ばくはつ五郎 全話リスト

  • 第1話 「豆台風がやってきた」(脚本:吉岡道夫)

     青空学園に転校してきた大石五郎
     転校初日の朝、五郎は校内一のゴロツキとして恐れられる柔道部の鬼丸たちに因縁を付けられるが、撃退。
     その様子を見ていた新聞部員の一平に誘われ、新聞部室を訪れる。

     新聞部は朝の出来事を記事にしたことで柔道部の怒りを買い、部室が荒らされてしまう。
     怒った五郎は、「暴力ではなくペンで戦う」という部長まゆみの言葉に納得できず部室を飛び出し、夜道で襲ってきた鬼丸達を「爆発だーっ!」と叫んで、こてんぱんに伸す
     だがその後、考え直し、徹夜で新聞作りを手伝う五郎だった。



     まず最初に、オープニングで圧倒される。激しく回るタイトルロゴ、新聞部のはずなのに柔道やラグビー、鉄棒で活躍する五郎の姿、そして何よりも、インパクトがありすぎて笑うことさえできない、凄まじい主題歌。
     本編に入ってからも、全員が何も考えていないかのようなキャラクター達、ギャグかどうか判断しかねる五郎の行動、とにかく主題歌の通り「いかしている」としか表現しようが無い。
     確かに、絵そのもの、演出、脚本など、様々な面で現在のアニメの方が、技術的には洗練されているだろう。だが、それらが失ってしまった原始的なパワーのようなもの、それがまだ、この「ばくはつ五郎」には残されている。

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  • 第2話 「スターはいらない」(脚本:田代淳二)

     新聞部の記者となり、特ダネを探して街をうろついていた五郎は、偶然火事に出くわす。
     子供がまだ取り残されていると知り、火の中に飛び込んで助けたことで、五郎は自分が逆に新聞のネタになってしまう。
     そのおかげで五郎と新聞部は話題の的となり、五郎が預かってもらっている叔父の家「大石酒店」にも注文が殺到。
     しかし部長が「新聞にスターは要らない」と一喝。五郎は、にわか新聞部員となった取り巻き達と共に部室を出る。

     太陽中学の生徒に絡んでいたゴロツキを「爆発だーっ!」と叫んで撃退したところを「乱闘事件」と誤解されてしまい、名声は一気に悪名へと転化。五郎は弁解もせずに退部届を出して新聞部を去る。
     だがその後、助けられた少年が新聞部室を訪ねてきたおかげで誤解が解けるが、そうとは知らずに草原に寝転んで空を見上げている五郎だった。



     この話で、五郎が父方の叔父の家に預けられていること、叔父が五郎のことをあまり快く思っていないことなどが明かされる。
     そして、新聞部長三枝まゆみの父親が、本物の新聞社(毎朝新聞)で、部署名は分からないが、部長という役職にあることも分かる。(恐らく、父の影響で彼女は新聞部に入ったのだろう)
     学校新聞の特ダネを探して街を歩き回ったり、警察署に行ったりするなど、五郎の奇行は続く。

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  • 第3話 「なだれ崩し」(脚本:足立明)

     青空学園のライバル、太陽中学のゴロツキ柔道部員に自転車でぶつかってしまい、「何すんだ、この(    )」と放送禁止用語で罵られ、こてんぱんに伸される五郎
     折しも、青空学園と太陽中学の柔道対抗試合が行われる直前。新聞部も取材に力を入れており、何かと柔道部と縁のある五郎が、部室の取材を担当することになる。
     柔道部員の松原は、兄が強かったために選手にしてもらったが、素質はあるものの気が小さいために実力を出し切ることができず、一度も勝ったことがない。松原は、五郎に柔道のコーチを頼む。
     毎日、五郎と猛特訓を繰り広げる松原。しかし、松原は帰宅途中石につまずいて転び、怪我をして入院してしまう。

     試合当日、太陽中学の柿本は、必殺技「なだれ崩し」で青空学園を苦しめる。
     五郎の説得で病院を抜け出し、病院にあった自転車を勝手に拝借して試合会場に向かった松原は、「負けても当然」という気持ちから焦りが消え、見事に「なだれ崩し」を破る。
     試合後、控え室で松原と男泣きに泣く五郎だった。



     本編開始から1分もしないうちに、いきなり放送禁止用語の登場。
     松原に奮起してもらいたくて厳しいことを言う柔道部長・荒熊を非難しておきながら、自分は特訓の中でもっとひどいことを言う五郎。
     五郎との特訓の帰り、偶然石につまずいて転んで土手を転がり落ち、偶然大きな石に頭をぶつけ、それを偶然、新聞部を快く思っていない生徒に見られるなど、ご都合主義の連続。
     他人の自転車、それも病院に置いてあったものを無断使用。
     たかだか2つの中学校の対抗戦だというのに、大きな体育館が満員になるほどの観客。
     サブタイトルの「なだれ崩し」は最後の数分になってようやく登場、しかも相手側の技。
     良くも悪くもこなれてしまった現代のアニメに慣れた目には、そうしたツッコミ点ばかりが気になってしまった。

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  • 第4話 「天下御免の親不孝」(脚本:辻真先)

     クラスメイトの安西の家に酒を配達する五郎
     安西の父は人形作りの名人だが、最近は仕事が少なくなって工場も潰れ、酒浸りになって酒代のツケも溜まる一方。今では彼の家に酒を届けてくれるのは、大石酒店だけとなってしまっている。
     安西は父のことを心配し、五郎に酒を持ってこないよう頼み、五郎もそれを了承するが、そのせいで五郎は叔父から、仕事が嫌でサボったと誤解されてしまう。

     酒を買わせないために安西が財布を隠したことで安西の父が安西に暴力を振るうのを見て、五郎は「爆発だーっ!」と叫んで安西の父を張り飛ばし、工房の人形を壊して走り去る。
     様子を見ていた一平とまゆみが叔父に事情を説明するが、しかし、五郎の心はそれでも叔父に通じず、更に怒られてしまう。五郎はまたも「爆発だーっ!」と叫んで店の酒樽の栓を抜いて走り去る。

     郷里へ帰ろうと五郎が去った直後、安西と父が大石酒店に、五郎に礼を言うため訪れる。
     本人から話を聞いてやっと事情を飲み込んだ叔父は、急いで五郎を追いかけ、駅へと急ぐ。
     プラットホームに駆けつけてみると、ちょうど列車が出たところだった。だが、所持金が無くて切符を買えなかった五郎は、入場券で乗ろうとしたが駅員に見つかったため列車に乗らず、まだ駅に残っていた。
     叔父の「わしを殴ってくれ」という言葉に、遠慮なくぶっ飛ばし、笑って円満解決した五郎たちだった。



     前回までの、主に学校を中心にした物語とは打って変わって、人情話。
     珍しく、2回も「爆発だーっ!」と叫ぶ五郎。
     そしてこの回の五郎は、正義あふれる熱血漢ではなく、ただの直情型の中学生に見えてしまう。
     小さな町工場が大手メーカー製品の進出により潰れるという、高度経済成長期を象徴するような内容が含まれていることに、感慨を覚えなくもない。

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  • 第5話 「はなばなしき挑戦!」(脚本:辻真先)

     何故か、第2話「スターはいらない」の続き。
     草原に寝転んでいた五郎は、自分の言動を反省し、まゆみに謝るために学校へと戻る。
     新聞部室の前で、入るべきかどうか迷っていると、空手研究会に勧誘される五郎
     空手研究会は設立されたばかりの同好会で、アメリカ帰りの転校生大倉が設立した。部室前には「柔道剣道ボクシング何するものぞ」と鼻息の荒い文章が掲げられ、それに怒って殴り込んできた柔道部員を返り討ちにするなど、実力を見せつけた。
     大倉は、かつて自分が弱かったせいで半死半生の目に遭わされたことがあり、その屈辱をバネに血みどろの特訓を重ねて強くなったという経緯があった。部員達にも「まず強くなれ」と涙ながらに訴える。

     だが、練習はあまりに厳しすぎた。五郎のクラスメイトの伊藤は、その厳しさに退部したいと言ったばかりに暴行を受け、「あいつカンカンになってリンチしたんだぞ、(    )、見ろよこの痣を」と放送禁止用語混じりで五郎に訴える。
     怒った五郎は、新聞でその暴挙を訴えるが、校内で問題となって教頭の前に呼ばれると、伊藤は大倉の暴力を恐れ、嘘の証言をしてしまう。
     そして教頭の前で、土下座をさせられたうえに殴る蹴るの暴行を受ける五郎

     とうとう、伊藤が本当のことを一平に打ち明け、それを知った五郎は「爆発だーっ!」と叫んで、空手研究会の部室に乗り込む。
     五郎と大倉は神社の境内で決闘するが、他の部員達も駆けつけて大倉を説得したおかげでついに自分の過ちを認め、分かり合うことができた五郎たちだった。



     どうも『五郎』の登場人物は、五郎を除いてみんな、暴力に屈してばかりなのが気になる。
     まぁ、それが無ければ、ストーリーが成り立たないわけではあるのだが。

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