(8月28日)夏も終わり 山では秋風が起ち始めて居る事と思います。
夏の総括と言う事で 前章より野遊びに纏わる問題点について 考えて居りますが 今回は登山やハイキングに於ける「問題」について 話を進めたいと思います。
我々 登山者が最大限に「モラル」や「ルール」を守って山遊びをしたとしても どうしても残して来て仕舞うものが有ります。 其れは排泄物と足跡です。 此等は訪れる人の数が少ない処で有れば 自然の浄化作用や再生能力で影響を残さない位に処理されますが 数が増え しかも一時期に集中して利用される山域では 許容量を越えて様々な影響がでて仕舞います。 先ずトイレの問題ですが これは生理現象ですので我々動物の行動するところ全て付いて廻ります。 設置されて居るトイレを利用するのが一般的でしょうが 此等の最終的な処理は 極一部を除いて自然に委せて居るのが現状です。 特に高山では 土が殆ど無く岩の山ですので穴を掘る事も出来ず谷に垂れ流し やがて沢に流れ込むと云う事に成ります。 「トイレの穴から谷底が覗ける」と言う笑い話にも成らない山小屋も在るくらいです。 大きな小屋ではヘリコプターで降ろして居る処も在る様ですが まだまだ少ないのが現状で、費用の問題も含めてまだ此と云う決定的な解決策は無い様です。 尾瀬など沢山の利用者の訪れる地域では 「その場での処理」と云う事で研究や試験的な施設の運用が始まって居る様ですが 気温が低く利用が一時期に集中して仕舞うので なかなか難しい様です。 我々利用する側も 此等の事を理解し 積極的に費用を分担して行かなければ成らない時代に来ていると思います。 公衆トイレは「ただ」「其の様なサービスにはお金を払わない」と言うのは日本くらいのもので 自分の出したゴミは勿論ですが「排泄物の処理にも責任を持つ」と云うのが 野遊びだけに限らず社会生活をする者として最低限”当然の義務”以前の”ルール”ではないかと思います。
もう一つの問題点として 「踏み痕」の問題が有ります。 これも僅かな数で有れば「自然の再生の範囲」として 問題には成らないのかも知れません 事実再生能力が勝っていた山域も沢山有りましたが 最近急に人気の出てきた山域 特に百名山ブームで急激に登山者が増加した山域では登山道や駐車場など整備が追い付かないまま 大量の人達が短期間に集中して訪れる様になり だいぶ荒れ方が酷い様です(踏みつけにより裸地化し土砂が流失する)。 この様なオーバーユースが原因と成る問題が続くと いずれ何らかのかたちで「総量規制」と云う事態に成って仕舞うかもしれません。 その様な事態を避ける為にも 野山の植物や 其れを育む岩の上の僅かな表土にもダメージの少ない歩き方を そして周辺に生活する人たちにも喜んで向かい入れられる様な利用の仕方を 我々一人々々が心掛けて行かなければ成らないと思います。 其れと今現在有る登山道の早急の整備を これも行政や「地域の人達の努力」に頼るだけで無く 我々一人々々がぬかるみに石を入れたり又は倒木を除けたりほんの些細な事でも大勢の人が関わり積み重なればかたちに成るのでは無いかと思います。 そしてボランティア募集等の呼びかけが有りましたら 「山で遊ぶ者」として積極的に関わっていく必要が有るのでは無いかと思います。