(10月23日)
高い山では紅葉も終わり 頂上付近では雪化粧の季節と成りつつあります。
紅葉前線も 中腹から平野部へとおりて来る訳ですが それに連れて「静けさの戻ったハイキングコース」や「水量の少なくなった沢筋」を辿るのも 気持ちの良い時期と成りました。 そこで今回は冬枯れの「沢歩き」について お話してみたいと思います。
「沢歩き」と言うと 何となく想像はつくかも知れませんが 登山で「沢登り」と言いますと 滑り止めのフェルトを張った専用の靴を用いたり 時にはザイルで確保する事もある様な「登り方」を言いますが 此処では其れ程大変なものでは無く 殆ど水に浸かる事が無い様な 簡単な沢筋のハイキングの事を指します。
夏の暑い時期でも沢沿いのハイキングは気持ちの良いものですが 沢筋を歩く場合は水量が多く 岸辺は薮に覆われ「虫」や「蛇」等余り好ましく無いものも 覚悟で行かなければ成りません。 でも「冬枯れ」の時期には此等も姿を消し 薮も開け水量の減ったコースでは 殆ど水に浸かる事も無く快適に歩く事が出来コースも増えてきます。
取り付き付近では「紅葉のトンネル」をくぐり 叉、上流では「葉の落ちた梢越し」に冬の色に変わりつつある青空を望みながら辿ります。 夏の暗い沢からは想像もつかないくらい 「明るい沢」を楽しむ事が出来ると思います。
では どの様なコースが良いかと言いますと 地図を見て標高500mから1000m位で 等高線の込み入ってない水量の少ない枝沢で 余り大きな滝の無い沢を目安に探すと良いと思います。 そして下山時に利用出来る ハイキングコースや林道が上部に有ればベストだと思います。 初めはハイキングコースに成っている沢から初め 経験豊富な方の同行
が望ましいと思います。 夏の間「渓流釣り」をする方等は詳しいと思いますので 良い沢を訊ねたり、同行をお願いすると良いと思います。
準備としては 先ず細かい部分を確認出来る様に「1/25000縮尺の地形図」を用意し 良くコースの研究をしておきます。 身支度はハイキングの物で良いと思いますが 若干濡れる事も予想されますので タオルや替えの靴下も用意して行くと良いと思います。
さて 実際の歩き方としては 沢の流れを避けて右岸や左岸とコースを変えて 出来るだけ「跳ばないよう」に乾いた岩を選んで歩きます。 また対岸に移る時等 どうしても濡れた岩に乗らなければ成らない時は「重心が真上に来る様に乗り」「濡れた部分を蹴らない」ように注意します。 滝や堰堤など どうしても越せない部分や危険な場合は「高巻き」と言って 迂回をする事に成りますが 比較的多くの人がはいる沢では この様な場所には殆ど踏み跡(巻道)が付いて居りますので 苦労する事は無いと思います。 この様にして やがて源流の「最初の一滴の落ちる処」に辿り着くわけですが 頂上を極める山歩きとは 又一つ違った「感動」と「達成感」が得られる事と思います。 是非皆さんも経験してみては如何でしょうか。*