五郎のクラスメイト、久松の家は、料亭「夕月」を経営している。 料亭には毎晩のように教頭が招かれており、そのせいか、久松は校内でも、教頭に露骨にひいきされている。 そしてそれを快く思わない生徒によって、久松はいじめられていた。
ある朝、青空学園に、怪文書が広まった。教頭が、料亭「夕月」でどんちゃん騒ぎをしたという内容のものだ。文書は新聞部室で印刷されたもので、文字の筆跡が五郎の字に似ていたため、五郎が犯人ではないかと疑われる。 もちろん五郎は否定するが、いつの間にか「五郎が書いた」という話は、校内じゅうに広まっていた。更に、「夕月」では大石酒店から酒を仕入れていたが、その話が知れると、もう酒を買わないとまで言われてしまった。
真犯人を捕まえるため、夜中に新聞部室に忍び込む五郎。しかし五郎の濡れ衣を晴らすため一平が先に忍び込み、五郎の字を真似て怪文書を印刷していたところだった。 更に悪いことに、ちょうどその場面を宿直の先生に見られ、絶体絶命の五郎たち。五郎と一平の処分は免れたが、新聞部は活動停止を言い渡されてしまった。
五郎の書き損じの原稿を久松が入手していたことが分かり、問い詰められて、ついに自分が犯人だと認めた久松。 走り去った久松は、工事中の建物の屋上に上り、両親が教頭を呼んでちやほやしているおかげで自分がいじめられていることを訴える。 足を滑らせて鉄骨からぶら下がる久松。五郎は「爆発だーっ!」と叫んで鉄骨をよじ登り、無事に久松を助け出す。
教頭は「えこひいきは教員としてもっとも恥ずべきこと」と校長に絞られ、新聞部の活動も再開できることになって、万歳三唱して喜ぶ五郎たちだった。
『ばくはつ五郎』全話リスト
金子医院の息子まさおは、以前、喫茶店でクラスメイトの女の子と一緒にいた所を暴走族に見られ、それ以来何かと因縁を付けられては、金銭や家にある薬品を強要されていた。 そんなとき、病気で青空学園を3年も休学していた細川が、復学の許可を得るため、金子医院に診察に訪れた。 睡眠薬を持ち出して、暴走族に指定された公園に向かおうとした金子。事情を飲み込んだ細川は金子を尾行し、暴走族を撃退。
数日後、細川は一人で、暴走族に話を付けに行く。 金子に手を出さないと約束させるかわりに、自分を思う存分殴らせる細川。様子を見ていた五郎は、細川を助けようとしたが、まゆみに止められる。一方的に痛めつけられる細川を見て、ただ力に訴えるばかりでないことを悟ったかに見えた五郎。
しかし暴走族は約束を破り、また金子に睡眠薬を要求。 怒った五郎は、今度こそ暴走族をやっつけようと飛び出すが、指定された待ち合わせ場所には既に、細川が暴走族を待ち受けていた。 剣道の達人の細川は、竹刀1本で、暴走族を次々になぎ倒す。 自棄になった暴走族は、ガソリンを撒いて火を付けようと画策。 物陰から様子を見ていた五郎は、ここで「爆発だーっ!」と叫んで飛び出し、ガソリンを撒こうとした暴走族に馬乗りになって顔面を連打。
細川の家は神社で、鎌倉時代から続く神道鷹羽流の流れを汲む剣術の使い手だった。 境内で素振りをする彼を見ながら、何故か「俺達はいつか対決するかも知れない」とつぶやく五郎だった。
そして何故、五郎は細川と対決するかも知れないなどと思ったのだろうか?
五郎は酒の配達の途中、川で溺れた子供を助ける場面を目撃。だが、助けた少年は、まるで逃げ去るように、現場からいなくなってしまった。
次の日の登校途中、子供を助けた少年の姿を見かけた五郎は、それが三年生の仲田であることを知り、学校新聞に大きく書く。 仲田は、病気の父の代わりに、同級生の小島の父が経営する工場で働いている。 だが、子供を助けたのは、まだ勤務時間中。新聞のおかげで、仕事をさぼって父親の見舞に行っていたことが、ばれてしまう。 小島の父は仲田を激しく責めるが、それに怒った五郎が、新聞に小島の父を責める記事を書く。その記事が、小島を怒らせてしまう。 そればかりか、個人攻撃だと見なされて教頭から呼び出しを喰らい、新聞部は存続の危機に。
小島は柔道部の鬼丸たちをそそのかし、「クビにする」と仲田を脅して五郎を呼び出させ、体育倉庫で五郎を襲わせる。だが、五郎は逆に鬼丸達を撃退。 覗いていた小島も見つかるが、「これ以上でしゃばると、どんな目にあっても知らないぞ」と逆に脅迫。 五郎は「爆発だーっ!」と叫んで小島を往復ビンタで張り倒す。
新聞部室に戻った五郎は、「書きたいことも書けない新聞なんて」と、退部を宣言して去った。 川原に座り込み、本当のことを書いたのに何故間違いだったのかと悩み、川に向かって「バッキャロー!」と叫ぶ五郎。
次の朝、仲田が五郎に「君のようにもっと堂々と正しいことを主張するべきだったんだ」と、毎朝新聞を差し出す。 それには、工場の設備に問題があったため事故が起きたことが書かれていた。小島製作所の社長は、仲田の父親の入院費や生活費を保障するよう、指導を受けたという。 まゆみが父親に頼んで記事にしてもらったと察した五郎は、新聞部に戻る。まゆみと手を取り合って解決を喜ぶ五郎たちだった。
登校途中、またも暴力事件を起こす鬼丸たち。 鬼丸たちは「変な告げ口しやがるとどんなことになるか、分かってんだろうな」と群衆に言い残し、高笑いしながら学校へと向かう。
事件の目撃者の一人、青野は新聞部を訪れて真相を打ち明け、新聞部は校内の「暴力追放大キャンペーン」を行うことに。 だが校内でのインタビューは、思ったように進まない。どこに鬼丸たちの目が光っているか分からないので、誰も思ったことを素直に言えない状況だった。 更に、テニス部員から話を聞いていた青野が、鬼丸たちにこてんぱんに伸されてしまう。
怒った五郎は、包帯を巻いたままの青野を連れて、柔道部室へと乗り込む。 柔道部長の荒熊は話を聞き、「もしそれが本当なら、柔道部の主将として俺が承知しない」と乗り気に。冷や汗を流す鬼丸たち。 だが青野は、鬼丸たちを恐れて、本当のことを言えない。 濡れ衣を着せた疑いを持たれ、つい「嘘だったら頭を丸坊主にして校庭を逆立ちで1周する」と約束してしまう五郎。 新聞部は動かぬ証拠を突き付ける必要に迫られ、鬼丸たちが暴力を振るう場面の決定的瞬間を写真に撮ろうとあちこちを歩き回るが、なかなかうまくいかない。
新聞部は、鬼丸たちの告発ではなく、校内全体に反暴力の気運を広めようと、キャンペーンを展開。 それが気に入らない鬼丸たちは、今度はまゆみを帰り道で襲おうと計画を練る。 偶然、鬼丸たちの話を聞いてしまった青野。鬼丸たちに見つかり、殴られかけるが、「こんな奴に何ができるってんだ」と何もされずに解放される。 そして帰り道、覆面をした鬼丸たちに待ち伏せされた、まゆみと一平。 しかしそのとき、青野は恐怖を振りきり、五郎を呼びに走っていた。
間一髪、今まさに一平が棒で殴られようとしたとき五郎が駆けつけ、「爆発だーっ!」と叫んで鬼丸たちを撃退。鬼丸たちの写真も撮れ、頭を丸坊主にして校庭を逆立ちして歩く柔道部員たちを見ながら大笑いする五郎たちだった。
第8話の五郎は、まゆみの父親が新聞社勤務だと知っているはずなのに、この話では初めて知ったことになっている。 第2話の直接の続きが第5話だったこともあるし…。 …脚本家間での意志疎通が不十分だったのか、あるいはまとめ役がいなかったのだろうか?
一平に週番が回ってきたが、もう一人の週番は柔道部の三下、清水だった。 見るからに気が重そうな一平。
清水は見回りと称して、泥だらけの靴で掃除が終わったばかりの廊下を歩いたり、水の入ったバケツをひっくり返したりと、やりたい放題。 更に鬼丸たちまでも図に乗り、一年生を集めて雑巾掛けレースをさせるなど、横暴ぶりは目に余るものがある。 怒りに燃え、清水に食ってかかった一平だったが、鬼丸には歯が立たず、「僕も大石君みたいに強くなりたい、ぶたれても蹴られても平気な勇気が欲しい」と大泣きする。
昨日の出来事を週番日誌に書いて提出した一平。 怒った鬼丸は、清水を何度も投げ飛ばし、「日誌だけならまだいい、一平に写真を撮られたらどうするんだ」と、新聞の力を恐れる。 だが、新聞部が現像液を切らしていると知り、奸計を練る。一平に校舎の東半分を回らせ、その後に理科室から現像液を盗んで新聞部室に置き、一平に濡れ衣を着せようというのだ。 現像液が無くなったことで新聞部が疑われ、疑惑を晴らすために教頭たちを部室に呼び入れて見てもらったら、そこには現像液の缶が。見事に罠にはまってしまった五郎たち。 一平は週番のたすきを返却させられてしまう。
温室で犯人について話していた五郎とまゆみ。そこへ清水と鬼丸が現れ、慌てて物陰に隠れる二人。 清水と鬼丸は、前日のことを話していた。物陰で、まゆみのネクタイを引っ張って怒りを抑える五郎。 しかしついに怒りが頂点に。「爆発だーっ!」と叫んで、清水と鬼丸をこてんぱんに伸す。 そこへ一平が現れ、たすきが無くても週番と、ケンカを止める。
無事疑いも晴れ、週番として校内を見回る一平。その背中に紙が貼られているのに気付いていないため、大笑いする五郎とまゆみだった。
調べてみたら、「エイトマン」「ミクロイドS」「宇宙猿人ゴリ」(スペクトルマン)「ジャングル大帝」「巨人の星」「ど根性ガエル」等の古典的作品から「巨神ゴーグ」「パタリロ」等の80年代の名作、更に「ポポロクロイス物語」など最近の作品まで、幅広く脚本を書いているらしい。そしてアニメだけでなく、石原裕次郎の映画とかも。 更に見ていくと…「作家」だと書かれたウェブページを発見。 おまけに、日本SF作家クラブのオフィシャルサイトに名前があるじゃないか! しかも「鬼才」とまで書かれている。 某書籍通販サイトに「あ〜ま〜ぞ〜〜〜ん」と叫びながらアクセスしてみて検索したら、330冊ほど引っ掛かった。 知ラナカッタヨ。=□○_