□ ストレスや心理と関係する頭痛
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一人ひどい頭痛を抱えていた人が何度か来室されました。しかし、重い脳腫瘍があることが分かってそのまま入院の運びとなってしまいました。

私は「 病院と掛け持ちでもかまわないから、続けたらどうですか 」と奨めてみました。

しかし、これはちょっと言いにくいことですが、病院から一歩も出してもらえない。外部に電話をかけるにもまるで牢屋からこっそり電話をかけるみたいにしてやれやっと電話をしてきたという状態でした。

もし、どの病院へ行っても同じ手術をするのならそれは仕方の無いことですが、私はその拘束性に感情的にならざるを得ませんでした。

これは私たちも医療もどんな療術でもそれをどこを選ぶかは患者の自由だと思います。実際これは法的には国民的人権なのです。

ただ、習慣的、歴史的には患者の側が権威性に依存しすぎてきたという面もありますので、私自身もこれには留意するようにしています。

まあ、その人はお金の事も心配していましたから気持ちがもうギリギリだったのでしょう。



脳腫瘍といえば変わった実例があります。これはいろいろな本にも載り、テレビでも放映されました。

ヨーロッパの幼い子どもが脳腫瘍になりましたが、そのころ丁度スターウオーズの映画が流行っていて彼も好きだったものですから、ある女性の博士が次のようなアイデアを試みました。

博士が総指揮官になり、イメージの中で彼は攻撃宇宙船に乗り、腫瘍細胞を敵と見なして攻撃しつづけたのです。

これは一、二ヶ月の話ではなく、確か一年以上は続いたと記憶しておりますが、それで脳腫瘍は無くなったのだそうです。

その博士はこのイメージ療法を多くの同様の患者に施したそうです。

しかし、これで解決出来ない人もあったようです。
とても謙虚な方で、治らなかった例についてものコメントをされていました。

その子どもがどんなストレスがあったかは分かりません。
むしろ幼児には極度のトラウマがあるようなケースには思えませんでした。

ただ、この子がスターウォーズが好きだったことは注目に値すると思います。

子供は大人より純粋なところがあり、戦いといっても、その背後に妬みや葛藤、憎悪というような余分なものがありません。

他の例でも、子供の場合脳の半分を取り除いてそれでも脳が増殖し直して回復した例もありました。
子供の場合心理的なこともさることながら大人より細胞の増殖性が高いように思います。

私がここでピックアップしたいことは「好き」というそれこそ免疫系が活発になりそうなムードと、意識とイメージと生ものとしての脳の細胞が連動して変化することについてです。


脳腫瘍は機能的症状ではなく器質(形状)的な問題ですので時間がかかってもしかたないことです。

しかし、それが自律神経の働きのアンバランス、頚椎その他の骨の神経の働きのまずさが、心の葛藤と連動しているなら、心の解決がつけば症状と付き合わなくてもよくなるのです。


さて、頭痛ですがどうもストレスが元での頭痛も沢山あります。

ストレスが元であることが原因として考えられるなら、私はこれは手当て法、整体法を施すよりもそのメンタルな改善を試みるべきだと思います。

肝臓や腎臓が脳の症状に関与することは先に少し述べました。

実は、お腹を縦に走る腹筋が肋骨にくっ付くあたりは左右とも感情との関係が大変深い処でして、

特に右は肝臓が解毒中枢であることから、自らの感情自体に慢性中毒を起こしていることがあります。

人間は感情の生き物と言われることがあるのと同時に、ある程度は肝臓や腎臓が受け止めて処理できるようになっているのです。

この能力が無かったら社会生活は成り立ちません。

どうしても我慢やコントロール力は必要とされてしまうのです。

でも、そのことが体において何も感じない、心にも負担にならないなら問題はありませんが、
これが敢えて症状として現れる時にはちゃんと受け止めるべきです。

何故かというと、症状があるのは歪みや偏りがあるからそれが生じるのですが、
同時にこれ以上歪まない、偏らないことを脳が望んでいるからこそ症状も起きるのです。


多くの人は医療的な検査も怖れますが、私たちの所へきてもよく次のようなことがあります。

「あ、ここに緊張がありますね。」

「えっ!何があるんですか?何か中にできているんですか?」

「いいえ、これは筋肉がこの箇所だけが回りよりも余分に緊張して弛まなくなって常習的な硬直になっているだけです。

とにかくこれが弛むとこのあたりの緊張がとれて、それが連動的に他の弛みを誘って血流や分泌、自然治癒の邪魔をするんです。だから何かができているんではないですよ。」

こういう緊張というのは比ゆ的な表現をすると交通渋滞の元になっている事故現場みたいなものです。

これがまだ体に弾力があって余裕があるうちは良いのですが、体が硬い上に感覚が鈍くなってしまうと
、作り治そうという反応が起きないまま、全体としては悪化していくということが起きてくるのです。

例えば、お腹の筋肉の隙間にある緊張と肝臓そのものがなぜ関係あるのか?

そういう疑問もあるでしょうけど、実際にはこれは「 確実にある 」としか言いようがありません。


申し上げたいのは、

慢性の頭痛でもそうでなくても、症状がハッキリ感じられるうちは体が生きようとしている証ですから、
メンタルな作業としても取り組みやすいということです。

そして、それを改善していくために私が行なうNRTワークという方法は、
症状に伴うイメージや感覚を活用します。

それは身体症状のワークといいます。
この根本原理は、結局のところ自律神経の働きで理解するのが分かりやすいです。


もし、上頚部の交感神経の働きが興奮しすぎて結果的に頭痛を起こしているのなら、
反対の作用をもつ副交感神経や迷走神経の働きが回復されれば良いわけです。

要するにこの作用をもつにふさわしい「 個人的な心身の状態をみつけ 」、自分のものにすればいいのです。

そのことに気づけた時、

先に説明した腹部の感情と関係ある部分や、症状と連動してその自律神経の働きを乱している
背骨の緊張(多くは背骨の直ぐ際に出る緊張)が弛むのが同時なのです。



例えばこれは頭痛の話ではないですが、甘いものの食べすぎと太るのを気にしていたある人は
体操や整体をしばらく続けていました。

体が引き締まり始めて勢いがついた頃合を見計らって私はワークを奨めてみました。
そして、その人はあるムードをもっと大事にする必要があることが分かってきました。(一回のワークです。)

そこで私はこれまで続けていた体操を一切止めるように言いました。

その方が次回来て言うことに、

「私驚いちゃった。あのあと、急に2キロ減ったんです。ほんと何もしないのに‥‥」

「えっ?ホントですか?」

「それに食欲がなくなってきたんです。甘いものを食べたいって思わなくなったし‥‥」


私にはこのカラクリはほぼ予想がつきます。これはサイキックなことではありません。

実に生々しい減少なのです。

例えば最近は免疫学が発達したお蔭で、次のようなことが分かってきています。

リンパ球は癌を食べる能力があるのは知られています。
ところがそのやるべき事をしない、つまりリンパ球が仕事をサボる状態というのがあるのです。

どういうことかといいますと、

リンパ球が働くように[ゴー]サインを出すホルモンと[ストップ]サインを出すホルモンがあって、

ゴーサインを出す方に、またまたストップをかける力も存在するのだそうです。

ですから、リンパ球がシッカリお仕事をするには

●[ゴー]×[ゴー]

●[ストップ]×[ストップ]

このどちらかか、両方の状態になればいいのだそうです。
沢山笑うとリンパ球が癌を食べるしくみにはこの構造があるのだそうです。


話を元に戻すと、その人にはこんなことが起きたのだと思います。

(1)心と連動しているホルモンバランスとして、
食べる欲求を「止める」ホルモンに[ゴー]、食べたくさせる方に[ストップ]の状態になった。

(2)食中枢、感情、代謝と関係している胸椎6番が緊張を起こして過敏(働きすぎ)になっていた。
しかし、ワークでの気づきでその緊張が弛んだ。

(3)そのことが、排泄や代謝と逆相関していた。
つまり [食欲]▲[代謝]▼ の関係だったのが、
背骨を介して▼▲になって体の中から排泄感覚が呼び起こされた。→体重が減った。


■ まとめ
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ストレスに対して、心の堂々巡り、背骨を含む姿勢、自律神経の働き、ホルモンの働き、これらが偏ったまま常習化、あるいは急にその状態になったために頭痛になっているとしたら、

これは体にとっても困るし、部分的に痛みだけをとっても問題は解消しません。全部が一連なのですから。

そしてこれは私の経験的な意見ですが、普通ストレスに対して人は強くなろうとします。

悪いことではありません。

でも、もし単に我慢することで解消の兆しが無いとしたら、
それは強さの使い方、方向付けが誤っていることが考えられます。

それが自然なら、先ほど話した二重ロックのシステムが答えてくれるはずなのです。

○十年物の年期の入ったひどい頭痛持ちの人がワークをされたことがあります。
そのときには全身がフーッと弛んでいくのが見て取れました。

これは臨床ダイジェストに簡単にのせましたので
関連ページを含めてお読みいただければもう少し分かりよいかと思います。
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