ハイキング実践その一

6月 5日

 雨の日も多くなり 野山の緑もだいぶ濃く成って参りました。 ハイカーの関心も ツツジ等の樹木の花から高山の草花へと移って来る頃だと思います。
 高山植物の宝庫として良く知られている尾瀬でも そろそろ水芭蕉が見頃の時季となり おそらく今週末は沢山の人達が訪れる事と思います。
 さて前回までは ウエアーを中心に装備のお話をして参りましたが 今回は実際のハイキングに出かけ 歩き始める迄の注意点や衣服の調節についてお話ししたいと思います。
 先ず 用意した装備をまとめてザックにパッキングをします。 此のザックは少し大きめのものを用います。 それは出かける時に着ていた物を途中で脱ぐ事も有り 当然脱いだものを収納するスペースも必要ですし 装備の出し入れも楽に出来るからです。 それからザックを選ぶうえで もう一つのサイズにも気をつける必要があります。 それは”背負い”のサイズで バックレングス何センチメートルと言う表示をしている物も有りますが 本人の背中に合うサイズ、要するに実際に背負ってザックを重みが加わったように手で押し下げたとき ザックの底がお尻の方に下がったりせず 巧く腰の位置にフィットする物が背負い易く そうした自分の身体に合ったサイズを選ぶという事です。 それ自体少し重くなっても 巧くフィットしたザックの方が 実際に背負った時には重さを感じず疲れないもので これは 子供を背負った時「寝ている子は凄く重く感じるが 逆に起きている場合は しがみつく様するので ずっと軽く感じる」と言う事と同じだと思います。 みための”型”や”色”に捕らわれず 幾つか試して自分の背中にしがみつく様にフィットする物を探して戴きたいと思います。
 さて なかなかスタート出来ませんが 先ず現地に着いたら地図で現在地及びコースの確認 必要が有れば地元の人等から情報を収拾し、此等を元に装備の点検と身繕いをします。 そしていよいよ歩き始める訳ですが 殆どの人が解っていてもやらないのが準備運動です。 ちょっと大げさで面倒な事かも知れませんが 普段にあまり運動をしない人程 故障を避けたり、疲れを残さない様にするためにも 足と腰のストレッチングを中心に必ず実行した方が良いと思います。 これで やっと歩き始める訳ですが 初めは”ゆっくり、 ゆっくり”体が温まり一汗かくまで 足元、自分の体調、ザックの背負い具合等 色々な事をチェックしながら ゆっくりと歩きます。
 通常 休憩は40分から1時間位の間隔でとりますが 初めの1ピッチは早めに 体が温まった時点で休憩をとるようにします。 これは休むと言うよりはヤッケを脱いだり 靴の紐やザックのストラップを調整したりするために立ち止まると思った方がよい休みで このタイミングは季節やコースの具合によって違い 徐々に経験で覚えるものです。 初心者の方は少し早い位にとった方が良いと思います。
 この様に 「決められた法則や時間で何かをする」と言うより 経験と多少の知識により 自分の体に聞きながら調整をしていく事が 野遊びではとても大切な一技術となります。 街の生活ではカレンダーを観て一斉に衣替えをしたりしますが 山では気温や日差しや風を肌で感じ 自分の”感覚”で衣類の調整をします 回りの人達と少し違った服装をしていても それが理に叶ったもので 本人が快適で有れば良いと思います。
 色々試して 快適で お洒落な野遊びを楽しんでみては如何でしょうか。