1998.4.26 パブリック・アクセス ★
- 評判の高い「ユージュアル・サスペクツ」(これは必見の作品です)と同じブライアン・シンガー監督作品ということで、期待して見たのですが、見終わって頭の中が?だらけになりました。
- とある田舎の街に訪れた主人公が、お金を出してケーブルテレビの番組に出演し、その街の問題について電話参加の住民と公開討論する、ということがベースとなって話が展開していきます。
- 多分この主人公は何かとんでもないことを企んでいて、そこに話が通じていくのだろう、と誰でも思うことでしょう。ところが、話は意外な方向には進むのですが、一向にその意図が解らないのです。結局最後に、主人公がその街を去るまで、彼は一体何者で、彼の行動の目的は何だったのか解らずじまいでした。(?_?)
- まだ話が続くのだろうと思っていたら、いきなりエンドタイトルが流れ、アレーという感じです。(見終わって時間を確認したら87分の短い作品でした)
- 主人公を演じているロン・マークエットは、なかなかいい味を出しているのですがね。
- 私の観賞センスを遥かに越えた、素晴らしい作品でした。(^_^;)
- (ビデオ)
1998.4.20 恋愛小説家 ★★★★
- アカデミー賞の主演男優賞と主演女優賞に輝いた贅沢な作品なのに、観客の入りがパラパラで拍子抜けしてしまいました。その日の最終回だったせいでしょうか?
- 殆どクレージーな潔癖症(一回の手洗いに新品の石鹸を2個使う、など)で強迫神経症(歩道の継ぎ目が踏めない、など)の上に、相手を間違いなく不愉快にするような辛辣な言葉を吐く、嫌みな小説家(ジャック・ニコルソン)と、彼が毎日通うレストランのウェートレス(ヘレン・ハント)とのコメディタッチのラブストーリーです。
- 主人公の呆れるほどの嫌みな言動には、思わず何回も笑ってしまいました。随分売れている恋愛小説の作家らしいのですが、日常の言動は自分の小説の甘いストーリーとは全く裏腹で、大フアンだといって近づく女性に対しても皮肉を言って落胆させる始末なのです。
- そんな男ですが、実は、優しい心の持ち主であり、またウェートレスに好かれたいがために、少しずつ自分を変えるための努力をしていく、というのが話のキーになっています。
- ヒロインが主人公にある言葉を囁かれ、「それは私への最高の褒め言葉よ!」と感激するシーンは観ているこちらも感動しました。
- 見終わってほのぼのとした気持ちにはなりますが、まあ結局、ジャック・ニコルソンの観客までをも呆れさせる嫌みの演技と、ヘレン・ハントの魅力で見せる映画なんでしょうね。
- また、不運なゲイの画家を演じているグレッグ・キニアが素晴らしく上手い。ワンちゃんも名演技。ニコルソンは太り気味でやや醜悪。
- ヘレンの雨に濡れたTシャツから胸が透けて見えるシーンは、思わぬ大サービスでした。(^_^;)
- (劇場)
1998.4.17 レリック ★★
- この手のホラーものは、どうしても「エイリアン」のコピーか、そのバリエーションになってしまうのはやむを得ないのでしょう。終盤「エイリアン3」と全く同様な、特徴的なシーンが出てきて、やっぱりね、と思いました。
- バイオロジー・ホラーというべき内容で、「恐ろしいもの」の正体がなかなか明かされない形でストーリーが展開されますが、私は中盤でその正体が判ってしまいました。
- この手のものでは、正体を現した時にそれが余りにもこっけいな、陳腐な姿で失笑を買うということはよくあります。ここでも多分CGとハリコの実写を交えているのだと思いますが、「恐ろしいもの」そのものはB級の域を脱していません。
- それとあんな大きいものが、ビルの中で途中まで姿を隠し通せるというのは、どう考えても無理でしょう。
- ホラー作品としては、かなり怖がらせてくれる方でしょうし、相当残酷な描写もあります。でも、それだけ。
- 「恐ろしいもの」の持つ、悲しい運命をもっとじっくり説明してくれたら、話に厚みが出たのでしょうがね。例えば「フライ」のように(あ、これネタバレになるかな?)。
- (ビデオ)
1998.4.15 ロスト・チルドレン ★★
- 評判の高かった作品ということでしたが、多分、人によって評価が分かれるのではないかと思います。
- 子供の夢を盗むために子供たちを誘拐する科学者の一味と、そこに弟を捕らわれた男が、子供の窃盗グループの一人である少女の協力を得ながら、弟を救い出していく、というお話です。
- 私にはこういう奇妙な味のファンタジーは観ていて疲れてしまうのです。独特の色彩感覚をもった暗い映像、ローテクっぽい道具立て、奇妙な登場人物達と、それとは全く対照的な物凄いSFXが駆使されていて、そのアンバランスな感じも私にはストレスになってしまいました。
- 監督は、まもなく封切りされる「エイリアン4」のジャン・ピエール・ジュネで、そのせいかここで怪力男を演じている主人公のロン・パールマンや、科学者役のドミニク・ピノンも「エイリアン4」に出演しています。
- このロン・パールマンの存在感は圧倒的です。初めて見た人があっと驚くような独特の風貌(いわゆるメーキャップが不要な猿顔!)を持っており、特にその眼は個性的な演技に大いに貢献しています。
- また、蚤の動作のクローズアップや、少女が老婆になり、老人が幼児に連続的に変わっていくSFXは一見の価値ありです。
- 「バロン」のような映画が好きな人には多分お勧めですね。
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1998.4.13 コンタクト ★★★★★
- この作品の原作者は、天文学者のカール・セーガン博士ですが、氏は残念ながらこの作品の完成を見ずに1996年に亡くなってしまいました(享年62才!)。天文学者であると同時に、氏は優れた想像力を持つ文学者でもありました。1970年代に、木星への無人探索機に人間の裸の男女の絵や、太陽系の惑星の絵を書いた、有名な「宇宙人への手紙」を積もうと主張し、それを実現させたのが博士でした。
- この作品での地球外生命体を探索してやまない主人公の女性科学者(ジョディー・フォスター)には、彼自身がそのまま投影されています。
- 話は、研究への投資を渋る冷ややかな態度の政府側や、成果を横取りしようとする上司、恋愛関係にあった政府の要人などのエピソードが絡んで退屈することはありません。
- ヒロインが本当に地球外生命体とコンタクトできたのかはここでは伏せますが、ややもすると嘘っぽくなるそういう設定に対して、最後にもう一つの現実的な可能性が提示されたことによって、この作品は極めて良識ある仕上がりとなっています。
- 繰り返し出てくる、「この広い宇宙に地球人しかいないのは、もったいない」というセリフ、妙に納得させられました。また、ジョディー・フォスターの相変わらずの熱演ぶりは、特筆ものです。
- 第2の基地の舞台が北海道になっていたのですが、何か他意があったのでしょうか?
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1998.4.9 判決前夜 ★★★★
- 原題は「Before and after」。日常生活で起きたある事件の前と後で、いかに人生が変わってしまうか、という意味なのでしょう。殺人の容疑をかけられた自分の息子を、その両親がいかに救っていくか、またその息子がいかに家族を救っていくか、どうすることが真の救いになるのか、ということを問うシリアスなヒューマン・ドラマです。
- どんな平和な家庭でも、ここでの事件のような災難がある日突然起こりうる、ということを思い知らされ、比較的地味な展開ながらも退屈することはありません。特に、息子を救えるならば手段を選ばない父親の気持ちが痛いほどこちらに伝わってきて、もし自分がその立場になったらどうするか、ということをしみじみ考えさせられます。
- でもやはりこのドラマでも真実は一つであるということを訴えて、納得のいく結末を迎えることになります。
- 両親に扮しているのは、「シンドラーのリスト」のリーアム・ニーソンと私の大好きなメリル・ストリープ。でもここでの彼女は役柄から憔悴しきった顔で、可哀想です。息子は「T2」のエドワード・ファーロングですが、いやあ、大分イメージが変わりましたね。
- (ビデオ)
1998.4.6 バウンド ★★★★★
- 評判どおりの一級のサスペンス作品で、観終わった時に思わず手を叩きそうになりました。これは楽しめます。
- 刑務所帰りの女性修理工(ジーナ・ガーション)が、ふと知りあったマフィアの情婦(ジェニファー・ティリー)と結託して、マフィアの内輪もめ絡みの大金を横取りしようと企み、数々の危険に遭遇していく、というストーリーです。
- 何とこの二人はレズの関係に陥って、序盤でかなり濃厚なベッドシーンがあったり(^_^;)します。ただし、それが最後まで大事な意味を持つことになるのですが・・・。
- マンションの隣り合った二つの部屋で殆ど話が進められていきますが、その展開にひねりが色々あって、観るものをぐいぐい引き込みます。所々にウッド・ベースをフィーチャした音楽が入り、それがまたカッコイイんですね。
- 終盤、ある人物が射殺されるのですが、ここのシーンは極めて美しく(?)、秀逸です。
- ヒロインのジーナ・ガーションは、最近では「フェース・オフ」にも出ていましたが、ここでは極めてクールな、存在感のある役を演じています。情婦役のジェニファー・ティリーは、あのハスキーボイスとグラマラスな肢体とが相まって、目茶苦茶妖艶!。マフィア役のジョー・パントリアーノが、悪玉でありながら可哀想なくらいの非運な状況を、大変うまく演じています。
- エンド・タイトルのバックにトム・ジョーンズの「She's a lady」が流れていました。懐かしい!
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1998.4.3 グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち ★★★
- 先日のアカデミー賞の授賞式で、この作品で助演男優賞に輝いたロビン・ウィリアムズと、同じく脚本賞のマット・デイモン、ベン・アフレックが、目茶苦茶喜んでいたのが印象的でした。
- 数学の天才的頭脳を持ちながら、幼い頃の義父からの虐待で心を閉ざしている青年(マット・デイモン)が、妻を亡くしたセラピスト(ロビン・ウィリアムズ)の地道なカウンセリングにより、次第に心を開いていく、といった青春、ヒューマン・ドラマです。
- はっきりいってこのストーリーは、私には退屈でした。特に中盤以降の展開が何となく平坦で、主人公が心を開くトリガーとなるセラピストの言動も、私にはイマイチ不明確でした。
- また、主人公の不幸な少年時代やセラピストの妻との思い出も、もっと映像による表現があったら人物描写に厚みが出て、より共感できたのではないかと思います。とにかく、この映画はセリフが多いのだ!
- やはりこの映画は、ブラピ、ディカプリオに次ぐ人気男優、マット・デイモンの繊細な演技を見るためのものなのでしょう。ロビン・ウィリアムズもいつものようなオーバーアクションでなく、抑えた落ち着いた演技をしています。
- 主人公の恋人役のミニー・ドライヴァーは、完全にミスキャストです。もっと可憐な美女を使って下さい!
- (劇場)
1998.3.29 ホワイトハウスの陰謀 ★★★
- この陳腐な邦題、もう少し何とかなりませんかね。原題は、「Murder at 1600」で、多分ホワイトハウスがワシントンDCの1600番地なんでしょう。
- 原題のとおり、ホワイトハウス内で殺人事件が起こり、FBIの黒人刑事(ウェズリー・スナイプス)がホワイトハウス側の抵抗を受けつつ捜査を進めるうちに、恐ろしい陰謀が明らかになっていく、というストーリーです。
- まあまあ良く練られた筋で、最後まで首謀者が判らないしかけになっています。ただ、主人公以外の人物の描き方が不足しているために、ストーリーに厚みが出ていないと思います。特にキーとなる大統領の息子や警護役のヒロイン(ダイアン・レイン)などは、もう少し回りの人間との関係の描写が必要でした。
- 主人公は、自分の職務に忠実な一方、アパートが政府側の立ち退き勧告を受けていて困っていたり(この話が最後の最後まで生きています)、ストレス解消のために街などの模型製作に没頭してたり、愛すべき人物として描かれています。
- ホワイトハウス内のスキャンダルを扱った作品はこの他にも沢山あります。特に今回のアカデミー賞にノミネートされた「Wag
The Dog」(ダスティ・ホフマン主演)は、大統領のセックス・スキャンダルを扱ったものということですが、いやはやアメリカは肝っ玉が大きい国ですね。クリントンさん、ホントに大丈夫?
- (ビデオ)
1998.3.21 ショーシャンクの空に ★★★★★
- これを未見でしたら、絶対見ることをお勧めします。素晴らしい映画です。見た後は、ビデオのパッケージカバーどおりの気持ちになること、請け合いです。
- スティーブン・キングの作品は中には、げて物ホラー的なものも多くありますし、名作の誉れは高かったのですが私には退屈だった「スタンド・バイ・ミー」のようなものもあります。ですがこの作品はストーリーが大変良く練られていますし、一つ一つのエピソードが興味深く、観るものを飽きさせません。
- 主人公のティム・ロビンスは物静かなインテリをうまく演じていますし、脇役で黒人のモーガン・フリーマンが相変わらずいい味を出しています。
- 無実の罪でショーシャンク刑務所に投獄された者と、そこに居る非情な看守、狡猾な所長、服役者との様々な人間関係を描きつつ、後半あっと驚くような展開が待っています。どうぞその素晴らしいカタルシスを味わって下さい。
- (ビデオ)
1998.3.18 トゥモロー・ネバー・ダイ ★★★
- 「ジェームス・ボンドのテーマ」が流れてこちらに向かって銃弾が放たれ、画面が赤く染まるお馴染みのイントロ、それと例によって女性のボディをオブジェにしたセクシーなタイトル・バック、いやあ相変わらずカッコイイですね。
- 英国と中国に偽装工作を仕掛けて戦争を引き起こさせ、それを独占報道することで世界制覇をたくらむメディア王と、それを阻止しようとするボンドとボンド・ガールの攻防、というのがメイン・ストーリー。
- でも期待し過ぎてはやはりいけませんね。息もつかせぬノンストップ・アクションかと思いきや、さにあらず。途中、少しだれ気味になります。特にストーリー自体はひねった展開はありませんし、毎度趣向を凝らしているはずの秘密兵器も、どこかで見たことがあるような感じで余り新鮮味はありません。
- それでもリモート・コントロールでのカー・アクション・シーンや手錠をつながれたままでのモーター・バイクのチェース・シーンは見どころですし、ビルの懸垂幕を使っての(どう使うかは見てのお楽しみ)脱出劇は斬新です。でも、ヘリのあんな形のホバリングって物理的に不可能な気がしますが・・・。
- シリーズ最強のボンド・ガールとのふれこみの香港出身女優、ミシェル・ヨーは迫力的にも魅力的にもイマイチ。
- ピアーズ・ブロスナンは、あれはあれで貫録は充分といっていいのでしょうが、私にとってはやはりショーン・コネリー以外のボンドは結局、偽物っぽく思われてしょうがないのです。
- イントロとタイトル・バックだけなら★★★★★でした。(^_^;)
- (劇場)
1998.3.13 フェース/オフ ★★★★★
- 香港出身のジョン・ウー監督が放つ大エンターテインメント、奇想天外、ハチャメチャ、大アクション映画。これは楽しめます。
- なにせキーとなるテーマが「フェース・オフ」、すなわち「顔を剥ぐ」ですから、荒唐無稽以外の何ものでも無いのですが、その特殊な状況を色々な場面で意味のあるものにして、観るものを引きつけます。
- 特に秀逸だと思ったのは、主人公と悪玉が対峙した時にガラスにめいめいの「自分の顔」が映り、それに銃口を向けるシーン。うまく考えています。
- また、大爆発や銃撃戦などでスロー・モーションを多用していますが、これは効果的です。
- ニコラス・ケイジのらっきょ型とジョン・トラボルタの下膨れの顔同士では、頭蓋骨も変えないとだめなのではないかとか、眼がそのままならいくらなんでもバレルでしょうとか、夜を共にして妻が気が付かないのかとか、気になるところは幾つかありますが、まあそんなことを言うのは野暮というもの。
- ニコラス・ケイジは本来悪玉なのですが、善玉を演じる時間が長いため、観る側としては彼の方に感情移入し親近感を覚えてしまいます。随分演技のうまい俳優だったのですねえ。ハリウッドのモト冬樹、いいぞ!
- (劇場)
1998.3.08 アナコンダ ★★★
- アマゾン奥地の民族の取材に行くグループが、途中で蛇狩りを目的としたハンターに出会ったおかげで大蛇(アナコンダ)との対決を強いられるという冒険物語。
- 昔からこういう怪獣物はよくあって、へたをすると相当陳腐なものになりかねないのですが、ここでは大蛇がCGで作られているだけあってさすがにその動きが鋭く、結構ショッキングな映像に出来上がっています。
- ただ、最近のホラーによくあるパターンの、「最後もう一つおまけ」というやつがここでもありますが、これは相当嘘っぽくて興ざめです。
- しかし、こういう映画の短評はどう書いてもネタバレになりそうで難しいですね。
- ヒロイン(ジェニファー・ロペス)はなかなかグーですぞ。
- (ビデオ)
1998.3.07 マーズ・アタック ★★
- ジャック・ニコルソン、グレン・クローズ、ダニー・デビート、マイケル・J・フォックス、ピアーズ・ブロスナン、アネット・ベニングという豪華な顔触れで、おまけに歌手のトム・ジョーンズまで出てくる始末であきれ返ってしまいました。
- 古典的な宇宙人(火星人)襲来物なのですが、その空飛ぶ円盤や宇宙人を敢えてリアリティに富んだ物にせず、漫画チックにしたのは、古典的SFの雰囲気を横溢させるためにむしろ成功だったのではないでしょうか。
- アメリカ映画によくある大統領が凄い働きをするパターンかなと思い気や、結構残酷な展開としたのはかえって新鮮でした。
- ティム・バートン監督が自分でも楽しみながら製作した、という感じです。
- トム・ジョーンズ、以外と老けてなかったですね。
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1998.3.06 グリマーマン ★
- いつも利用しているビデオ店で昨年度のベスト・ランキングが表示されていて、15位までで唯一未見のものがこれ(12位)でした。
- なんとなく外れる予感がしていたのですが、見事外れてしまいました。
- だいたい白人と黒人の刑事コンビというどこにでもある設定や、「羊たちの沈黙」ライクでありながら、ちっともおどろおどろしくない殺人に加え、主人公が例によって演技をしないスティーブン・セガールですから期待するほうが間違っていたのかも。
- 機械仕掛けのようなアクションシーンも緊張感に欠け、盛り上がりません。
- 因みにグリマー(glimmer)とは、かすかな光という意味で、ベトナム戦争時、主人公が敵側からかすかに見えた次の瞬間には敵がやられてしまっていることから付いたあだ名だそうです。
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1998.2.28 フィフス・エレメント ★★★
- 全ての生命を絶滅させる悪から人類を守るための力を備えた四つの石と、キーとなる五番目のエレメントを巡って攻防が繰り広げられるSFファンタジー。
- ブルース・ウィリス主演ということでもっとシリアスなストーリーかと思っていました。例えて言えばスターウォーズ、とインディージョーンズをミックスした感じ、というのが当たっているのではないでしょうか。これがあの「レオン」と同じリュック・ベッソン監督作品とは到底思えません。
- 冒頭から前半の部分にかけて、しっかりプロットを追わないと全体のストーリーが解らなくなる可能性があります。途中ドンパチ的な銃撃戦が続いて少しだれ気味になりますが、後半から終盤にかけての展開は楽しめます。
- ヒロインが高層ビルから身を投げるスローモーションのシーンや、宇宙人の歌姫の幻想的な舞台のシーンが印象的でした。
- ブルース・ウィリスは相変わらずハマッていますし、ヒロインも魅力的です。
- 大統領側の連絡係(?)の黒人は、やかまし過ぎ!
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1998.2.28 スピード2 ★★★
- 第一作目のバスと地下鉄から、舞台を海洋の豪華客船へ移してのサスペンス・アクション。主人公がキアヌ・リーブスからジェイソン・パトリックへ変わったものの、サンドラ・ブロックとの関係を含め一作目の続編という状況設定です(違うかな?)。何せ前作で車を壊された黒人が、今度はボートに乗って現れるのですから。
- 前半は展開のテンポが遅くて、犯人が工作を進める過程の緊迫感がなかなか伝わってきません。タンカーとのトラブルでの迫力もイマイチですが、さすがにその後のクライマックスは見ごたえがあります。
- ただ「タイタニック」なんかと比較するのは酷なのでしょうが、クライマックスで全体の俯瞰映像が撮れておらず、船首のみの映像ではトリック撮影がバレバレで、少々物足りません。
- 一作目では、バスが物理的に無理なジャンプをして、見ていてずっこけてしまいましたが、今回も犯人の小型飛行機の最後の止まり方は、物理的には到底不可能でしょうね。
- 出来れば主人公は今回もキアヌ・リーブスにやってもらいたかった。
- 犯人役のウィレム・ディフォーが怪演しています。
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1998.2.27 セイント ★★★★
- 少年時代の暗い過去を背負った盗賊である主人公が、ロシアを舞台に低温核融合の方程式を巡ってスパイ作戦を繰り広げるというアクションもの。
- 主人公であるバル・キルマーが複数の人間に変装するのですが、見ている我々からするとそれがバレバレで、ストーリーの中でも結局相手に見破られてしまうのです。ですがその方がむしろ現実味があって良かったと思います。また、変装のたびに訛りや発音も変えているようなのですが、その辺の違いが我々にも(いや、私だけか?)判ればもっと楽しめたのでしょうね。
- ストーリー自体はそうひねったところはありませんが、変装などの面白さが加わってまあまあ楽しめます。ただ終盤で、民衆がそこで起きた状況の変化をあんなに素早く、正しく理解できたというのは腑に落ちないところです。
- こういうアメリカ映画を見ていていつも思うのですが、英語圏意外の国の人物が明らかに英語を話す必然性のないところでもどうどうと英語を話しているシーンを見て、あちらの人は奇異に感じないのでしょうか?今回の場合ですとロシア人の悪玉の実業家とその息子の会話、最後のロシア民衆に向かっての演説など。日本映画だったらそういう設定ではお笑いになってしまいますよね。
- ヒロインのエリザベス・シューはなかなか魅力的な女優です。心臓が悪いという設定なのですが、それにもかかわらず全力疾走したりして頑張るのは御愛嬌です。
- あと、主人公の情報ツールでマックが活躍していました。\(^O^)/ 映画ではよくマックが使われるのですよね。
- それにしても、地下組織のリーダーのような金の亡者のあの女性は一体何だったんでしょう?
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1998.2.22 ターゲット ★
- 米国大統領補佐官が大統領をめぐる陰謀に立ち向かい、自らも命を狙われながらそれを阻止していく、というよくあるお話。
- 最近外れが多いです。ストーリー自体は何の新鮮味もありませんし、手に汗を握るというようなアクションシーンもありません。だいたい、プロットに納得のいかないところが多々ありました。
- 例えば、殺し屋が確実に狙った相手を倒しているのに、何度も危ない場面に遭遇している主人公とヒロインには全く弾が当たらない(当たり前ですがあまりにも不自然です・・)とか、大統領を狙うあんな秘密兵器(?)を使うのであれば、なんでもっと確実な銃を使わないか、とか、最後に屈強の殺し屋がなんであんなにあっさりやられてしまうのか、など。
- チャーリー・シーンとリンダ・ハミルトンのコンビですが、なんとなくぴったりこない感じがします。(ヒロインにはもっと美女を使って欲しい!)
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1998.2.18 ゲーム ★★
- 富豪のビジネスマンが誕生日に弟からある「ゲーム」への招待状をもらい、しぶしぶそれに参加して以来、現実とそのゲームの境が解らなくなるような妙な出来事におそわれていく、というサイコ(?)・サスペンスです。
- ストーリー展開が平たんですし、余りにハマリ過ぎて腑に落ちないところもありました。落ちもだいたい途中で読めましたしね。
- 後味が良くない、ということでは同じデビッド・フィンチャー監督作品の「セブン」と同様ですが、宣伝文句ほどラストは私には衝撃的ではありませんでした。
- 主人公とキーとなる女性とのエピローグも取って付けた感じ。どうせならもう一ひねり欲しかったですね。
- 主人公のマイケル・ダグラスは48才という設定ですが、いやあ彼も老け顔になったもんです。弟役のショーン・ペンはあんな端役ではもったいないでしょう。
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1998.2.14 ワイルド・バンチ ★★
- 以前から名画の誉れ高き映画でしたので、観たいと思っていました。また最近はこのディレクターズ・カット版が公開されました。
- 駅のお金や輸送途中の武器を強奪するグループとそれを無理やり追わせられるグループと強奪を依頼するグループの駆け引きを中心描いたもので、銃撃場面のスローモーションが特に有名です。
- 感想は一言、古風だね、です。ストーリーや画像はともかくとして、シーンの切り替えで不自然な部分が目立ちましたし、やたら皆が高笑いをする場面が多いのですが、何となくわざとらしいのです。もっとも昭和44年の作品ですから無理もないのでしょうが。
- 有名な銃撃シーンも、昨今のスピーディでよりリアルなアクションシーンにならされた眼からすると、まあね・・・。
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1998.2.07 ピース・メーカー ★★★★★
- ロシアの核兵器が盗まれ、その犯人を追跡していくうちに意外な使用目的を持った別の人物が浮かび上がり、その人物による核爆発の阻止を、米国の核の女性専門家と将校が行なっていくというサスペンス・アクション。なんとミミ・レダーという女性の監督作品だそうです。
- いやあ、これは必見です。何の予備知識も持たずに観たのですが、見せ場の連続で、全く息つく暇がありませんでした。特に、核弾頭の強奪シーン、カーチェースのシーン、ヘリコプターによる核弾頭の奪還シーンなどは迫力満点です。この感じは「ダイハード」を観た時の印象に似ていると思いました。ただ、最後の核爆発を阻止する仕組みは、良く画面を(字幕を)見ていないと、あれー、なんだったっけ?ということになりかねません。
- 民族戦争の犠牲者である犯人によって、終盤、この映画のタイトルの意味が明かされます。犯人が弾く悲しいピアノ曲(CDを持っていた記憶があったので、家に帰ってから曲名を調べました。ショパンのノクターン第20番です。多分。)がこの人物の悲劇的な運命を象徴していて、感動的でした。
- ニコール・キッドマンは、少しスリムになった印象がありました(水泳のせいか?)。ジョージ・クルーニーは、「バットマン」などと違って、なかなかいい味を出していました。でもこの映画の主役は、ずばり、テロリストの犯人です。
- (劇場)
1998.2.1 チェンバー/処刑室 ★★★
- 重いストーリーで疲れました。
- KKK(白人至上主義で他の人種の排斥運動を行っている秘密結社)のメンバーで、殺人の罪で死刑を宣告されている祖父を孫の弁護士がその裏に隠された背景を追いながら救おうと努力する話。
- あっと驚くような展開はなく、アメリカ南部の重い十字架を背負った家族の運命が切々と語られていきます。終盤少し救われる展開にはなりますが、見終わってから、うんやっぱりこれしかないんだろうなと納得させられます。
- ジーン・ハックマンがここでも好演。フェイ・ダナウェイは(私はこの人を昔から美人と思ったことがありません)老けましたね。
- (ビデオ)
1998.1.30 タイタニック ★★★★★
- 通常ビデオで見ることを基本としていますが、こればかりは大画面で観ることにしました。映画館で観るのは実に「ロスト・ワールド」以来です。
- 淀川長治さんは、「史実をロマンスが邪魔をした」旨の評を新聞に書いていましたが、私は「ロマンスを通じてしっかり史実を見せてくれる」映画であったと思いますし、またそれに邪魔されるようなちゃちな史実の描写では当然無かったと思います。
- 終盤の沈没シーンは噂どおりのまさに手に汗を握る大スペクタクルで、やはり大画面で観るべき映画だとつくづく思いました。タイタニックとほぼ実物大の船を造って本当にそれを沈めたとのことですが、一体どうやって撮ったのでしょう。「T2」といい、「エイリアン2」といい、さすがにジェームス・キャメロンの描写力というか、映像力は凄いと思います。
- はらはら、どきどきの中にも思わず笑ってしまうようなユーモアのある場面もあります。ヒロインのケイト・ウィンスレットがレオナルド・ディカプリオの手錠を外そうとドジな練習をする場面。船が沈み始めても演奏を続けていたカルテットが、誰も聴いていないからと止めかけるのですが、どうせ普段でも誰も聴いていないのだから、とまた演奏を続ける場面など。
- ケイト・ウィンスレットは魅力的な豊満な美女なのですが、晩年の役との落差が大きすぎです(当たり前か?)。もう少し似ている人を晩年の役に起用すべきでした。
- ディカプリオはこれでまた益々人気が出たのでしょうが、私はどうも「ギルバート・グレープ」のイメージが強すぎて、幼すぎな感じがしてしょうがなかったのですが・・・19才(?)ですものね。
- (劇場)
1998.1.25 ロング・キス・グッドナイト ★★★★★
- 恐怖のえらはり女優、ジーナ・ディビスがこれでもかと活躍するサスペンス、アクション映画です。夫の監督作品ということですぐ「カットスロート・アイランド」を思い出しますが、あれよりも良い出来だと思います。
- 記憶喪失の一主婦が、殺し屋に狙われているうちに実はかつてはCIAのスパイであったことが解ってきて、以前のしがらみで命を狙われ続けるというストーリー。
- 結構大味なのですが至る所で伏線が張られていますので目が離せませんし、相変わらずジーナ・ディビスが(多分スタント無しに)ハチャメチャなアクションを繰り広げてくれます。主婦からスパイになりきった時のジーナ・ディビスのメイクは衝撃的です(言い過ぎ?)。
- 相棒のサミュエル・L・ジャクソンは相変わらずいい味を出してくれています。もてない彼が、「俺なんかここ数年、×××をやってもらってない」と言うセリフには笑いました。
- (ビデオ)
1998.1.25 目撃 ★★★★
- 封切りされた時余り話題にならなかったのでどうかと思いましたが、何と言ってもクリント・イーストウッドの監督・主演作品だからやはりそれなりに見せてくれるサスペンス映画です。それにしても「許されざるもの」、「シークレット・サービス」、「マジソン郡の橋」、本作品と、イーストウッドは(本人も演技も)益々枯れてきていて私には魅力的に映ります。
- ストーリーにはややうまく行き過ぎの部分もありますが結構引きつけられますし、何よりも主人公の娘を思う気持ちの表現には泣けます。ただストーリー上大事な大統領と愛人の絡みのシーンは、あっさりしすぎだと私は思いますがいかがでしょう?
- それにしてもジーン・ハックマンは最近悪者づいていますね。
- (ビデオ)
1998.1.24 マックス M.A.X ★★★
- 初めての作品に、なんでこんなマイナーな低予算ビデオを紹介しなければならないのか我ながら情けありませんが、まあお許しあれ。
- バイオテクノロジーSFといったところでしょうか。ストーリーは単純だし、SFXも稚拙だし、お金もかかっていませんがまあまあ楽しめます。でもこのような殺伐とした映画だからこそ、ヒロインには何でもっと美人を使わないのか理解に苦しみます。怪物の創造主の博士は、エイリアン2でのサイボーグ役で、最近シリーズもののビデオ(タイトルは失念しました)の主人公もやっているランス・ヘンリクセン。私はこの人の雰囲気が好きです。
- 途中の伏線を経ての最後の落ちが中々効いています。
- (ビデオ)
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