*ちょっとよりみち*  
鉱石ラジオ大研究F 

特別寄稿 JA1iss 黒川健次 さん

ホントに聞こえるの!!
50MHz鉱石
VHF−FM受信機

鉱石ラジオはAMが定番。FMなんて受信できるのでしょうか?

でも良く考えてみると高級FMラジオも検波回路はダイオードを使ったもので原理的にはまったく問題ないはずです。しかしFMラジオの場合高周波増幅回路や中間周波増幅回路でしっかり増幅しています。

ホントに聞こえるのでしょうか。

黒川さんは50MHz−FMアマチュア無線用モニタとして制作を試みました。もちろんFM放送の受信機として制作されても面白いでしょう。

今回クラブの会員向資料の一部を掲載させていただくことが出来ましたので興味のある方は実験してみてはいかがでしょうか?

50MHz鉱石VHF−FM受信機
夢の鉱石ラジオがナウイ・・・・

JA1iss 黒川健次 著
 
《50MHz鉱石VHF−FM受信機》
    ”重いのでご注意ください”
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黒川健次さんはアマチュア無線クラブSignal Corps Academy を主宰。
軍用通信機器のデザインや設計理念に関心を持ち定期的に技術講習会を開催しています。

  
実験してみました・FMラジオ
cvfの実験レポート

ホントに聞こえた!!
しかし感度が悪い???

さっそく黒川さんの記事を見ながら実験をしました。
黒川さんの試作品は使用目的が50MHzトランシーバの調整用モニタということで近くに置いた無線機からの信号をきれいに検波(復調)していました。
私も同じように作って受信可能なことを確認しました。

それならFMラジオ実用になるか?悪い虫が頭を持ち上げました。
検波回路は出力が大きいといわれる(黒川さんの実験と同じもの)レシオ検波です。

ここで気になったのは検波器の帯域幅です。ここでFM検波についての考察はしませんが一つのコイルともうひとつの位相コイルがどのように帯域幅に関与するかということです。FMラジオの検波回路は普通10.7MHzで帯域は200KHzくらいあります。80MHzではどうなるのかな?

とりあえず作ってみました。
SG(信号発生器)からの信号はきれいに受信できます。しかし感度が悪いのです。黒川さんと同じように作ったモニタ用と比較しても同じようなものです。
モニタ用の場合電波は強いですから使えますがFMラジオの受信にはまったくお手上げでした。

そこでAM信号を受信(検波器を変える)してみるとそれなりに聞こえます。FMの場合感度が悪いのは心配的中”検波器の帯域幅が広すぎる”ようです。
+側と-側のピーク周波数が数MHz有りそうです。これを狭くしないと感度は上がりません。
この周波数では同調回路の帯域は数MHz有っても当然です。
帯域を狭くするには”周波数を下げること”ですがこれは鉱石ラジオでは叶いません。他に良い方法が閃くまでちょっと Give Up です。


【試作のFM鉱石ラジオ】

コイルが大きいのはアンテナとしての効果を期待したため。コイルの直径約10cm
SGに1mくらいのリード線をつけ最大出力で100KHz変移の変調率(普通の放送と同じ)で10cmくらいの距離しか聞こえません。
250KHz変移にすると50cmは聞こえます。

【復調】
FMの場合検波のことを復調という表現をすることが普通です。検波器が整流作用でありそれだけで信号を取り出せないFMやSSB、多重変調などでは復調という言葉を使っています。

【ja1cvf 0105】

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