トルコ旅行2006雑感
 (6) デジタルは高い: 軍楽隊 11日間のトルコ旅行で私はアナログ式写真機1台に35mmと200mmズームのレンズを2本もち、ASA400の36 枚取りフィルムを10本持った。家内は300画素のデジタル・カメラに256MBのピクチャー・カードを入れ て持っていった。
私は結局10本のフィルムで足りず、最後のイスタンブールでフィルムを1本買い足した。デジタル・カ メラは事前の準備が悪く旅程の半分ほど消化した頃バッテリーが上がってしまった。専用のバッテリー だったので現地調達も充電もできず、イスタンブールに入ってからレンズ付きフィルムを1個買い増し た。
トプカプ宮殿では、丁度、軍楽隊がオスマン時代の衣装を着て演奏を始めるところだった。始め35mm レンズで軍楽隊が演奏しながら近づいてくるのを撮影し、宝物館の前で整列してからは200mmズーム レンズに交換して、部分大写しの画面を構成するショットを10枚ほど粘って撮影した。旅行仲間達は 私の粘りを辛抱強く待っていてくれた。宝物館内の「トプカプの短剣」や86カラットあるという「ス プーン・メーカーのダイヤモンド」は撮影禁止になっていた。
さて、日本に帰って11本のフィルムとデジタル・カメラのピクチャー・カードを持っていって、プリ ントしてもらったところ、肝心の軍楽隊200mmズームのショットが一様に露出不足で薄ぼんやりとし か写っていない。ネガ・フィルムを見ても現像工程でのミスでないことは明らかである。これにはがっ くりきてしまった。前年のルーマニア秘境旅行の時には200mmレンズだけ持っていった結果、「通常の 35mmレンズなら写せたのに」と思う時が何度かあった。したがって今回は2本のレンズを重さをいとわ ず持ち歩いたのに。
冷静に思い起こしてみると、軍楽隊の前でレンズを付け替えた時にシャッター・スピードのボタンを間 違って触ってしまったように思う。200mmレンズで最初に構えた時に、構図やら最近景に何を置くか、 ピントはどこに合わせようかなど、色気を出してシャッターを切るのをためらっていた。その時にもう 一度露出を確かめるべきだった。一枚写した時にシャッター・スピードの異常に速い音に気が付くべき だった。
さて、写真屋に支払いをする段になって、プリント一枚あたりの値段はフィルム分もデジタル・カメラ 分も同じであると知らされた。フィルムの方はサービスとして40枚入りのアルバムが何冊かに、フィル ムも何本か無償で受け取った。しかし、デジタル・カメラの方にはそのようなサービスは無いという。 40枚入りのアルバム一冊3〜40円のものだが何冊か買わされる羽目になった。
35mmフィルムは世界中どこでも、かなり辺鄙なところでも売っているが、デジタル・カメラの専用バッ テリーは売っていない。バッテリーが上がってしまえばデジタル・カメラは無用の長物となる。だか ら、デジタル・カメラで写真を写した場合、アナログ・カメラのものより高くつくと思った。新兵器は 便利で、しかし、総合的には割高なものだということを改めて認識した。



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