ハイキング実践その三

6月19日

 県内の山では ”庚申草”や”シラネアオイ”などを訪ねるハイカーが雨にもめげず沢山出かけている事と思います。
 我々にとって ”雨”はあまり好ましいものでは有りませんが、植物に取っては正に恵みの雨で 此の雨が有るからこそ 高山の岩肌に しがみ着く様にして 小さな花を咲かす事が出来るのです。 そう思うと雨もそれほど嫌な物と感じなく成りませんか。
 前回は歩行途中の休憩 つまり小休止に就いてお話をしましたが 今回は大休止 即ち昼食時の長い休みに就いてお話ししたいと思います。
 小休止でも同じ事ですが 「休む」叉は「食事をとる」と言う事はその後の行動の為に”疲れを癒しエネルギーを補給する”と言う大切な行為です。 楽しい昼食時 頭の片隅に その事を少し思い浮かべて 休んで頂きたいと思います。
 一般的に昼食は頂上等の見晴らしの良い場所で摂ると思いますが 先ず目的地に着いたら すぐに座り込んで仕舞わずに体をクールダウンします。 此は難しい事では無く ザックを降ろしたら軽い屈伸運動や辺りを少し歩いたりして筋肉を解しながら体が冷めるの待つと云う事です。 此と同時に 汗で濡れた衣類も体の余熱で乾かしながら 寒く成らない頃合いで少しずつセーターやウインドブレーカー等を羽織る様にします。 それと平行して 休憩後のコースの確認をしたり そちらのコースから来たパーティーが有れば情報を収拾したりして置くと良いでしょう。 「頂上に着いた時は晴れて居たのに 何も観ずに先ずお昼を食べて居たら いつの間にかガスが出て来て せっかくの景色を見る事が出来なかった おまけに降りるコースが解らず散々探してしまった」等という笑えない話も有るくらいですので 注意して頂きたいと思います。
 昼食は 疲れている時でも食べられる様な物で 充分なカロリーが取れればどんな物でも良いと思いますが エネルギーの補給と云う面からから考えると炭水化物を中心とした物が良く、タンパク質や脂肪類 つまり肉などのおかず類は あまりすぐに役立つスタミナの素とは成らない様です。 出来ればその分 オニギリ(炭水化物)等のいわゆる主食と呼ばれる直接エネルギーに成る物を増やした方が良いと思います。 オニギリと云えば 味噌汁やインスタントラーメン等も 食欲をそそりますし、汗をかいた後の塩分の補給と云う面からも有効だと思います。 此処で一つ気を付けて頂きたいのはスープ類の残りで 自然に還る物としてその場に処分してしまう人が多い様ですが 最近の考えでは 何れ分解して自然に還る有機物でも それまでの間に”動物に影響を与えてしまう”と云う考えから 控える様に成って来ました。 特に自然公園内や高い山では 控えて欲しいと思います。 我々もラーメン等のスープ類は残らない様に予め控えて作る様にし 作った物はすべてお腹の中に処分して居ります。 是非皆さんも理解をして 回りの方達にも此の考えを広めて頂きたいと思います。
 野遊びをする人同志は 当然譲り合いをするでしょうが 回りの植物や沢山居る筈のあまり人の前には顔を見せない動物達にも 少し気配りをして”気持ちの良い”野遊びをして頂きたいと思います。