足拵え  

  (5月15日) 

 先日 私は仲間と山スキーを楽しんで来ました。 北の山はまだ 2メートルからの残雪があります 麓では春の盛りのこの時季 山の上でも天気が良ければ半袖で充分な位の夏の日差しになっております。 でも天気が一度崩れればミゾレから雪に変わる事も珍しくは有りません。 夏と冬が交互に訪れ 徐々に夏の割合が増えていくのが 山の春です。
 標高のあまり高くない山ではこれほど極端では無いにしても近い現象は良く有りますので色々な条件に対応出来る様な準備が必要と成ります。 と言う事で今回からはハイキングの足拵え、服装等の選び方と使い方に付いてお話したいと思います。
 先ず「足拵え」です。  簡単に言えば 適度な厚さの靴下を履いた状態で つま先に1センチ弱ゆるみの有るサイズを選び つまり実際に踵につけて履いたとき つま先に1センチ弱ゆるみの有るサイズを選び ソールは手で曲げても簡単に曲がらない位の硬さの有るもの、つま先とかかと回りが芯を入れて保護されたもので 自分の足にフィットするものを選ぶと良いと思います。 型はハイカット、深いものが基本です。
 「私は初心者だから街で履ける様な浅い靴で良いのだけれど」と言う声を良く聴きますが これはは逆で初心者程しっかりとしたものを選んだ方が良いと思います。 ベテランの方は多少足拵えが拙くても経験と体力でカバー出来ますが 初心者はそれが無い分”道具”に頼らなければ成らないからです。
 もう一つ選ぶ上で考慮する事は防水性です。 革を用いて保革油等の手入れによって防水性を得ているものと ナイロン等の布地に防水コーティングをしたもの、内側に透湿防水フィルムを袋状にして用いたもの 又はこれらの複合構造で出来ております。 透湿防水フィルムは”初期状態”つまり使いはじめは 長靴と同じで完ぺきに近い防水性を有しますが 一端内部でフィルムが切れてしまうと外見は何とも無くても水が滲みてしまい補修の仕様が有りません。 永持ちしなくても良い、とにかく軽ければと言う方にお勧めです。 コーティングされたナイロン地の靴は値段が安く、軽いので 初心者の方やあまり条件の悪い所に行く予定の無い方に向いて居ると思います。 革で出来たものは永く使っても手入れをする事によって 初めに近い状態の防水性を維持することが出来ます。 そして内張りも柔らかい革で有れば足が滑らず紐をあまりきつく締めなくてもホールド性が得られますし ソールが減れば ゴム底を張り替える事も可能です。 永く使う方にとっては経済的だと思います。 此らの事を考慮して 自分の行動に合う一足または二種類の靴を用意して使い分けをされると良いと思います。
 吟味して選んだ靴でもそれで完ぺきと言う事は有りません 所詮店から買ってきただけの商品です 良く自分の足で馴らして 其の”靴”と自分の”足”に合う靴下をさがし また其の靴に合った手入れをし、小石や落ち葉等が靴に入る場合に用いる”スパッツ”(これも靴によって多少事なりますので合うものを選んで)を準備したりと この様な事があってはじめて”自分の靴””ベストの道具”に成るのだと思います。
 是非 自分自身の取って置きの 道具 其の組み合わせをみつけて お楽しみ下さい。