては、インターネットを駆使したり、お馴染のM(ジュディ・デンチ)のセリフに「冷戦時代は良かったわ」などと出てくるので、明らかに現代であると思われます。ところが、007シリーズでは付き物の科学兵器やおもしろツール類は一切登場しません。宇宙ロケットなどのSF的要素も皆無。つまり、すこぶるアナログ的なのです。ダニエル・クレイグも殆どスタントを使わなかったとのこと。よく走りましたもの・・・。(^o^)
- 序盤の工事現場での空中戦(?)には度肝を抜かれましたが、それ以降ややだらけてしまう感じが惜しい。タイトルがタイトルですから、賭博シーンを挟むのは良いとして、もっとノンストップ・アクション風に仕立てても良かったのではないかと思います。
- 拷問シーンはとても痛々しい・・・(男なら特に)。これほど屈辱的な目に合うボンドも珍しいのではないでしょうか。M:I:3の涙を流すイーサン・ハントと同様に、ヒーローをこんな風に扱ってはいけませんよ。
- ボンドガールはエヴァ・グリーン。どこかで見た顔だと思っていたら、「キングダム・オブ・ヘブン」で王女を演じていました。ドレスアップした彼女はすこぶる付きの美形・・・。
- 総じてリフレッシュされた007シリーズという感じで好印象でしたが、オープニング・クレジットに女性をモチーフにしていなかったのが不満と言えば不満・・・。(^_^;)
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2006.11.27 トランスポーター2 ★★★
- 特に気が進まなかったのですが、余りにも大量に陳列してあったので、つい手が伸びていまいました。前作に続く、制作・脚本がリュック・ベッソンによるジェイソン・ステイサム主演の運び屋のお話です。
- 第2作目は危険の無いはずの6歳の少年が依頼品なのですが、当然何かが起こるわけで、主人公が巨大な陰謀に巻き込まれていくという展開です。
- 今回も荒唐無稽なあり得ないアクションが満載。正面衝突する車の間で寸前にジャンプするなどはまだ良いとして、車の下に取り付けられた爆弾を除去する方法には、唖然とさせられます。こういう映画なのだ、と納得してから見ないと腹が立ちますから、御用心。(^o^) ウィルスを扱う医学的検証も、殆どデタラメだと素人でも分かったりします。兎に角、ストーリーに関してもあれこれ目くじらを立ててはいけません。そういう映画なのです(くどい?)。
- ジェイソン・ステイサムに対して、第二のハンサム・ハゲと命名しましょう。もちろん、第一はブルース・ウィリスです。(^o^) 彼はチョイ役の悪役などもこなしています(「セルラー」など)が、十分主役が張れるほどの貫録が付いてきました。かつては飛び込みの選手としてオリンピックに出場したこともあるとか・・・。身体能力の高さを活かしたアクションは、それなりに見ものではあります。
- 一方、相対する敵の女(ケイト・ノタ)がとても印象的です。研ナオコをエロくしたような感じで、ボンテージに身をくるみ、二挺拳銃をぶっ放して大暴れ。ややあっけない幕切れですが、まあ余り残酷シーンを見せないコンセプトのようなので、あの程度で我慢でしょう。
- 何も考えず、ボーッと過ごすにはうってつけの90分です。(^o^)
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2006.11.20 イーオン・フラックス ★★☆
- 「トゥームレイダー」のアンジェリーナ・ジョリー、「バイオハザード」のミラ・ジョヴォヴィッチ、「アンダーワールド」のケイト・ベッキンセイル、そして本作のシャーリーズ・セロンのうち、この手のアメコミ映画のヒロインとして誰が一番意外かと言えば、やはりこのセロンでしょう。身長は177cmで、首を始め手足が長く、何となくこの手の戦う女戦士のイメージにそぐわないと思うからです。
- 舞台は西暦2011年の近未来、人類は新種のウィルスにより99%が死滅、生き残った500万人は汚染された外界から隔てられた都市で政府の管理下の元、安全かつ平和な生活を送るようになっています。そんな政府に強い疑いを抱く反政府組織は、最強戦士イーオン・フラックスに君主暗殺を命ずるのですが・・・。
- まず冒頭のシーンに驚かされます。飛んでいるハエをまつ毛で捕獲するのですから・・・。ただ、これがどういう意味を持つのかは良く分かりません。反射神経が超人的であるということを示したのでしょうか? 私には、衛生観念の無い女、としか写りませんでした。(-.-)
- アクション・シーンでは、意外とセロンが良い動きをしています。イモリのような匍匐(ほふく)前進、連続のバク転、大股開きでの着地など、予告編でお馴染のシーンなどは、スタントは全く使わなかったというから、驚き。運動神経は見かけより良かったのですね。ただし、特典映像では、バク転で怪我をして撮影を3週間止めた、などと白状していましたが・・・。
- 金髪の髪を黒く染め、シーンごとに露出度の高いコスチュームを付けます。寝巻きにあんな機能的でないものを着て良いのでしょうか?風邪を引かないかと心配です。また、いくら似合うからと言って、夜間の襲撃に白装束では目立ち過ぎていけません。
- ということで、本作はセロンだけを見て、その美しさにただただ感動すればよい映画なのです。(^_^;)
- 蛇足:「モンスター」、私はまだ見る勇気がおきません。
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2006.11.18 ナイロビの蜂 ★★★★
- アカデミー賞の授与式で、お腹の大きいレイチェル・ワイズが助演女優賞のオスカーを手にして嬉しそうにスピーチしている光景が印象的でした。本作品はこの他にも、脚色賞、編集賞、作曲賞にもノミネートされていました。
- 邦題やDVDのパッケージからは純粋な恋愛映画の雰囲気が感じられますが、かなり重いテーマを扱った社会派サスペンス映画であると言って良いと思います。
- ケニアのナイロビに赴任した外交官(レイフ・ファインズ)の妻(レイチェル・ワイズ)は、慈善活動に没頭しています。ところがその妻が何者かに殺され、それをきっかけにそれまで妻の活動に無関心であった夫は妻の行動に目を向け、やがて政治的な陰謀が絡んだ事件の真相に迫っていきます・・・。
- 原題は「The Constant Gardner」ですから、堅実な庭師とでも訳すのでしょうか?舞台がナイロビで蜂のマークの製薬会社が絡んだ事件を扱っているので、日本で出版された小説がこの邦題であったとのこと。レイフ演ずる外交官は庭いじりが趣味なので、原題はこの外交官を指しているのでしょうが、堅実なというのは、物語後半の主人公が自らの危険も顧みない真相を追い求める態度を表しているのだと、見終えて分かりました(違うかな?)。
- 映画文化が殆ど無いケニアで実際に撮影されたという映像は、水道も電気も無いトタン屋根の一面のスラム街を映し出す一方で、美しい自然を切り取ったシーンを所々に鏤めています。政府や大手製薬会社の陰謀など、どこまでが事実なのかは分かりませんが、とにかくケニアの住民の悲惨な生活の現実に息を飲むことしきりです。いまどき、ある部族が略奪のために銃で他部族を襲うなどという現実があるのでしょうか?
- 後味は必ずしも良くないのですが、レイフ・ファインズは「イングリッシュ・ペイシャント」といい、どうもこの手のやり切れない悲しさの雰囲気が似合う男ですね。
- そういえば、「ケニアが赴任先だったら一人で行ってもらうわ」って、誰かが言っていたなぁ・・・(楽屋落ち)。
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2006.11.06 父親たちの星条旗 ★★★★
- ワシントンDCに、崩れ落ちそうになりながら必死に星条旗を掲げようとしている(ように見える)兵士達の有名なモニュメントがありますね。本作は、太平洋戦争で激戦を極めた硫黄島において、この彫像が作成されるきっかけとなった摺鉢山の頂上に星条旗を掲げた6人の兵士達にまつわる真実を描いたものです。
- クリント・イーストウッドがこの硫黄島の戦いを、米国側の視点と日本側の視点から描いた二部作を監督しました。これはその第一部の方です。二作目は日本側から描いた「硫黄島からの手紙」で、こちらの公開は今年の12月とのこと。
- 目まぐるしく時間が、現在、過去を行き来します。過去も、戦場と帰還してからと二つの流れがありますし、加えて過去と現在の人物の誰が同一人物か、テロップだけではすぐ判別出来なかったりするので、慣れるまでやや混乱してしまいます。これがこの映画の欠点と言えば欠点。
- しかし素晴らしいのは、極めて客観的に真実を伝えようとする演出であると思います。ハリウッド映画にありがちな、善人、悪人を明確に描き分けるような誇張は一切ありません。国債を買ってもらわんがために祭り上げられた英雄に対して、それらの是非を敢えて問うことをせずに、こういう状況下では止むを得ないだろう、という説得力を持っているのです。
- 帰還した兵士の一人が、「英雄は私達ではなく、戦死した多くの仲間達です。」と演説するシーンは胸に込み上げるものがありました。
- 戦闘シーンの臨場感は、「プライベート・ライアン」には劣るかも知れませんが、湾の俯瞰シーンや岩壁からの砲撃シーンはCGとは思えない見事な迫力でした。かなりグロいシーンもあるので、お子様達は要注意(R指定は無いようです)。
- ライアン・フィリップ、ジェシー・ブラッドフォード、アダム・ビーチの3人が主役格。ネイティブ・アメリカン(つまりインディアンね)であるアダム・ビーチの演技が光っていました。
- エンド・ロールに実際の戦場写真が流れ、そちらに眼が行ってクレジットは見ずじまい。また、最後に「硫黄島からの手紙」の予告編があるのですが、渡辺謙の力んだ演技に少々引いてしまいました。イーストウッド、こちらの方は巧く演出出来たのでしょうか?
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2006.11.05 レント ★★☆
- 最近はブロードウェイの人気ミュージカルが続々と映画化されていて、嬉しいかぎりです。本作もロングランされていて、トニー賞やピューリッツァー賞も受賞している評判のミュージカル。かつてニューヨーク滞在時に見ようと思ったのですが、チケットが取れにくいということで、断念した記憶があります。
- オープニングは舞台そのものという雰囲気で、主要メンバが並んで「Seasons of Love」を歌いだします。いいですねぇ。
- で、一転して映画の背景となり(当たり前だ)、ストーリーが始まります。レント(家賃)が払えないような貧しい若者達の、ゲイ、レズ、ドラッグ、エイズなどの問題を絡ませ、懸命に生きていく姿を描いた群像劇、という感じでしょうか。セリフが殆どなく、歌で語っていきます。ミュージカルは唐突に歌いだすから嫌いだ、という人はこの作品は敬遠しておいたほうが無難でしょう。
- ただし、ダンス・シーンは余りなく、全体がMTVのような雰囲気で終始します。多分、歌が中心の舞台に忠実に作られているのでしょう。
- ストーリー展開はヒネリがあるわけでもなく、同性愛やHIV陽性者の苦悩をストレートに描いていきます。まあ、退屈と言えば退屈。エイズの取り上げ方も、古めかしい。時間も135分というのは、長過ぎです。後半をもっとカットすべき。
- 初演舞台のオリジナル・キャストが6名も演じているので、歌は巧いけれど、若者と呼ぶにはややくたびれている感じは否めません。最も印象的だったのは、ゲイのエンジェル役を演じたウィルソン・ジェレマイン・ヘレディア(有名になりたかったら、もっと覚えやすい名前をつけなさい)。舞台でも同役を演じたとか。器用な役者さんですね。次はミミ役のロザリオ・ドーソン。歌も歌えるのですね、この人は。モーリーン役のイディナ・メンゼル。ややトウが立っていますが、舞台でもお尻を見せたのでしょうか。(^_^;)
- 挿入歌も聞き込めばもっと良くなるのでしょうが、印象に残るのは「Seasons of Love」くらいです。
- 概して評判が高い作品ですが、私としてはやや期待外れ(体調が悪かったかな?)。舞台は機会があったら、是非見てみたいとは思います。
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2006.10.22 ポセイドン ★★☆
- 1972年に公開された「ポセイドン・アドベンチャー」をリメイクしたというよりも、それをモチーフにして制作したという方が合っているようです。当時このオリジナル映画は、「タワーリング・インフェルノ」などと同様のパニック映画のはしりとして、極めて印象深く私の記憶に残っています。「エアフォース・ワン」、「Uボート」や「トロイ」などのウォルフガング・ペーターゼンの監督作品。
- う〜む、やはりオリジナルは中々越えられない、というのが正直な感想です。オリジナルでは船が転覆して上下が逆さまになったというのが大きなポイントでした。本作はそれらのことには全く関心が無かったようです。少年が便器が逆さまになったトイレを恐る恐る除いていたオリジナルの特徴的なシーンは、本作ではありませんでした。また、VFXも同種の「タイタニック」の前にはどうしても見劣りがしてしまいます。それでも冒頭の巨大な船の俯瞰シーンは、それがCGであると分かっていても見事な出来栄えではありました。
- この手の映画には付き物の、サイド・ストーリーのヒューマン・ドラマも一切ありません。兎に角、やみくもにドンドン脱出劇が進められます。
- それにしても、最初に主要グループの人物が犠牲になるシーンはいただけません。あれはルール違反ではありませんか?御都合主義も至る所に・・・。あんなに簡単にはボルトは外れませんて。あんなに都合よくゴム・ボートはありませんて。一番の疑問は、スクリューの脇にあんな空間があったこと。船の構造で、あんなのあり?
- と、まあ突っ込みどころは多いのですが、テンポよく進む展開には、それなりに引き込まれます。
- オリジナルのジーン・ハックマン扮する牧師役に相当するカート・ラッセル。最後のカッコ良さでも負けてしまいました。エミー・ロッサムは居てもいなくてもどうでも良い、と言う感じ。リチャード・ドレイファスは、その老け振りに我が目を疑ったことでした。
- 98分という短さ。潔いと思います。(^o^)
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2006.10.16 プロデューサーズ ★★★★☆
- ニューヨーク滞在時にブロードウェイで舞台作品を見ようと思ったのですが、何故か「美女と野獣」のポピュラリティに負けてしまって(^_^;)見れなかったのでした。トニー賞の史上最多受賞の12部門(どんなんがあるのか?)に輝いた、21世紀最強ミュージカルなどと言われているその舞台の映画化版であります。主人公のネイサン・レインとマシュー・ブロデリックの他にも多数が、オリジナル舞台と同じキャスティングなのだそうな。
- 落ちぶれた演劇プロデューサーが、最低のミュージカルを演出して出資金をだまし取るというストーリーなのですが、兎に角笑えます。ドタバタ的喜劇の中に下ネタを存分に盛り込み、ナチスを徹底的に笑い飛ばすという大胆不敵さ。中でもドイツかぶれの脚本家や、ゲイのグループで構成されている演出家らにアプローチするシーンが何と言っても最高です。大笑いしたことでした。また、それぞれの歌が終わるシーンでは、思わず拍手をしそうになるほど引き込まれました。(^o^)
- ただ、ドラマを離れて単独でも聴きたくなるような魅力的な挿入歌があるかというと、ノー。つまり「オペラ座の怪人」などのようにサウンド・トラックCDを購入したくなるようなことはないということ。これはミュージカルとしては大きなマイナス・ポイントでしょう。
- また、ミュージカルにしてはセリフが多めかも。私としては殆ど最初から最後まで歌いまくるものより、落ち着いて見ることができます。それにしても噂どおりの下ネタの多さです。ウマ・サーマンのセクシーな踊りの後の「スタンディング・オベーション」には笑いました。他のミュージカル映画のパロディもあったようです。私が気がついたのは、「コーラス・ライン」のオーディションの始まりのシーンくらいでしたが・・・。
- 主演のネイサン・レインはオーバー・アクトが嫌みになっていないところが素晴らしい。その一方で、マシュー・ブロデリックは体が重く、胸板が厚い割には相変わらずのとっちゃん坊やで、どうもバランスがよろしくありません。歌もヘタウマですし・・・。とぼけたスウェーデン女を演ずるウマ・サーマン。手足の長さをフルに活かして、セクシーに踊りまくります。いいですね。脇役では、ゲイの演出家のアシスタント兼恋人(?)役のロジャー・バートが極めて印象的でした。
- 次にニューヨークに行く機会があったら、是非舞台を見てみたいと思ったことでした。(^_^)
- (DVD)
2006.10.15 インサイド・マン ★★★
- 新聞の映画評では上々でした。なにせ、デンゼル・ワシントン、ジョディ・フォスター、ウィレム・デフォー、クライヴ・オーウェン、クリストファー・プラマー(トラップ大佐ね)という豪華キャストなのです。
- 銀行に人質を取って立てこもった犯人グループと捜査官達の攻防に、銀行会長の過去の秘密を絡ませたクライム・ストーリー。犯人らは人質に対してある巧妙な仕掛けを行うのですが、それがこの映画の全てといっても良いと思います。
- 冒頭の銀行に押し入るシーンから、SWATが銀行を取り囲むシーンまで、緊張感溢れる展開でゾクゾクときたのですが、その後がいけません。主犯の男(オーウェン)と交渉人(ワシントン)、途中で銀行の会長(プラマー)からあることを依頼される弁護士(フォスター)らの頭脳戦が描かれるのですが、ダラダラと間延びしてしまうのです。もっとポンポンとことを運ばんかい!という感じ。
- 監督がスパイク・リーですから、人種差別問題を絡ませ、それでもユーモア溢れる会話もあったりします。ラストは「オーシャンズ11/12」的な終わりを迎えるのですが、どうも消化不良な感じです。
- 綿密に計画を立て、そのとおりに成し遂げたということなのでしょうが、
- ・主犯の男はあれでは部屋の様子が変わるから、すぐにバレルのでは?
- ・残りの3人に対しても、取り調べはそんなに甘くはないのでは?
- ・トイレのために、あんな時間がかかって厄介なことをするか?
- などという疑問は拭いきれません。
- また、犯人らはその後どういう行動に出るのかは観客の想像に任せる、ということなのでしょうが、本来の目的など、もう少しヒントをくれてもよさそうな気がします。
- と言うことで、スパイク・リーの思惑がやや空回りをしたと言わざるを得ない作品。うう、欲求不満だ・・・。(-.-)
- 【蛇足】
- iPodやiSightがフツーに使われています。アップル社がお金を払っているのでしょうかねぇ・・・。(^o^)
- (DVD)
2006.10.02 歓びを歌にのせて ★★★
- 2005年度のアカデミー外国映画賞にノミネートされたスウェーデン映画です。本国では大ヒットし、国民の5人に1人が見た勘定になるのだそうな。
- スウェーデン映画ですから私の知らない俳優ばかりですし、しかも主人公やヒロインを含めて美男、美女は一人もいないのです。ですから、かえってリアリティに富んでいるということも言えるかも知れません。(^o^)
- 世界的に有名な指揮者である主人公(ミカエル・ニュクビスト)が、体を壊した末に引退して戻った故郷の小さな村で、様々な人々と音楽を通じて交流を深めていく、というお話。よくある、「へたなコーラスのチームが、名指導者によって色々な障壁を乗り越え、どんどん巧くなって、最後はコンテストで優勝を果たす」というようなサクセス・ストーリーかと思い気や、そうでは無いのです。
- 終始一貫してチグハグな印象が拭えなかったのですが、一体これは何なのでしょう。主人公がイケメンでないのはともかく、偉大な音楽家には見えませんし、性格も散漫で必ずしも魅力溢れる人物像として描かれていないことが一番の要因かも知れません。冒頭、荒野でバイオリンを弾いている幼い頃の主人公を、複数の子供たちが虐めるシーンがあります。引退して戻った主人公は名前を変えていることもあって、誰もかつての彼だとは気がつかない設定になっています。ところが、これが何も伏線にならず、主人公がかつての自分に暴力を振るった男にそれを打ち明けるのですが、その後の展開に何も生きないのです。
- 小さなエピソードがぶつ切りで繋ぎあわせられていく感じがあり、え、あれはどうなった?と思うところが多々あるのです。どうも消化不良気味・・・。編集で切り刻んだか? 登場人物の個性や境遇を懸命に描こうとしていることは分かるのですが、結局、誰の問題も解決してないと思うのです(除く、初恋の老人カップル)。
- 一番の盛り上りとなるべきラスト・シーンも、私にはどうも腑に落ちません。主人公は、大事なときに何故あんなことをしていた?
- それでも中盤での演奏会で、DV夫に悩まされる女性(ヘレン・ヒョホルム、スウェーデンの有名な歌手らしい)のソロの歌声は素晴らしく、彼女の可哀想な境遇もあって極めて感動的なシーンではありました。
- 主人公を愛するヒロイン、泳ぐとか言ってあんなに簡単に脱いでいいのか・・・。(^_^;)
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2006.10.01 ファイアーウォール ★★★★
- ハリソン・フォード主演の映画なら外れはないだろうというのは、正しいと思います。今どきこのような陳腐なタイトルは感心しませんし、およそIT技術からはほど遠いイメージや年齢(64歳!)であるハリソン・フォードが大手銀行のシステム担当役員の配役であるとしてもです。(^o^)
- ストーリーとしては極めて分かりやすい展開で、ありきたりとも言えるかも知れません。悪党(ポール・ベタニー)一味が、主人公の家族(妻、娘、息子)を人質にとり、主人公に銀行のシステムに入り込ませ、お金を引き出させようとする、というお話です。
- 今どき大手銀行のセキュリティ・システムはあんな甘っちょろいものでは無いと思いつつも、悪党と妻(バージニア・マドセン)など家族との関係と、銀行における主人公の立場、上役・同僚・秘書との関係など、バランスの良い展開に引き込まれてしまいました。最後の展開はひねりもなくややあっけなかったものの、まああの程度が現実味があるというものでしょう。
- ハッキングのためにiPod(ピンク色のminiでしたね)が利用されるのもいかにも今風。ただし、家庭用FAXのスキャナーで「あれ」をスキャンするのは、苦しいでしょう。(^o^)
- クールで残忍な悪役のポール・ベタニーは極めてはまり役です。「ダ・ヴィンチ・コード」でのシラス役もとても印象的でした。主人公をサポートする秘書はもう少し可愛い女優を使うべきでミスキャスト、と思ったのですが、何とこの人(メアリー・リン・ライスカブ)は人気テレビシリーズ「24」(私は未見)では有名なんだそうですね。
- このところハリソン・フォードは「老体にムチ打って」という表現がぴったりなイメージになってきていますが、本作でも可哀想なくらいに息が切れています。「インディ・ジョーンズ4」は、大丈夫なのでしょうか?
- それにしてもハリウッド映画では、父親の年齢からして子供が小さ過ぎであることが多いと思いますが・・・。
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2006.09.18 Vフォー・ヴェンデッタ ★★☆
- タイトル、DVDパッケージからはB級、或いはC級作品のムードがプンプンであるにも関わらず、レンタル料金を払う気になるのは、ひたすらあの「マトリックス」のウォシャウスキー兄弟が製作と脚本を手掛けた作品だから・・・。おまけに「マトリックス」のエージェント・スミスこと、ヒューゴ・ウィービングが仮面をつけた謎の男「V」を演じているのです。
- 原作はイギリスのコミックなのだそうな。近未来のイギリスで、かつてのドイツ・ナチスのような独裁的な政権が力を得て、国民は完全に国家のコントロール下にある世界。秘密警察が横行し、マイノリティや同性愛者がすべて強制収容所へ送られてしまっています。そんな中で、奇妙な独特な仮面を被った「V」(ウィービング)が一人、体制に立ち向かっていきます。併せて、ある切っ掛けから彼と関わる女性(ナタリー・ポートマン)の数奇な生き様をも描いていきます。
- よくあるコミックもののダーク・ヒーロー的な描き方をしている一方、ポートマンとの絡みは「オペラ座の怪人」的なロリコン趣味を想起させられます。一方でかなり強烈な政治的メッセージを孕んだテロリストとしても描かれるので、今の時点ではかなり微妙な印象を持たざるを得ません。ただ、切れ味鋭いアクション・シーンや、ロンドンの有名な建物(すぐ分かるって)の大爆破シーンは、確かに見ものではあります。
- しかしながら、彼のポートマンに対する行動は全く納得がいきません。可愛い彼女の頭を丸刈りにして、拷問して、それが彼女の精神を鍛えるためだって!!アホか!!
- 兎に角私としては、あの笑い仮面的なマスクが生理的にどうしても受け入れられなかった・・・。見ていると不快感が先にたってしまい、折角の名優であるウィービングが、仮面ながら表情豊かな演技をしている、などという風にはどうしても思えないのです。
- しかし、それにつけても可哀想なのは、丸刈りにされる美形ポートマンと、最後まで素顔を出して貰えない名優ウィービングだ・・・。
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2006.09.10 シリアナ ★
- アカデミー賞にノミネートされた作品は基本的にくまなくチェックしようとしています。本作品は第78回のアカデミーで助演男優賞(ジョージ・クルーニー)と脚本賞にノミネートされたもの。
- タイトルからは容易に体の一部の器官を想起させられます(^_^;)が、もちろんそうではなく、イラン、イラク、シリアがひとつの民族国家になる事を想定する、アメリカによる中東再建のコンセプトなのだそうな。
- 実は途中で見続けることに挫折しました(^_^;)。石油の利権を巡って蠢(うごめ)く人々の陰謀、駆け引き等を群像劇として描いている(らしい)のですが、休日モードのパッパラパーになっている私の頭脳には辛すぎました。登場人物の説明が殆ど無く、場面展開も早すぎて何が起こっているのか、どう関連があるのか殆ど理解できないのです。で、少し頭の休息も兼ねて、DVDプレイヤーを停止に・・・。
- 時間をおいて再開。頭の回転が少しは上がったのか、次第に各々のエピソードの意味は分かり始めましたが、それぞれのつながりは相変わらず全く分かりません。冒頭のやみ取引されたミサイルはどうして彼らの手に渡った?彼の生爪が剥がされたのは、何故?等々・・・。
- 時々衝撃的なシーンがあるので、かろうじて眠りはしませんでした。特にラストの車を攻撃するシーン(あんな現実にありなのかな?)など。
- 配役は、ジョージの他に、マット・デイモン、ジェフリー・ライト、クリス・クーパー、ウィリアム・ハート、アマンダ・ピート、クリストファー・プラマー(エーデルワイスを歌う大佐ね)などの淙々たるメンバです。見たくなりますって・・・。(^o^)
- この映画だけは、鑑賞する前におおよそのストーリー展開、登場人物の背景などの予備知識を得ておくことをお勧めします。
- (休日の大切な時間とレンタル代を返してくれ!!)
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2006.09.04 ホテル・ルワンダ ★★★★
- この映画は2004年度のアカデミー賞で、脚本賞、主演男優賞、助演女優賞の3部門にノミネートされたにもかかわらず、日本で危うく公開されそこなったという希有な作品です。内容の重さ、暗さに配給先が決まらなかったとのことですが、有志のネット上での署名活動などにより、日本公開にこぎ着けたのだそうな。
- 今から十数年前のアフリカのルワンダで、数ヶ月の間に100万人が虐殺されたという事件。その中で一介のホテルマンであったポール・ルセサバギナが、殺され行く1,200人の命を救ったという実話を元に描かれた作品です。
- このホテルマン(ドン・チードル)は、自分の家族だけを愛し、隣人には余り手を差し伸べない利己的な男として序盤は描かれます。そんな彼が数々の困難に一人で立ち向かい、自分の家族とともに次第に周りの多くの人々をも救っていく過程が描かれていきます。
- 多少の脚色はあるのでしょうが、賄賂やウソを駆使し、場合によっては脅しも交えるなどの機転を効かし、勇気を持ってその場を乗り越えていく主人公に、拍手喝采です。しかし、多分、事実はそれらはすべて自分の妻や3人の子供たちのために取った行動。結果的に周りの他人をも救うことになったとしても、誰が彼を責められましょうか。あのシンドラー(エレベータではなくね)でさえも、もともと自分のビジネスのために人を囲ったのが結果的にそれらの人々の命を救うことになった、とも言われています。いいじゃないですか、人間的で・・・。
- 彼のビジネスマンとしての基本的なマナー(付け届け、賄賂、おべんちゃら)とともに、一流ホテルマンとしてのお客を大事にするプロ意識を見習うべきでしょう。地獄の沙汰も金次第、という言葉が終始浮かんできたりもしましたが・・・。(^o^)
- 特徴的な鼻を持ったドン・チードル。すっかり大俳優になったという感があります。主人公らをサポートする国連軍の大佐にニック・ノルティ。久しぶりに若々しい役柄です。ただ、ジャン・レノはまだ良いとしても、ホアキン・フェニックスの報道カメラマン役はあれは何だ?という感じです。現地の女性をナンパして、置いてきぼり・・・。いいのかな、実在の人物なのに。まあ、「この虐殺映像を世界に流してもみんな『怖いね』というだけでディナーを続けるんだ。」という我々を自己嫌悪に陥らせるようなセリフを言うだけでも、存在意義がありましたが・・・。
- いずれにしても、このような映画をお蔵入りしようとした配給各会社は、深く恥じ入るべきです。
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2006.08.28 ミュンヘン ★★★★
- 1972年のミュンヘン・オリンピックで起きたパレスチナ・ゲリラによるイスラエル選手殺害事件と、その後のイスラエル暗殺部隊による報復の過程を描いた話題作。ユダヤ系であるスティーヴン・スピルバーグの監督作品です。劇場で観たいと思っていたのですが、逃してしまっていたのでした。
- 中東問題がなおくすぶる現在において、このような作品を見ることはかなり微妙・・・。終わり無きイスラエル・パレスチナ紛争のほんの一部分をただ垣間見ただけで、殺し合いの無意味さをアピールするには、いかにも無力と言わざるを得ません。一方でつい先だって、カイロやアテネに行ってきた身としては、つくづく無事に帰って来れて良かったと思うことしきり・・・。
- 164分の長尺で、かつ実話に基づいているために特に大きな盛り上がりはないのですが、一つひとつのエピソードに何かしらアクセント(多分、脚色ですが)が付けられていて、弛れることなく最後まで集中して見ることができました。特にイスラエル選手殺害事件のシーンを、所々に断片的に挿入することにより、展開全体にアクセントをつけることに成功しており、巧い演出だと思いました。
- ただ、主人公(エリック・バナ)の生立ちや背景が余り明確に描かれておらず、彼の報復へのモチベーションがイマイチしっかり伝わってこないもどかしさが終始ありました。加えて重要なことは、報復の対象者がイスラエル選手殺害事件の実行犯ではなく、間接的な首謀者達であったこと。彼らが一人ひとり消されていっても、必ずしもスンナリと受け入れられる気にはならないのでした。
- オランダ人の女性殺し屋のエピソードはいかにも辛く、後味悪し。しかもあの吹き矢、いや吹き鉄砲みたいな武器は何なんだ?かなりリアルで残酷な描写です。しかも、下腹部を隠したり、敢えてまたさらけ出したり・・・。主人公の身重の妻とのセックス・シーンも含めて、スピルバーグの女性の描き方の拘り(?)を感じさせられました。
- また予告編では、主人公の家族と殺しの狭間に立つ苦悩みたいなものが強く表現されていたと感じましたが、本編では余りそれは強調されていなかったように思います。
- 主人公とともに最後まで残るメンバをダニエル・クレイグが演じていますが、この人は第6代目ジェームス・ボンドです。うーむ、そういうふうにはとても見えませんでした。
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2006.08.27 サウンド・オブ・サンダー ★
- 予告編は何となく大作っぽい感じでしたので、期待しての鑑賞だったのですが、見事に外れました。ネタはタイムパラドックスもの。本来この手は好きな分野なのですが、私にはどうも退屈でした。B級テイストがプンプンで、殆どTV映画という感じです。
- まず、キャストがまるで地味。特に女性の配役はもっと何とかならなかったのでしょうか?わずかにオスカー俳優のベン・キングスレーを使っていますが、余りパッとしません(でも、髪の毛がある!)。
- 次にCGの稚拙さ。合成であることを殆ど感じさせない「ジュラシック・パーク」シリーズを見習うべきです。部分的には、おお、と感じさせる場面もあることはありましたが、総じていけません。ああいう状況なのにクリーチャーの種類が少なく、節約し過ぎ。しかも、主人公(エドワード・バーンズ、何であんなにハスキー・ヴォイスなの?)とクリーチャーの格闘シーンなどでは、幼児向け怪獣映画のような御都合主義が満載ですし・・・。
- それでも「時間の波」は現実味の有無はともかく、展開を分かりやすくしている良いアイディアだとは思いました。
- 一件落着したラストシーンで、例えば「実はまだ影響が残っていた」などというヒネリを加えても良かったかも知れません。
- 確か本作品の試写会には、例の亀田兄弟が出て宣伝していましたね。私は本作品を「面白い!」というようなミス・ジャッジは致しません(誰からもお金を貰っていませんし)。(^o^)
- (DVD)
2006.07.31 パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト ★★☆
- 製作者のジェリー・ブラッカイマーさん、3年前の公開時の大ヒットで、随分気を良くしたのでしょう。第二作目も大々的にお金をかけて宣伝をしていました。「さらば、ジャック・スパロウ」などとキャッチ・コピーにあったので、そうか、遂に主人公(ジョニー・デップ)が死んでしまうのかな?、などと思っての観賞でした。
むむむ、第一作目をもう一回DVDで観賞してから見れば良かった・・・。このシリーズ2作目の本作は、登場人物に全く説明が無いどころか、第一作目での設定や人物の相関が、すべて分かっていることを前提に展開されるのです。主人公級の三人、ジョニー・デップ、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイはともかく、その他の人物や背景などは、私には既に忘却の彼方なのです。見ていてかなりストレスが溜まりました。ディズニー映画ということで、夏休みの小学生などの観賞も多いのでしょうが、これで彼らは楽しめるのでしょうかね。
確かにデップのクネクネ演技は健在ですが、ややふざけ過ぎでした。中盤のドタバタ的展開(水車コロコロとか)には眠気がさす始末・・・。
船を襲う大蛸のVFXも、襲われる人間との合成は巧いと思いましたが、全体的に色調がいかにも作り物と言う感じがぬぐえませんでした。どこまでがCGか良く分からない悪役の蛸男も相当気持ち悪い(後ろ頭のポコポコとか)です。
- 第一作目以降、順調に大スターの道を歩いているオーランド・ブルームとキーラ・ナイトレイは、本作ではかなり印象が薄いのも不思議です。キーラの胸の成長ぶりもしっかり確認が出来ないまま、終わってしまいました。ま、男装がキマッてたから、やはり成長が止まっているのでしょうね。(^_^;)
何よりも不満だったのは、最後に登場した人物。如何にも意外な人物が現れたぞ、という雰囲気だったのですが、見終えてしばらくしても彼が誰だか私には分かりませんでした。後でファン・サイトで、第一作目で死んだはずの人物であることが分かって、かなり脱力。それはないでしょう。あれで復活はルール違反だぞ・・・。じゃあ、ジャック・スパロウは死ぬわけありません。
ま、次作も見に来てね、ということなのでしょうが、連続テレビ映画ではないのですから、ある程度一作単位で完結させて欲しいものです。1,800円も投資しているのですから・・・。
- 因に本作も長〜いエンドロールの後に、瞬間芸的シーンが現れますので、最後まで席を立ちませんように。(^o^)
(劇場)
2006.07.24 クラッシュ ★★★★
- 第78回アカデミー賞(2005年度)で、作品賞、脚本賞、編集賞の3部門のオスカーを獲得した話題作。「ミリオンダラー・ベイビー」の脚本家である、ポール・ハギスの初監督作品なのだとか。彼は監督賞にもノミネートされていましたが、オスカーは「ブロークバック・マウンテン」のアン・リーに譲っています。
- 人種の坩堝のロスを舞台に、人種差別と銃の怖さをテーマにした群像劇、と言ってよいでしょう。タイトルは「衝突、触れ合い」といった意味で、人と人とのつながりのない大都会で、実は皆が触れ合いたがっている、ということを表しているようです。
- え〜と、余りにも登場グループが多くて中々数えられません(七つかな?)が、次第にそれらが関係を持ち始め、最後には見事につながります。特にペルシャ人家族と鍵屋の黒人親娘のエピソードは感激もの。伏線が恐ろしく、そして巧く、活かされています。やや出来過ぎという感じがしなくもありませんが・・・。
- 人種差別、銃の恐怖、盗み、強盗、権力を笠に着た越権行為など、憎むべき行為が次々と描写されますが、底を流れているのは人間愛なのでしょう(と、利いた風なことを言う)。各エピソードの持つ怒り、悲しみ、憎しみなどが、次第に本来人間が持つ愛情、慈しみ、喜びに向かって行く中で、終盤の若い白人警官とその車に乗った黒人のエピソードだけは、悲し過ぎ・・・。全てハッピー・エンドでは締まらないということも分かりますが、もう少し何とかならなかったのかい?>ハギスさん。もっとも、「ミリオンダラー・ベイビー」のあの悲劇を書いた人だからなぁ・・・。
- マット・ディロンが複雑な心情を持つ警官を好演。特にサンディ・ニュートンを救出する場面は感動ものです。
- ドン・チードルも可哀想過ぎる境遇ですが、同僚女性(ジェニファー・エスポジト)と良いことしているから、彼には同情しません。(^_^;)
- サンドラ・ブロック、ブレンダン・フレイザーは印象薄し・・・。
- 見終えて、しみじみ良い映画を見たなぁ、と久々に思わせてくれる作品でした。
- (DVD)
2006.07.23 M:i:III ★★★★
- 「M:i:III」などと書かれても、読めない人も多いことでしょうね。「ミッション・インポッシブル・スリー」です。(^o^)
- テレビ映画の「スパイ大作戦」をトム・クルーズがプロジュースして映画化したシリーズの三作目。ミッションを伝えたメディアが煙とともに消える、トムが変装する、トムが地上スレスレの所まで落下して止まるなどの名場面(?)や、ラロ・シフリン作曲の最高にかっこいいテーマ曲は、本作でも健在です。
- 公開後2週間経ち、しかも例の海賊映画の公開初日と重なってしまったので、行ったシネコンでは本作は小さめのシアターでの上映でした。ただ、比較的年齢層が高め(私と同じくらい)の観客が大半であったのは、少々驚きでした。
- スピーディに展開し、アクション満載の本作は大いに楽しめます。ストーリーの分かりにくさもありません。冒頭の危機的シーンが布石となって、お得意のミスリードもちりばめられ、巧い構成になっています。
- ただ、本作では監督が替わったせいか、主人公イーサン・ハント(トム・クルーズ)とその妻(ミシェル・モナハン)の恋愛劇が色濃く出て、スパイ・アクション一直線が売り物だったはずの本シリーズとしては、ややリズムを狂わせていると私は感じました。また、トム側のグループで死者が出てしまうので、後味の悪さも少々・・・。
- 予告編等でお馴染の、爆風で吹き飛ばされて車に叩き付けられるシーンなど、トムはとにかく頑張っていますね。高層ビルからのパラシュート半開きでの落下シーンは、画面が暗くて様子がよく分かりませんでしたが・・・。ともかく彼は余りスタントを使わなかったとのことで、そのせいか撮影期間を通じてろっ骨を6本折ってしまったのだとか(オイ!)。
- 妻役のミシェル・モナハンは、リブ・タイラーの美形度を少し下げたという感じですが、終盤いきなり銃の達人となってしまうのが、やや違和感あり。次回は、夫とコンビでスパイ活動をするのかな?(^o^)
- 悪役は「カポーティ」で主演男優賞のオスカーを手にしたフィリップ・シーモア・ホフマン。すこぶる付きの悪役です。彼の存在感(憎たらし度、とも言う)なしでは、この映画の価値は半減したことでしょう。トムのグループで目立っていたのは、マギー・Q。伊東ゆかりを美形にした感じの彼女は、ベトナム人とのハーフとのこと。
- とにかく、トライアスロン的展開ともいうべき大迫力の本作品は、劇場の大画面で観ることをお勧めします(自分が観ているからと言って、安易にそんなこと言うな!>はい(^_^;))。
- (劇場)
2006.07.10 プライドと偏見 ★★★
- 第78回アカデミー賞で主演女優賞など、4部門にノミネートされた話題作。残念ながらいずれも受賞はなりませんでした。
- 冒頭のシーンから文芸作品の香りがプンプンです。背景も音楽も極めて洗練された美しさ。主人公のキーラ・ナイトレイは言うに及ばず、美しい・・・。顔はね。顔は美しいが、如何せん胸が無さ過ぎます。横姿のシルエットが形にならないのです。冒頭の彼女の登場シーンでは泣きたくなりました。ミラ・ジョヴォヴィッチもしかりですが、女優にとっては致命傷なのではないでしょうか?(言い過ぎか・・・)
- 女性に相続権が無い18世紀末のイギリスが舞台。5人の姉妹の母親が何とか資産家に嫁がせようと躍起になっている中、次女である主人公は彼女の前に現れた男性に対して、「プライドと偏見」が邪魔をして、中々素直になれないのでした・・・。と、いう展開のお話です。
- 退屈な前半を我慢しているうちに、それでも徐々に引き込まれていって、後半では主人公を思わず応援している自分に気がつきました。ゆっくりとした時間の中で、丁寧にそれぞれの登場人物の情感が描写されていきます。見ている方も何かしらゆったりした気分に浸れます。
- イギリスの田舎の雄大な風景、お城のような大豪邸、きらびやかな舞踏会なども見事です。カメラワークも自在に動き回って、臨場感に飛んでいます。
- 相手役のマシュー・マクファディンは余り個性的ではありません(ジョン・キューザックに良く似ている!)が、良い味を出していましたし、父親役のドナルド・サザーランドは言うに及ばず、意地悪な親戚役のジュディ・デンチの貫録の前にはひれ伏すしかありませんでした。(^o^)
- ただ、ただキーラの胸だけが惜しかった。「キング・アーサー」のポスターのように、CGで増強することは考えなかったのでしょうか?(^_^;)
- (DVD)
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