山小屋宿泊と食事

(7月24日)

 夏も本番 いよいよ休暇を取り 実際に出かける時期と成りました。
高い山に行くには行程が長く 日帰りは難しく成り 更に朝晩の素晴らしい自然の変化を楽しむ為にも 稜線や頂上に近い所で宿泊する事が多く成ると思います。 「気ままにゆっくりしたい」と思う方はテント泊が良いでしょうが 沢山の装備を背負う体力と相応の技術が必要ですので一般には小屋泊りが多く成ります。 と言う事で今回は山小屋利用に就いて考えてみたいと思います。
先ず 小屋を利用する場合は事前に確認が必要です 本来山小屋は避難場所としての性格も有り 来た人全部を受け入れて来たものでしたが 現在の様に登山者が増え しかも一時に集中して訪れる様に成ると 当然溢れ出て仕舞います。 其の為最近は 登山者の一時集中の緩和や総量規制の意味も込めて予約制を採っている小屋(又は山域)が多く成りました。 事前に確認の電話を入れて 必要で有れば予約をして戴きたいと思います。
 さて 実際に利用する場合は遅くても午後3時前位に着く様に計画し 着いたらすぐ受付をします。 そして「部屋割り」「食事の時間」「弁当の予約と受取方法」等 小屋によって少しづつ違いますので 良く確認をして時間を有効に使える様にしたいものです。 後は食事と消灯の時間以外は自由ですので荷物の整理をしたり テラスでコーヒーでも飲みながらうとうとしたり 又はお花畑を散策 そして1日のハイライト”落日”が待って居ます。 暖かい身支度をし テルモスに熱いお茶でも入れて 静かに日没を待つのは何とも言えない贅沢な一時だと思います。 それに続いて満点の星 視界全部、地平線の近くまで こんなに沢山の星が有ったのかと思うほどで 仰向けに寝ころんで観ていると星空に吸い込まれて落ちて仕舞いそうな錯覚に囚われる程です。 部屋で色々な登山者と話をするのも楽しいかも知れませんが 折角素晴らしい所に来て居るのですから 自然との語らいを 是非大切にして戴きたいと思います。
夕飯は受付順にだいたいの時間が指定されて居る場合が多いようで 込んでいる場合は短時間で済ませなければいけません そして出来る限り残飯が出ないように心がけたいものです。
さて 消灯前に明日の準備をして 普段の生活ではまだ仕事から戻らない位の時間に床に着きます。 朝迄の静寂の時間と言いたい処ですが 鼾や咳払い 叉はトイレに立つ音と結構賑やかです。 此処で最近問題に成って居るのが 夜中に聞こえるポリ袋のカサカサと言う音です 時間を考えた行動や布製のスッタッフバック等の利用に拠って防げる事ですので 気を付けて戴きたいと思います。
朝の起床時間はバラバラです 早立ちをする人は気付かれ無い位静かに床を離れたい物です。  慣れた人の中には朝食を小屋で摂らずに 2食分の弁当を持って出かけ 少し歩いた後に景色の良いところ等を見つけて朝食をとると言うやり方をする人も居ります。 又 行動時間の短い余裕のある場合は 朝の散歩をして早出の人達をやり過ごしてから ゆっくりと朝食にするのも良い方法だと思います。 朝食は長時間行動をする為に重要なエネルギー源ですので しっかりと摂る事が原則ですが 朝の混雑した山小屋では 出来るだけ時間を無駄にしない行動パターンを考えて実行するのも 楽しみの機会を増やすコツだと思います。
 山小屋の利用者は心構えとして 下界の旅館の様な「金銭によってサービスを受ける場所」と云う感覚は捨て 公共の施設に近いところと考え 「相応の維持費を負担して利用させて貰って居る」と云う意識が必要だと思います。