トルコ旅行2006雑感
(12) ボスポラス海峡:トルコのボスポラス海峡はヨーロッパとアジアを分けて、北の黒海の水を南の
マルマラ海に押し流している。
海峡の長さは30キロメートル、幅は2~3キロメートル、深さは平均60メートル、毎時6キロの速さ、但
し下層は逆に南から北へ流れる早い海流があるという。海面には潮の干満の差が無いため、海水面ぎり
ぎりに民家が建っていたり、道路があって車が走っていたりする。ボスポラス海峡は山を縫って流れて
いるので、微妙な潮流があって、時に大型船が運転を誤り道路や民家に乗り上げることがあるそうだ。
とんだ交通事故である。
海峡には二本のつり橋がかかっている。下流から一本目がボスポラス大橋、二本目がファティフ・スル
タン・メフメト大橋、いずれも片側三車線の自動車道路である。ファティフ・スルタン・メフメト大橋
の近くの海峡幅は一段と狭く450メートルというが、橋の近くのアジア側に比較的小さなアナドル・ヒ
サル、ヨーロッパ側にルメリ・ヒサルという城壁が築かれている。ルメリ・ヒサルはスルタン・メフメ
トⅡ世が1453年のコンスタンティノープル戦に備えて4ヶ月ほどで築き上げたといわれている。両岸の
城壁から大砲を打ち込まれたら、いくら操船上手な船長もたまらない。停戦して通行税を支払った方が
よい。
ボスポラス・クルーズでは金角湾入口のガラタ橋からこの写真のようにルメリ・ヒサルの横を通ってフ
ァティフ・スルタン・メフメト大橋の下まで行ったが、行きはヨーロッパ側を、帰りはアジア側を通っ
た。行きと帰りとでは岸辺の建物の様子がはっきりと違っていた。ヨーロッパ側は壁を白く塗ってリゾ
ート風であるのに対し、アジア側は木造の民家風のものが多かった。ヨーロッパとアジアとの境目とい
うのがはっきり認識できた。
一方、ロシアではウラル山脈がヨーロッパとアジアを分ける境のようであるが、黒海とウラル山脈とで
は経度があわない。黒海沿岸のロシア側の陸地では、何をもってヨーロッパとアジアを分けているのだ
ろうか。黒海北岸のウクライナやロシアはヨーロッパ、東岸のグルジアはアジアということになるの
か。ウラル山脈の東はアジアではなくシベリアというのであろうか。ちなみに、トルコのアナトリアは
小アジア、さらに東に行くとミッド・イースト・アジアつまり中東、インドあたりは単にアジア、フィ
リピンあたりは東アジア、日本まで来ると極東。シベリアは西から東までずっとシベリアなのだろう
か。
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